鬼滅の刃では胡蝶しのぶの継子として登場する栗花落カナヲ。最初こそ口数が少なかった彼女ですが、炭治郎や仲間に触れることで自分の意思を持ち始め、成長した子です。
そんなカナヲについて彼女の使う呼吸や、過去を掘り下げていきたいと思います。
栗花落カナヲの基本情報
名前 | 栗花落カナヲ(つゆりかなを) |
性別 | 女 |
肩書き | 丁 |
呼吸法 | 花の呼吸 |
年齢/誕生日 | 16歳/5月19日(出生不明のためしのぶ達と出会った日にしています) |
身長/体重 | 152センチ/44キロ→156センチ46キロ |
声優 | 上田麗奈 |
初登場 | 第44話「隊律違反」 |
その他 | 胡蝶カナエとしのぶに継子として引き取られた過去があります。 |
栗花落カナヲの特徴
黒髪で毛先にかけてピンク色になっています。髪の毛は右側でひとつに束ねていて、しのぶと同じ蝶々の髪飾りをしています。髪を下ろすと胸にしたくらいまで長さがあります。無口で指示をされたこと以外の行動はしませんし、会話もしません。迷った時にはカナエからもらった銅貨を投げて選択をしています。
類稀なる身体能力を持っていて、訓練相手となることもあり、その力量は同期の隊士たちをもしのぐほどです。そんなカナヲですが当初は鬼殺隊に入ることをカナエもしのぶも認めていませんでした。しかし、アオイたちのように蝶屋敷での手当てが上手にできなかったカナヲは”自分の意思”で見様見真似で花の呼吸を習得して、鬼殺隊の選別には無断で参加しています。
カナヲを変えた竈門炭治郎という存在
蝶屋敷を出発する際にカナヲへあいさつに来た炭治郎にすら、カナヲは銅貨を投げて話をするかを決めていました。それを見た炭治郎は”自分の意思で決めてもいい”とカナヲに伝え、炭治郎は銅貨を投げて表が出れば「カナヲはこれから自分の意思で行動する」という一方的な約束をし、表を出して去って行きます。この炭治郎の行為がカナヲの心を動かし、炭治郎が去ったあと銅貨を手で包み胸の前でぎゅっとする仕草をしています。この時のカナヲの感情はカナヲ自身にも理解できないものでした。
上弦の陸との死闘のあと2ヶ月もの間目覚めなかった炭治郎のために花を生けたりしていたようで、炭治郎が目覚めると涙を流して安心したような表情をしています。この後、隠の後藤さんに「炭治郎が目覚めたなら人を呼べ!」と大声で説教をされてしまいます。この時のカナヲはあわあわして、後藤さんにペコペコと頭を下げていました。まだ炭治郎たち以外の人との接触にはなれていないようです。ですが、再び眠りについた炭治郎を見てその周りで大騒ぎをしているアオイと伊之助に対し「静かにして!」と声をあげています。
カナヲの過去を描いた番外編ではカナヲの初恋が炭治郎であるかのような描写がされています。それを証明するかのように、無惨を倒した後に鬼化してしまった炭治郎のために自分が失明するリスクのある技を使い、炭治郎を救うのです。炭治郎が目覚めるシーンではお互いに視線を合わせて微笑む描写があります。
栗花落カナヲの性格
孤児であったために、カナエとしのぶに引き取られた当初からほとんど無口で無表情の少女でした。炭治郎によって自主性を解放されたカナヲはだんだんと自分の感情を表に出すようになってきます。ですが、それよりも以前にカナヲが自分の意思で行動していることがあります。それは鬼殺隊入隊のための選別への参加です。
カナエとしのぶに無断で選別に参加したことは確かにカナヲの意思だったはずです。鬼への強い思いを近くでみていたカナヲだからこそ、自分も強くなりたいと思ったのです。またカナヲの”栗花落”という苗字も候補の中からカナヲ自身が選んでいます。
柱稽古に参加していた際もしのぶに対して「師範にもっと稽古してもらいたい」などと恥ずかし気に発言していて、しのぶもそれを良い傾向だと微笑んでいました。
目の前で直面した”姉”の死
上弦の弐・童磨としのぶが闘い、しのぶが童磨に吸収されていくというところで、カナヲが駆け付けます。童磨に骨を折られ吸収されたしのぶを見たカナヲは激昂し、怒りで震えます。
カナヲはこの時すでにしのぶに「自分は鬼に喰われなければならない」と告げられています。しのぶを吸収したことによって藤の花の毒を体内に取り込んだ童磨に毒が効き始めると、しのぶの意思をしっかりと受け継いでいるカナヲは自分の目を失う可能性のある呼吸を使い童磨を倒します。この代償としてカナヲの右目はほとんど見えなくなってしまいます。
