鬼滅の刃の柱の中でも一番最初に炭治郎たちに出会った人物です。表情はほとんど変わることがありませんが、彼の優しさは一体どこからくるものなのでしょうか。
冨岡の過去や炭治郎、禰豆子への思いについてご紹介していきたいと思いまうす。
冨岡義勇の基本情報
名前 | 冨岡義勇(とみおか ぎゆう) |
性別 | 男 |
肩書き | 水柱 |
呼吸法 | 水の呼吸 |
年齢/誕生日 | 21歳/2月8日 |
身長/体重 | 176センチ/69キロ |
声優 | 櫻井孝宏 |
初登場 | 第1話「残酷」 |
その他 | 姉・蔦子 |
冨岡義勇の特徴
黒髪で髪の毛は首よりも少し下くらいまでの長さです。瞳の色は青色。冨岡が羽織っている羽織の半分は錆兎の形見でもう半分は姉・蔦子の形見です。
普段は無表情で口数も少ないですが、初登場で禰豆子を殺そうとするときの表情は険しくなっています。また、胡蝶しのぶに「他の隊士に嫌われている」ということを指摘されると、むすっとした年相応の表情になったりもします。
竈門兄妹との出会い
柱になったばかりの頃に冨岡は山の中で炭治郎・禰豆子と出会います。禰豆子が鬼であることに気が付くとすぐに攻撃を開始しますが、妹が鬼になったことを知りながらも守ろうとし、冨岡へ「助けてくれ」と懇願する炭治郎の姿を見て炭治郎へ叱責する場面もありました。ですが、血を流しながらも兄を守ろうとする禰豆子を見て、この2人は何かが違うと思い、禰豆子を殺すことをやめ、自分の師匠である鱗滝の元へと炭治郎たちを送り出しました。
また、柱合会議では冨岡以外の柱が鬼である禰豆子を受け入れられないと声をあげる中、冨岡ただ1人は鱗滝と共にお館様への手紙の中で「禰豆子が人を襲った場合は腹を切ってお詫びします」と記述するほどの覚悟を持っています。
痣の発現
上弦との闘いで時透、甘露寺が炭治郎と似たような痣を発現したことから、痣を発現することが上弦を倒すために必要なことだということがわかりました。冨岡は上弦の参との闘いで、自身が上弦の参の遠くへ吹っ飛ばされたことへの怒りから左頬に水の文様のような痣が発現しています。
冨岡義勇の性格
寡黙で他の隊士と一線を引いているような態度をしています。そのため他の柱からは気に喰わないと思われているようで、不死川からは稽古という名目の決闘を申し込まれたり、伊黒からはあからさまな敵意を向けられることもあります。しかし、そんな中でも冨岡は”馴染めていないのは自覚しているが嫌われてはいない”という謎の自信を持っているようです。
不器用すぎる優しさ
冨岡の優しさは、竈門兄妹を自身の師へ紹介し、柱合会議でも自分の命を差し出すほどのものですが、それを表情や態度に出すことは少ないため周囲に誤解されがちです。不死川と稽古をしている際も不死川の好物が「おはぎ」であることを知るなり、不思議な表情で不死川のことを見ていました。
これがさらに不死川の怒りを買ってしまいます。ですが冨岡は不死川が怒っている理由を全く理解できていないため、次に不死川と会ったら好物のおはぎをあげようと心に決めています。そうしたらきっと仲良くなれると確信しているのです。この時の冨岡は「ムフフ」という不思議な笑みを零していますが嬉しそうです。
実際の不仲の不死川と冨岡ですが、無惨との最終決戦の最中、不死川が刀を赤くするために冨岡を呼び、冨岡と刀をかち合わせることでお互いの刀身を赤くするというシーンがあります。
炭治郎と禰豆子への想い
炭治郎との共闘や、炭治郎と過ごした時間で少しずつ冨岡は炭治郎以外にも心を開くようになってきました。無惨との直接対決が始まった直後、炭治郎を邪魔だと感じた無惨は自分自身の大量の血を”鬼にするため”ではなく”炭治郎を殺すため”に注ぎこみます。その炭治郎の姿を見た冨岡の表情はなんとも言い表すことができないような、絶望を貼り付けたような表情でした。
