コアラは天竜人の元奴隷という過去を持ちながら、トラウマを克服し革命軍メンバーとして再登場したキャラクターです。
登場当初から一貫したキャラクターを持つことが多いワンピース作品において、トラウマを持った状態で登場し、長い時間を経て成長した姿を見せた数少ないキャラクターの一人でもあります。
今回は、コアラの基本情報や魚人たちとの過去、名シーンをご紹介します。
コアラの基本情報
名前 | コアラ |
性別 | 女性 |
所属 | 天竜人元奴隷→タイヨウの海賊団→革命軍幹部 |
出身地 | 偉大なる航路 / フールシャウト島 |
使用する技・術 | 魚人空手師範代 |
年齢/誕生日 | 11歳→23歳 / 10月25日 |
身長 | 160㎝ |
声優 | ゆきのさつき |
初登場 | 第622話「タイヨウの海賊団」 |
コアラの特徴
オレンジ色の髪が目を引く、愛らしい容姿の女性です。服装は赤い帽子にゴーグル、フリルのブラウスに二―ソックスと、女性らしいコスチュームになっています。大人になってからは見られていませんが、背中にはかつて奴隷の証であった竜の蹄の焼き印を上から覆い隠すため、太陽のシンボルの焼き印を持っています。
かつての初登場時では元奴隷らしいボサボサ頭、汚れた衣服だったことを考えると見違えるような姿です。幼少期からの特徴の丸い瞳は変わっておらず、表情が豊かでその魅力は増していると言えるでしょう。ドレスローザ編での再登場時から、「かわいい!」と読者の間で話題になっているようです。
コアラの性格
かつて魚人島編の回想時に登場した幼少期の様子では、大きなトラウマを背負い感情を殺すシーンが印象的でした。12年たった今では、怒ったり泣いたり感情豊かな様子が伺えます。
革命軍の本拠地バルティゴが襲撃された後、サボの無事を知って人目をはばからず涙を流したり、サボの単独行動に振り回されて激怒したりと、サボのお姉さん的ポジションで面倒見の良い性格でもあります。
コアラの能力
コアラは魚人空手師範代です。他に主だった能力はまだ明かされていません。戦闘シーンは少ないですが、ドレスローザ編では下っ端を一蹴し、その肩書からも相応の戦闘力と予想されます。魚人空手はジンベエによりその威力が証明されていますし、水を操る技術ですから今後海上戦での活躍が期待できそうです。
ドレスローザ編では海賊船を装って密貿易する各国の船を発見し、証拠を押さえました。また、押収した武器に特殊な貴金属が含まれることを明らかにするなど、諜報能力は革命軍でも随一のものの様です。革命軍においては特別な肩書があるようではないですが、No.2のサボとともに行動していることから、周囲には実力を認められた存在なのかもしれません。
コアラの過去
現在は明るく活発な様子のコアラですが、実は天竜人の元奴隷であった過去があります。14年前、フィッシャー・タイガーがマリージョアより解放した奴隷の一人だったのです。
解放より3年後(新世界編より12年前)、コアラが身を寄せていた逃走先の航海術では故郷までたどり着けないことから、フィッシャー・タイガー率いるタイヨウの海賊団に預けられ、故郷まで送り届けてもらうことになりました。
奴隷から解放され3年が経過したとはいえ、壮絶な過去は忘れがたいものだったようで、不自然なふるまいでタイヨウの海賊団一行を驚かせました。しかし時が経つにつれ魚人たちと打ち解け、故郷に到着する頃にはコアラの心は少なからず回復した様子を見せていました。
それからさらに3年後、コアラ14歳のときに革命軍所属のエビスダイの魚人ハックにより、革命軍に加入したようです。コアラはハックから魚人空手を習ったようですが、細かい経緯はまだ明らかにされていません。
コアラの声優