栗花落カナヲの技
カナヲは蟲柱の継子ですが、自身が習得している呼吸はカナエも使用していた花の呼吸です。
- 花の呼吸 弐ノ型『御影梅』・・・自分を中心にして周囲に連撃する技。
- 花の呼吸 肆ノ型『紅花衣』・・・前方に向けて弧を描くように切り付ける技。
- 花の呼吸 伍ノ型『徒の芍薬』・・・相手に九連撃を食らわせる技。
- 花の呼吸 陸ノ型『渦桃』・・・空中で身体を捻りながら切り付ける技。
- 花の呼吸 終ノ型『彼岸朱眼』・・・視力のいいカナヲの能力を最大限に生かす技。目に大きな負荷をかける技のため長時間の仕様は失明の代償も伴います。
栗花落カナヲの過去
カナヲは孤児として身売りされそうになっているところをカナエとしのぶに引き取られ継子として育てられました。カナヲが育った環境はとても劣悪なもので、泣いていると蹴とばされ、踏まれて、引きずり回されて、水に付けられていたようです。父親に殴りかかられ、当たり所が悪いと兄弟たちは冷たくなっていたこともあったようでした。そのような環境で育ったので、カナヲは自分の意思を持たず、指示をされないと何もできない、何もしない人間に育ってしまったのです。
カナエとしのぶに引き取られたことで少しずつ人としての感情を取り戻してきていたカナヲでしたが、カナエの死を知り、周りが泣いていても、カナヲは冷汗が出て泣くことができませんでした。これはカナヲが育ってきた環境が起因していました。カナヲは泣くことを我慢しながら育ってきたのです。
栗花落カナヲの声優
カナヲの声を担当しているのは上田麗奈さん。1994年1月17日生まれで富山県富山市出身です。所属事務所は81プロデュース。
代表作は『ハナヤマタ』の関谷なる役や、『ReLIFE』の小野屋杏役、『Dr.STONE』のルリ役などがあります。
栗花落カナヲの名言・名シーン
ここからは栗花落カナヲの名言や名シーンをご紹介していきます。
「好きな人や大切な人は漠然と明日も明後日も生きているような気がする」
しのぶを童磨に目の前で殺されて、激昂している時に入るカナヲのモノローグシーンです。
カナエとしのぶのことを思い出しており、生きているような気がするのは約束されていないただの願望にすぎないのだとカナヲが2人の死を持って気が付くシーンです。
「貴方、何のために生まれてきたの?」
猗窩座が死んでしまって悲しい、と言いながら涙を流す童磨。
その童磨の言動が嘘偽りであるということ、童磨には感情が欠落していることを指摘して、挑発するように童磨に向かって放つ言葉です。この言葉に対し童磨は気にくわないと思ったのかすぐにカナヲへ攻撃をしかけます。
伊之助のしのぶに怒られるぞ!という発言に泣きそうな険しい表情になるカナヲ
童磨との闘いでしのぶが死んでしまったということを意図的に感じないようにしていたカナヲでしたが、伊之助が現れて、伊之助が「しのぶ」の名前を出すと、死んでしまったというのを表情だけで伝えるようにただ伊之助をじっと見つめました。
この時のカナヲの表情は何とも言い難いものです。
「ごめんなさい姉さん、でも私今度はちゃんとできたよね?頑張ったよね?」
右目を失ったカナヲがカナエとしのぶ2人の髪飾りを探しながら、今は亡き2人に語り掛けるシーンです。
この後、しのぶの髪飾りも見つけカナエの髪飾りと共に胸に抱きしめると、2人が「がんばったね、カナヲ」とカナヲの頭を撫でて天国へ行ってしまうような描写があります。泣けなかったカナヲはこの時ようやく両目から涙を流します。
「私の目を片方残してくれたのはこのためだったんだね、姉さん」
鬼化してしまった炭治郎を見て、それを必死で助けようとする禰豆子を見て「可哀想だ」という感情を口から零します。
そしてしのぶから万が一にと預けられていた藤の花から作った薬を持ち、炭治郎に向かって「花の呼吸 終ノ型:彼岸朱眼」を使います。この時のカナヲは自分が両目とも失ってしまうという可能性を知っていながらも迷いなく炭治郎を救う選択をします。
2人の姉の意思を受け継ぎ、自分の意思を取り戻した栗花落カナヲ
自分の心と意思を閉ざしていたカナヲは炭治郎によってそれを解放されます。2人の姉を大切に思い、仲間を大切にするひたむきな彼女の姿はすごく素敵ですよね。
鬼になってしまった炭治郎を自分を顧みず救おうとするのも、自分の意思を持ったカナヲだからこそできた行動なのかもしれません。