無惨との死闘を終え、無事無惨を倒したかと思いましたが、息をしていない炭治郎を目の前にした冨岡は炭治郎と禰豆子に謝りながら涙を流します。しかし、無惨の血によって炭治郎は鬼化してしまいます。すると冨岡は真っ先に「炭治郎を殺せ!」と叫びますが、この言葉を発するまでにどれほど心の中で葛藤があったのか。無事に炭治郎が人間に戻ることができると、ほっとしたように隠に支えられている冨岡がいました。
冨岡義勇の技
冨岡は水の呼吸を使う水柱です。刃の色は青色で、鍔の柄は冨岡の羽織の柄と同じ亀甲形になっています。水の呼吸は冨岡の師匠である鱗滝が教え、伝えている呼吸とされています。また、一番多くの剣士に使用されている呼吸法のため、同じ技を炭治郎も使用します。壱~拾までは基本の水の呼吸ですが、拾壱ノ型のみ冨岡のオリジナルの型です。
- 水の呼吸 壱ノ型「水面斬り」・・・両腕を交差させて勢いよく水平に刀を振るう技です。
- 水の呼吸 弐ノ型「水車」・・・垂直方向に身体を一回転することで広範囲に攻撃ができる技です。
- 水の呼吸 参ノ型「流流舞い」・・・水が流れるように滑らかに刀を振るう技です。炭治郎との共闘では姿勢を低くして技を放つことで炭治郎へ配慮しながら技を繰り出しました。
- 水の呼吸 肆ノ型「打ち潮」・・・荒れた大海の波のような動きで相手に斬りつける技です。硬い身体の鬼も柔らかいものを斬るかのように斬りました。
- 水の呼吸 伍ノ型「干天の慈雨」・・・慈悲の剣撃で、鬼に一切の苦痛を与えない技です。この技は水の呼吸特有のもので他の呼吸には”鬼に情けをかける技”は現在の所存在していません。
- 水の呼吸 陸ノ型「ねじれ渦」・・・上半身と下半身を強くねじった状態で勢いよく剣撃を繰り出す技です。
- 水の呼吸 漆ノ型「雫波紋突き」・・・波紋の中心を狙うようにして突き出す技です。風柱・不死川との稽古では不死川との技との衝突で使用していた木刀が折れました。
- 水の呼吸 捌ノ型「滝壺」・・・威力や攻撃範囲も高く広い技で怒涛の勢いと共に上段から打ち下ろします。
- 水の呼吸 玖ノ型「水流飛沫・乱」・・・戦いの中での着地時間や面積を最小限にして、縦横無尽に駆け巡ることのできる技です。
- 水の呼吸 拾ノ型「生生流転」・・・うねる龍のごとく刃を回転させながら攻撃する技です。一撃目よりも二撃目、三撃目・・・と放つごとに威力が大きくなります。
- 水の呼吸 拾壱ノ型「凪」・・・凪というのは無風状態の海のことを指しており、自分の間合いに入った鬼の術を全て無効化できる技です。
冨岡義勇の過去
冨岡は鱗滝の弟子であり、炭治郎に山の奥で稽古をつけてくれた錆兎の同時期に最終戦別を受けています。十三歳だった当時の冨岡は同い年で天涯孤独という錆兎とすぐに仲良くなりました。錆兎は生きていた頃も変わらず、正義感が強くて、心の優しい少年だったそうです。その年の最終戦別で死んだのは錆兎ただ一人でした。その理由は錆兎がほとんど1人で山の鬼を倒してしまっていたからでした。
最終戦別時、冨岡は最初に鬼に襲われて意識が朦朧としている中、錆兎に助けられています。冨岡が目を覚ました頃には選別は終了していて、選別のルール通り、七日間生き延びることはできました。ですが、冨岡自身は鬼を倒して最終戦別を突破したわけではなく、そのことがずっと心の引っかかっていた冨岡は自分が柱として存在しているのはおかしいと感じており、他の柱と一線を引くような態度をしていたのです。
冨岡の姉・蔦子
冨岡の姉である蔦子は鬼に殺されなければ、翌日に祝言をあげている予定でした。しかし、鬼は冨岡家の襲撃しまいした。冨岡を庇い、姉の蔦子は亡くなってしまったのでした。
