「風の谷のナウシカ」において、主人公のナウシカの敵として現れるクシャナは、敵であるにも関わらず密かに巷では人気があるキャラクターです。
何故、魅力があるのか、クシャナとはどんな人物であるのか、といったことについてまとめていきます。
クシャナの基本情報
名前 | クシャナ |
通り名 | トルメキアの白い悪魔 |
所属 | トルメキア軍 |
身分 | 第4皇女 |
性別 | 女 |
年齢 | 25歳 |
声優 | 榊原良子 |
クシャナの特徴
所属はトルメキア帝国の辺境派遣軍司令官です。クシャナの属する部隊は、ヴ王の親衛隊である第3軍で、クシャナは兵達からは絶大な信頼と忠誠を得る程のカリスマ性を持ちます。また、卓越した戦術的能力があることも部下から慕われる理由の1つでもあります。部下の1人で側近とも言えるクワトロを帯同して行動することが多いです。
クシャナの容姿は実に淡麗で、その美しさに反して戦闘の際には甲冑を纏い、その上からマントを着て身を包んでいます。映画ではロングヘアを編んだ髪型で一貫しており、鎧の踵部分に武器を隠しています。一方、原作では兵士への手向けに髪を切る場面があり、武器は髪飾りの中に隠すという差異もあります。
クシャナの性格
クシャナは軍の司令官である為か、冷徹な態度のままで喜怒哀楽といった感情を表に出すことはあまりありません。しかし、全く感情を出さない訳ではなく、母親への侮辱だけは許さず逆上して怒りを露にしてしまう時もあります。
非道にも思えるクシャナでも、思慮深いところがあります。外から来た胞子が気に付いてしまい、広がっていることを知った風の谷の住人には反乱を恐れずに銃以外の武器を渡させています。
クシャナの身体
映画では過去に蟲に襲われたことが原因で身体の一部を失っているという設定になっています。手首の甲冑をとった際には生身の体がそこにはなく、左腕が義手であることが判明します。
また、クシャナの両足も甲冑であることから同じく義足ではないかと予想されます。後には「我が夫となる者はさらにおぞましき物を見るだろう」と言っており、蟲に襲われた傷は目に見えない部分にもまだあることを伺わせます。
しかし、これは原作には全くない設定であり、原作ではナウシカと出会って以降にしっかりと中身の腕や足が見えるシーンがあります。
映画でのクシャナ
映画におけるクシャナは、虫に身体の一部を食べられてしまったことから、腐海を焼いて蟲を殺し、人間の世界を取り戻すことを正しいことだと思っています。
その思想は軍の方針と相まって、トルメキアの辺境の国を統合して腐海を焼き払って王道楽土を建設しようとしていました。また、腐海の深部の蟲がたくさんいる中で銃を撃つという愚行とも言える行動をとってしまいます。
原作でのクシャナ
原作におけるクシャナは、非常に優秀で理解のある人物として描かれ、実際に尊敬できそうなキャラクターとなっています。映画とは異なり、どんな時も正しい行動をとることができ、部下の死を悲しむことのできる司令官です。
映画の続きである原作では物語の最後で、現王であったヴ王から王位を譲られています。しかし、即位せずに「代王」となります。後世においては、クシャナなトルメキア中興の祖と呼ばれるようにまでなる偉大な存在となります。
クシャナの声優
クシャナの声を務めたのは1956年生まれで千葉県出身で、声優及び女優やナレーターの榊原良子さんです。女性としてはやや声の高さは低めで、威圧感のある強い女性キャラクターを演じることが多いのが特徴の方で、クシャナも見事に演じられていました。
代表作には、「機動戦士ガンダムZ」並びに「機動戦士ガンダムZZ」の敵キャラであるハマーン・カーンや、「機動警察パトレイバー」シリーズの南雲しのぶがあります。
クシャナの名台詞・名シーン
「我らが目的は殺戮ではない。話がしたい。剣を収められよ」
クシャナは人間が生きていくのできない空間である腐海の森を焼き払い、人のいる空間に変えることこそがより良い暮らしをできると信じていました。その為には風の谷の者を殺すのではなく、話し合うことが必要だと軍の指導者として理解していました。
「私も待ちたいのだ。本当に腐海の深部から生きて戻れるものならな。あの娘と一度ゆっくり話をしたかった」
降伏した風の谷の人質としてナウシカやミト達城オジを連れ立って1度は風の谷を出たものの、ナウシカ達は戦闘に巻き込まれたことで瘴気の深い腐海の深部へと落ちていってしまいました。その前にはクシャナが敵であるにも関わらず、ナウシカは助けてくれました。そんなナウシカのことを思い出した名台詞でした。
トルメキア軍を従えるクシャナ
クシャナは映画と原作では行動や信念に違いがあることが分かりました。映画のクシャナにも意外性や魅力などありますが、原作にはクシャナの慈愛や更なる優秀さを見ることができました。これを機に原作の「風の谷のナウシカ」を読んでみてはどうでしょうか。