鋼の錬金術師に登場するゾルフ・J・キンブリーは国家錬金術師でありながらも、ホムンクロスに肩入れし、賢者の石を使う爆弾狂でもあります。
正直敵味方なのか分からない人物ではありますが、キンブリーが持つ独自の思想に則り行動します。
ここでは作中でのゾルフ・J・キンブリーの活躍や名言、名シーンを解説していきます。
ゾルフ・J・キンブリーの基本情報
名前 | ゾルフ・J・キンブリー |
年齢 | ? |
職業 | 元軍属 国家錬金術師 |
二つ名 | 紅蓮 |
判断の基準 | 美学 |
初登場 | 原作4巻 |
声優 | 吉野裕行 |
初登場では刑務所の中から爆弾の音に反応し薄気味悪いと言われるだけでしたが、ラストがマスタングにより殺され人員補給のような形でエンヴィーによって出所します。
イシュヴァール殲滅戦で使った賢者の石をお腹に隠し、追加でエンヴィーからもらった賢者の石2つを持ち、傷の男、マルコーを殺すために派遣されます。
国家錬金術師として行動しながらも、ホムンクロスの命で動き、仕事をしながらもそれが美しいか美しくないかといった美へ執着があり、敵味方関係なくその部分については接します。
ゾルフ・J・キンブリーの見た目と性格
黒髪長髪を一つに後ろで束ね、白のスーツ、白のコート、白の帽子をかぶるキンブリーは、口調も敬語で行動も礼儀正しい紳士のような人です。
初めて登場した際は牢屋に入れられていた頃は無精髭を生やし、イシュヴァール殲滅戦の時は、タンクトップに下は軍服という格好をしていました。
また手には爆発を起こすための錬成陣が両手の掌に刺青として刻まれています。
仕事人間で、任務に対しては途中人が死のうがなんだろうが全うしようとする狂人ぶりで、昔仕留め損ねた人がいた場合は、周囲を押し除け追ってしまうなど執着心も強いです。
思想に関しては独自の考えを持ち、美しいか美しくないかで判断し、爆弾狂と言われるほど爆弾に思いを入れ、また敵味方関係なく信念を貫く人を好みます。
仕事熱心なウィンリィに対して好きだと言い、エドワードからロリコン疑惑を持たれるほど、老若男女誰であろうと仕事熱心な人が好きです。
また殺した人の顔を覚えているという記憶力と紳士的な処世術を持ち合わし、刑務所を出る際に爆弾に見せかけたおもちゃの腕時計を看守にあげるなど賢く、かつお茶目な部分もあります。
賢者の石を使った殲滅戦
キンブリーはイシュヴァール殲滅戦の時、軍上層部からもらった賢者の石で実験的に傷の男がいた地区を殲滅します。
その後キンブリーは賢者の石を気に入って返却することを拒み、そこにいた将校達を爆殺します。
その姿を見たホムンクロスに気に入られ、キンブリーは仕事が来るまで刑務所で待ち、ラストが殺されたのをきっかけに傷の男、マルコー殺害に派遣されます。
戦争論
イシュヴァール殲滅戦の時、当時少佐だったマスタングや士官学校から上がりたてのホークアイと談話の席で自分の考えを披露します。
ホークアイはイシュヴァールの人を殺すことは楽しくない、なぜ錬金術が人殺しに使われているのかと考えますが、キンブリーはホークアイの心の奥を読み解きます。
またマスタングに対しても自分の考えを説きます。
仕事として非人道的なことでも、目を背けることなく、逃げずに真正面から受け入れる姿勢。
このことは今後のマスタング、ホークアイの考えにとても影響を及ぼしたものになりました。
ロックベル家との関わり
殲滅戦の時、殲滅地区にいたロックベル夫妻は撤退命令を無視して運び込まれたイシュヴァール人達の治療をしていました。
キンブリーは撤退しないロックベル夫妻の仕事に対する信念に感銘を受けるも、上層部から殺害しろというニュアンスの言葉を受け会いに行きます。
しかし到着した時には傷の男により殺されていました。
その後はブリックスにいるエルリック兄弟を牽制するために幼なじみのウィンリィを持ち出すことになりましたが、このことを通してロックベル家に関わることができました。
また親同様、仕事に対する熱い想いを持つウィンリィのことも褒め、礼儀正しく接しています。
VS傷の男 イシュヴァールの因縁
マルコーを追っていたキンブリーはノースシティのさらに北部へと向かう列車でイシュヴァール殲滅戦で生き残っていた傷の男と対峙します。
キンブリーはその戦いで脇腹に傷を負うも、傷の男を殺すことに喜びを覚えます。
またノースシティの病院ではレイヴン中将と金歯の国家錬金術師により、一瞬で傷は回復しブリックスに向かうことになります。
またそこでもエルリック兄弟と傷の男の共同戦線により傷の男と対峙することになります。
キンブリーはそこで建物の上にいた傷の男に見下され、また殺し損ねた相手がいるということで部下、ウィンリィがいるにも関わらず錬金術を使い大々的に爆発を起こします。
約束の日の準備からキンブリーの最後まで
キンブリーはプライドの命令で北方の隣国ドラグマをけしかけ、ブリックスと戦わせ国土錬成陣を完成させます。
その後、プライドがアルフォンスらと戦い窮地に追いやられていたプライドを助けに行くも、キメラと化したハインケルに首を噛まれてしまいます。
その時消耗していたプライドの補給にと食べられてしまうのでした。
しかし約束の日、エドワードに追い詰められていたプライドはエドワードをも飲み込もうとします。
その時、食べたと思っていたキンブリーがプライドの本質部分で生きていました。
プライドの行動に美しくないと言い、またエドワードをなめるなとも言い消えていってしまうのでした。
ゾルフ・J・キンブリーの声優は吉野裕行さん
キンブリーの声を担当した吉野裕行さんは結界師の墨村良守役や、ヤッターマンのヤッターマン1号役など多くのアニメ作品で主役の声を担当し活躍されている方です。
ゾルフ・J・キンブリーの名言・名シーン
ここでは作中のキンブリーの名言、名シーンを紹介していきます。
名言①:「人間側と『進化した人間』と名乗る人造人間側 どちらが勝つのか見てみたい」
人間という立場ではあるものの、ホムンクロスに手を貸すキンブリーに対してのエドワードの質問に対する答えです。
彼の中では人だからとか味方とかそういったことは問題ではなく、まるで第3者的なポジションで物事を見ています。
なので敵味方というよりかは、中立的な立場で物事の行く末を見届ける仕事人間だということが分かります。
名言②:「怨嗟の声など私にとっては子守歌に等しい!!!」
ハインケルに喉元を掻っ切られ、動けなくなったキンブリーを食べたプライドでしたが、約束の日エドワードをも食べようとします。
その姿を見たキンブリーはなんと魂としてプライドの中で生きていました。
誰でも何でも食べようと、自分の信念を曲げようとしたプライドに対してキンブリーは”美しくない”とも言います。
プライドはこのままエドワードに逆に入って来られる負けてしまいます。
キンブリーの美学は死んでもなお、怨嗟の中で生きていました。
ゾルフ・J・キンブリーはサイコパス的キャラクター
キンブリーは見た目や口調からの紳士的雰囲気を醸し出しますが、それはただの処世術で中身は自分の美学に則る仕事人間です。
敵だろうが味方だろうが、自分と考えが違ったとしても自分の信念を持つ人には敬意を払います。
彼の考えはエルリック兄弟、マスタング、ホークアイなど様々な人物に影響を及ぼしたキャラクターでしょう。