公開当時は興行収入が振るわなかったものの、現在は世界中に愛される作品となった「天空の城ラピュタ」。
他のジブリ作品に比べて恋愛要素が少なく、空飛ぶラピュタに飛行石、ロボット兵など男性でも楽しめる内容になっています。
この記事では、天空の城ラピュタに登場するムスカのモデルとなった人物やシータとの関係、名セリフについて紹介していきます。
欲しいものはどんな手を使ってでも手に入れるなど実力行使な部分が見え、圧倒的な存在感で登場するムスカについて振り返っていきましょう。
ムスカの基本情報
ムスカの基本情報についてまとめていきます。
性別 | 男性 |
年齢 | 28歳もしくは32歳 |
性格 | 紳士、冷徹 |
モデル | ドイツの言語・文献学者 |
声優 | 寺田農 |
ムスカのそれぞれの項目について解説していきます。
ムスカの見た目
ムスカの見た目は黄金色の目にトレードマークのサングラス、色素の薄い髪の毛、胸元のスカーフが印象的なブラウンのコートで決めています。
年齢は雑誌によって異なっており、1986年に発売されたアニメージュでは28歳と記されており、かたや公式ガイドブックであるロマンアルバムでは32歳と記されています。ただ、公式ガイドブックの情報を支持している方が多いため、32歳が妥当であると考えられます。
ムスカという名前ですが、ラテン語の「蠅」を意味するmuscaが由来となっており、ムスカ自身も小さな虫ですら嫌がるシーンがあることが絵コンテに描かれています。
ムスカの性格
基本的には男女問わず誰に対しても紳士のように振舞っています。軍では若くして大佐という役職を持つほど仕事に対してもしっかりと打ちこみ、部下からの信頼も厚いことが分かります。また、自信家で頭も良く、ラピュタ語の文字も読み解けるほど語学力に関しても高い能力を持っています。
しかし、それはあくまでも表向きの姿であり、実際は自分の欲しいもののためには味方でさえも裏切るという冷淡さを見せます。ジブリ作品に登場する悪役の中でも珍しく、ムスカだけが最後まで悪役に徹したキャラクターでもあります。
ムスカのモデル
ムスカのモデルとなったのは、ヘルマン・オットー・テーオドール・パウロというドイツの言語学者兼文献学者です。
ムスカとの接点は、ムスカは一族から古文書を受け取り、手帳に書き写して読めるようにまでなりました。パウロさんも文献学者と言うことで過去に出された文献や図書を扱っていました。
そして、2人の最大の接点はパウロさんも視力がほとんどなかったとのことです。ムスカも視力が弱く普段着用しているサングラスも度が入っており、バルスの呪文で視力を失いました。
さらにムスカは本名が「ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ」でありながらも作中では「ロムスカ」と呼ばれることはありません。このロムスカ・パロ・ウル・ラピュタから「ロ」だけ抜くとムスカ・パ・ウル・ラピュタと言います。ヘルマン・オットー・テーオドール・パウロとムスカ・パ・ウル・ラピュタには「パウロ」と同じ名前が入っており、ファンからはモデルなのではないかという声が挙がっています。
ムスカとシータの関係
ムスカとシータは同じ王族の本家と分家という関係性になります。直接血は繋がっていないものの、シータが本家の末裔でムスカが分家の末裔に当たります。
シータが「リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」という名前を持っているのと同じくムスカにも「ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ」という名前を持っています。しかし、「パロ」はラピュタ語で「偽」を意味しているので、ムスカ自身は正統な王位継承者ではなく、あくまでもシータが継承者の中では1位であることが分かります。
とはいえ2人はそれぞれの子孫であるため、飛行石をめぐる冒険に出るまでは面識自体ありません。あくまでもムスカの野望はラピュタに帰り、末裔としてラピュタの持っている力を手にすることなのです。
ムスカの声優
ムスカの声優を担当したのは、寺田農(てらだみのり)さんです。
俳優活動をメインに行っており、特撮作品や刑事ドラマに多数出演しています。声優としての活動はムスカの他に「ウルトラマンメックス」に出演しており、ナレーターや映画監督なども務めています。
元々は根津甚八さんがムスカの声を担当する予定でしたが、根津さんが出演オファーを断ったため、寺田さんにオファーがかかり出演することになったとのことです。
ムスカの名シーン
ムスカの名セリフや名シーンについて解説していきます。
ラピュタに登場するキャラクターの中でも放つセリフが印象的なムスカですが、「ムスカと言えばこのセリフ!」という有名なセリフを紹介していきます。
見ろ!人がゴミのようだ!
シータを拘束し、ラピュタの制御装置を発見したムスカはモウロ将軍を含む味方を裏切ったシーンでのセリフです。
裏切られた味方の中でも生き残った兵士たちはゴリアテに逃げますが、ムスカが用意したロボット兵によってゴリアテは大破してしまいます。その様子を見ていたシータはあまりに残酷なやり方に目を背けますが、落下していく様を見たムスカは声をあげて笑います。
今までは紳士のように振舞っていたムスカが初めて本性を表したシーンであり、ラピュタを自分のものにするために1歩近づいたと喜んでいるようにも見えます。
3分間待ってやる
飛行石を持ってきたパズーが「シータと2人きりで話がしたい」とムスカに頼み、願いを聞き入れたムスカが放ったセリフです。
ムスカの狙いは飛行石を手にしてラピュタを蘇らせて自らが王になることですが、シータはパズーが打たれてしまうことを危惧し、来ないように説得するのです。それを見たムスカはこの状況を改めて2人に整理させるために時間をあげるのですが、ここでムスカのすぐには手を出さない紳士さが出ています。
ムスカとしても2人は飛行石を渡してくれると期待していていましたが、結果もむなしく自らの身を滅ぼしてしまう結果になってしまうのです。
目が~!目がぁ~~!!
パズーとシータが滅びの呪文である「バルス」と唱えたあとに放たれた光で視界を奪われたシーンでのセリフです。ムスカの中で1番有名なセリフであり、このセリフがムスカにとっての最後のセリフとなります。
バルスの後に凄まじい光量がムスカを襲いますが、ムスカの目は元々色素が薄く視力が低いこともあって、光を受けたことにより動けなくなってしまい、一緒に落ちたのではとの指摘もあります。
ラピュタが崩壊するシーンでは瓦礫に紛れて落ちるムスカがいるので、観る機会がある方は是非ムスカに注目して観てください。
まとめ
天空の城ラピュタで1番の存在感を見せるムスカですが、目的のためなら手段を選ばない場面を見ると真の悪役であることが分かります。
ラピュタに帰って自分自身が王として君臨するためにラピュタ語も解読できるようになったのにも関わらず、あと少しというところでラピュタと共に崩れていくラストシーンは何度観ても切なくなってしまいます。
憎い性格をしているムスカですが、印象的なセリフに特徴的な笑い声がどこか愛らしく感じる部分もあって嫌いになれない方も多いのではないでしょうか?