錆兎とのやりとり
炭治郎の言葉によって冨岡は忘れていた錆兎との記憶を思い出します。それは「二度と自分が死ねばよかったなんて口にするな」という錆兎の厳しい言葉でした。託された未来を繋ぐ、ということを思い出した義勇は過去を克服します。
冨岡義勇の声優
冨岡義勇を演じるのは、名前や声を一度は誰でも聞いたことがあるのではないでしょうか。大人気声優の櫻井孝宏さんです。1974年6月13日生まれで愛知県出身。現在はインテンションに所属しています。
代表作は『おそ松さん』松野おそ松役、『ジョジョの奇妙な冒険ダイヤモンドは砕けない』岸辺露伴役、『D.Gray-man』神田ユウ役、『金色のガッシュベル』高嶺清麿役、『デジモンアドベンチャー』テントモン役など、人気作のメインキャラクターを幅広く演じています。作品も少年向けから女性向け、日朝アニメまで幅広いです。
冨岡義勇の名言・名シーン
ここからは冨岡義勇の名言・名シーンについてご紹介していきます。
「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」
淡々と鬼はこういう生き物であるということを炭治郎に説明しながら、禰豆子を殺そうとするが、土下座をして惨めったらしく懇願する炭治郎に対しこの言葉を叫び、叱責します。
この言葉によって炭治郎の妹を守り抜くということへの執念のスイッチが入り、冨岡と正面から闘うことを選ぶのでした。
「お前は・・・・・」
死んだ鬼の着物を踏みつけにしていた冨岡に対し、最初は気が付いていませんでしたが「鬼は悲しい生き物だ」と強い口調で主張する炭治郎のそばに禰豆子が眠っていることに気が付きます。この時に炭治郎があの時の少年であることを冨岡は察し、攻撃してきた胡蝶から炭治郎と禰豆子を守りました。隊律違反であると胡蝶に指摘されますが一切動じた表情を見せませんでした。
”鱗滝左近次 冨岡義勇が腹を切ってお詫び致します”
これは冨岡の直接的な言葉ではありませんが、お館様へあてた手紙に書かれていた冨岡自身の言葉と覚悟が現れているシーンです。この後他の柱に理解できないという風に言われますが、伊黒に押さえつけられ呼吸も満足できていない炭治郎から黙って伊黒を引き離します。
「俺は水柱じゃない」
そう言った冨岡は炭治郎に自分の最終戦別での話をしはじめます。冨岡は炭治郎の知る錆兎と面識がありました。
ほぼ意識のない状態で最終戦別を突破していた冨岡は自分自身を他の柱とは違うと感じており、肩を並べ、対等の立場にいてはいけない存在だと感じています。彼の言葉数が少ないため他の柱たちに勘違いを生んでしまっているようです。
「俺は他人に守られてばかりだ」
無惨を倒し、自身も相当な怪我を負い、隠に「動かないでください」と言われながらも彼は炭治郎の元へ行きます。しかし、息をしていない炭治郎を目の前にして、冨岡は自分自身の無力さを悔い、炭治郎に、禰豆子に懺悔の言葉を心の中で述べました。
「人を殺す前に炭治郎を殺せ!!」
炭治郎が鬼にされたと気が付いた直後、仲間に向かって冨岡はこう叫びます。それは”炭治郎が炭治郎のまま死んでほしかったから”という気持ちが根底にありました。
しかし、鬼化した炭治郎は日の光で焼けることはなく、誰かが頸を斬らなければならないという状況になってしまいます。
冨岡義勇は不器用な優しさを持つ、誰よりも他人を思いやれる水柱
無口で無表情が初期の頃の特徴だった冨岡ですが、炭治郎により過去を克服できたことで少しずつ表情も豊かになり、心も開き始めます。中でも炭治郎への思いは強く、炭治郎のために戦う姿が描写されているシーンが多くあります。
これからも過去を克服した彼の色んな表情が見れるといいですよね。