コアラの声優はゆきのさつきさんです。滋賀県出身の女性声優で、賢プロダクションを経て、現在はフリーで活動しています。代表作に「犬夜叉」日暮かごめ、「フルメタル・パニック!」千鳥かなめ、「ケロロ軍曹」プルル看護長があります。高い演技力からヒロイン役を演じることも多く、明朗活発な役から成人女性の役まで幅広くこなします。コアラの役では、明るく元気な雰囲気を披露しています。
コアラの名セリフ・名シーン
では次に、コアラの名台詞・名シーンをご紹介します。
「何があっても泣きませんから殺さないでください」
登場時、コアラは常に笑顔で強面の魚人たちにも物怖じしない少女のように描かれました。
しかしその後、何をされても張り付けた笑顔を崩さず、「泣きませんから殺さないでください」とだけ話し船内を掃除しようとします。その言葉から、魚人たちもコアラの壮絶な過去を思わずにはいられないのでした。
コアラの発言から、泣いてしまった奴隷が殺されてしまったのだろうと容易に想像でき、読者に天竜人の奴隷の扱いがどのようなものか印象付けたシーンです。
「……だって何も知らないから……」
当時タイヨウの海賊団の一船員であったジンベエは、同じく船員であったアーロンとの会話から、人間たちは魚人に対し脅えているように見えると話します。そしてコアラもまた、魚人たちに脅えているとし、その理由を問いました。
「海賊だから」でも「魚人だから」でもなく、「何も知らないから」と答えたことに、ジンベエは驚きました。それは当時オトヒメ王妃がリュウグウ王国の国民に訴えていたことと重なったからです。
恐れは無知からくるという、その後ワンピースにおいて度々示されるテーマを象徴する一言でした。
「あたし村のみんなに言うよ!!魚人にはいい人達がたくさんいるって!!」
タイヨウの海賊団は無事にコアラの故郷にたどり着き、彼女が家族と再会する様子を見届けます。共に過ごす間に打ち解けた彼らは、涙を流し別れました。魚人について何も知らなかったコアラは、共同生活で彼らが「いい人達」であると知り、それを村の人々にも伝えると言うのでした。
涙の別れの後、タイヨウの海賊団は海軍に襲撃されます。タイガー・フィッシャーは重傷を負いますが、彼もまた元奴隷であった過去を明かし、「コアラのような”何も知らない世代”こそが周囲を変える」と言い遺し息を引き取りました。
コアラがタイガー・フィッシャーの遺志を継ぎ、魚人と人間の架け橋となる未来が示唆されるシーンでした。
「…………あの場にキミがいたら何か変わった?——そんなの誰にもわかんない」
タイガー・フィッシャーの過去を象徴するキャラクターとしての役割のみかと思われたコアラでしたが、その後ドレスローザ編で思いがけない登場を果たしました。なんとコアラは革命軍メンバーとなり、しかも魚人空手師範代にまでなっていたのです。
コアラの表情には、当初見られた仮面のような笑顔はもうありません。丸い瞳に面影を残しながらも、トラウマを克服し自信を身に付けた女性になったことが描かれました。記憶を取り戻したサボがエースの最期を思い出してしまう場面でも、慰めるでも励ますでもなく、それでいて優しく言葉を掛けました。
サボの過去に踏み込みすぎずただ寄り添う言葉には、コアラの複雑な過去と彼女の優しさ、過ごしてきた12年間の重みを感じさせる名台詞でした。
コアラは革命軍のヒロイン!サボとの今後も気になる!
辛い過去を乗り越え素敵な女性に成長したコアラは、その愛らしい容姿も相まって高い読者人気を誇ります。
特にサボには涙を見せたり八つ当たりしたりと親しい様子が目立ち、「恋人なのか?」と推測する声も多いですが、今のところ恋人同士であるというような事実はありません。ワンピースでは恋愛関係は描かれないとされていますので、今後そういう関係になるかは怪しいところですが、二人の関係にはこれからも注目です。
革命軍メンバーであることや、ルフィの父ドラゴン、義兄サボと近しい関係であることから、今後もキーパーソンとなることは間違いなさそうです。魚人空手師範代の実力もまだ描かれていませんし、これからの活躍が期待できるでしょう。