コビーは連載初期、第2話から登場し続けているキャラクターです。実は麦わらの一味であるゾロよりも前から登場し、コンスタントに本編に姿を見せている数少ないキャラクターと言えるでしょう。
また、登場時からその姿を変え続けている人物でもあります。弱虫な少年だった姿から努力を重ね、一歩一歩夢へと近づく勇気ある姿は、ルフィとはまた違った主人公像として人気を誇っています。
今回は、コビーの基本情報とともに、名台詞や名シーンをご紹介します。
コビーの基本情報
名前 | コビー |
性別 | 男性 |
所属 | 元アルビダ海賊団航海士兼雑用→海軍第153支部→海軍本部 |
種族/出身地 | 東の海(イーストブルー) |
使用する技・術 | 六式、見聞色の覇気 |
年齢/誕生日 | 16歳→18歳 / 5月13日生まれ |
身長 | 167㎝→174㎝前後 |
声優 | 土井美加 |
初登場 | 第2話「その男”麦わらのルフィ”」 |
コビーの特徴
コビーはピンク色の髪と瓶底眼鏡が特徴の少年です。初登場時にはなよなよとした外見と意気地の無さが特徴でしたが、再登場時にはおそらく10㎝ほど身長も伸び、筋肉質で精悍な顔立ちへと変貌を遂げていました。成長後は額の十字傷とバンダナ、海軍の制服が主な特徴となっています。未だ目は悪いようで、新聞などを読むときは眼鏡をかけている姿が描かれています。
コビーの性格
登場初期は、見た目通り気弱で、保身のために強者に従っている卑屈な少年でした。しかしルフィとの出会いをきっかけにして勇気を出すことを覚え、その後は着実に夢への道を駆け上がっています。自らの弱さを自覚していたからこそ、優しく努力を惜しまない勇気ある少年と言えるでしょう。
成長した姿を見せて以後は戦闘能力も格段にアップしましたが、ルフィの活躍を新聞で読んだ時には大泣きしてしまうなど、中身は大きく変わっていないことを見せ読者を安心させました。
コビーの能力
現在コビーの能力としては、”剃(ソル)”をはじめとする六式の体術と見聞色の覇気が確認されています。また、アルビダ海賊団で雑用をしていた頃は航海士も兼ねていたので、航海術も身に付けているようです。
ルフィと別れてから1年足らずの間に、これだけの戦闘力を身に付けたことはルフィたちだけでなく読者にも大きな衝撃を与えました。想像を絶する努力があったことは確かですが、それ以上にコビーには才能があったとことは間違いないでしょう。
2年後には大佐に昇進しており、その際には素手で魚雷に追いつき止めるという更にパワーアップした身体能力を見せています。
コビーの急成長
このようなコビーの急成長には、ルフィの実の祖父、中将ガープが関わっていました。
アルビダ海賊船を下船後、シェルズタウンで圧制を敷くモーガン大佐を討ち取ったコビーは、モーガン大佐の息子ヘルメッポとともに海軍153支部に入隊しました。その後モーガン大佐は移送される際にヘルメッポを人質に取り脱走を企てます。人質ごと砲撃しようとする海軍一行を、コビーは砲台の前に立ちふさがり身を挺して妨害しました。
最終的にモーガン大佐は捕えられ事なきを得ましたが、その際移送に立ち会っていた中将ガープが二人を預かることを提案します。二人は海軍本部に移籍し、ガープのもとで鍛錬を重ねました。その結果、一年足らずの間に成長した姿を見せるまでになったのです。
この成長劇は「コビメッポ奮闘日記」で扉絵連載されましたが、これはガープが本編で登場する大分前の話になります。トラのマスクで顔を隠されていますが、連載初期から伏線が用意されていたことが分かります。
コビーの声優
コビーの声優は土井美加さんです。宮城県出身の女優・女性声優・ナレーターで、ムーブマン所属です。代表作に「美少女戦士セーラームーン」クイーン・セレニティ、「るろうに剣心」高荷恵、ディズニー各作品におけるデイジーダック、ダッフィーなどがあります。長年活躍されている実力派声優で、大人の女性やお母さん役など、落ち着いた女性らしい声に定評があります。ワンピースでも、登場初期の少年から精悍な青年となったコビーまで、その演技力を駆使して演じています。
コビーの名台詞・名シーン
では次に、コビーの名台詞・名シーンをご紹介します。
「一番イカつい クソばばあですっ!!!!」
第2話の初登場時コビーはアルビダ海賊団で雑用をしており、どんなに虐げられてもニコニコと笑って媚びへつらう、お世辞にもかっこいいとは言えないキャラクターでした。
しかし、ルフィがアルビダ海賊団の船にアクシデントから乗船した後、ルフィの強さだけでなく夢を追う姿に心を動かされ、それまで服従していたアルビダに暴言を吐き捨て逆らいました。
この頃のコビーはまだ、言葉ひとつ発するにも足が震えるほどの臆病者ではありますが、初めて勇気を振り絞って一歩を踏み出した名シーンです。
「ぼくは!!!海軍将校になる男です!!!!」
ルフィとともにアルビダ海賊団から去った後、二人はモーガン大佐が圧制を敷くシェルズタウンに向かいます。そこで囚われていたゾロを助け、紆余曲折を経ながらモーガン大佐を倒しました。
その後レストランで休息をとっていた三人のもとに、海軍が訪れ町から立ち去るように要請します。ともに行動していたためコビーも海賊かと問われてしまいますが、ルフィの機転により仲間ではないと判断されました。
コビーはまたも勇気を振り絞り海軍に入りたいと伝えますが、一時的にでも海賊と行動を共にしていたため入隊に異議を唱える海軍兵士に対し、無謀とも思える夢を初めて口にします。その気概と熱意が認められ、雑用ではありますが見事海軍153支部に入隊を果たしました。
その後のストーリーでもたびたび登場するコビーの夢が最初に語られた名台詞です。
「僕はいつか!!!海軍の…た…!!!”大将”の座についてみせます!!!」
その後しばらく登場はありませんでしたが、ウォーターセブン編で驚きの再登場を果たします。小柄で意気地なしだったコビーは、1年足らずの間に精悍な顔立ちの海軍兵士に成長していました。
中将ガープとともに訪れルフィたちの前に姿を現し、その成長ぶりにルフィもゾロも舌を巻きました。登場時にはルフィに六式”剃”で攻撃を仕掛けるなど、度胸と戦闘力も身に付けたことが分かります。
ルフィたちの元を立ち去る際には、一段階成長した夢を語りました。ただの将校ではなく、「大将」を目指すという一介の兵士が口にするにはやはり大きすぎる夢を、今度は言葉を詰まらせながらもルフィに伝えます。
以前「海軍将校になる」と伝えた時には自分を奮い立たせるための大口といった感じでしたが、今度は言葉を詰まらせながら、むしろ現実的な目標といった決意を感じさせました。
「命がも゛ったいだいっ!!!!」
ウォーターセブンを離れた後、ルフィと再会するのはマリンフォード頂上決戦の場でした。
一介の兵士であるコビーが戦闘で活躍する場はありませんでしたが、たくさんの命が失われる戦場で「頭の中から声が一つ一つ消えていく」「悲しい」と急に苦しみ始めます。そしてルフィが大将赤犬に仕留められるかと思ったそのとき、広大な戦場に響き渡る大声で戦闘の中止を訴えました。
実はこのときコビーには見聞色の覇気が発現しており、失われていく命の声を実際に耳にしていたのでした。特殊な状況下で能力に目覚めながらも、戦闘の中止を訴えるコビーの優しすぎる一面が強調されました。
そしてこの時生まれた数秒の余白が、ルフィの命を助け、結果的にその後のワンピース世界の歴史を大きく変えることとなったのです。
コビーを代表する文句なしの名シーンと言えるでしょう。
コビーは将来の大将となるか?今後の活躍に注目!
2年後、第903話で再登場した際、コビーはなんと海軍本部大佐という大出世を果たしていました。肩書だけでなく、船に近づく魚雷を見聞色で感知し自ら海に潜り衝突を防ぐなど、身体能力は超人的な域まで成長しているようです。
またこのとき、「ロッキーポート事件」での活躍が認められ英雄として知られている事実が明かされます。「ロッキーポート事件」はまだ詳細は明らかにされていませんが、トラファルガー・ローが首謀した事件とだけ分かっています。
2年後の大佐としての登場で、コビーが当初口にしていた「海軍将校になる」という夢は果たされていたことが分かりました。次は「海軍大将」の夢を果たすはずですが、海軍大将への道のりは十数年以上かかるとされており、ワンピース最終章の間に果たされるかは疑問視されています。
しかしながら、すでに主要キャラのひとりとなったコビーの夢が果たされることは高く期待されており、劇的な出世を果たすか、エピローグのような形で夢の実現が語られるのではと噂されています。
海賊であるルフィとは違った形で夢を実現しつつあるコビーの活躍に今後も目が離せません。