劇辛は、謎の多い燕国において、唯一中華全土に名を轟かせている大将軍です。「救国の英雄」とまで言われている人物ですが、作中では李牧と龐煖によりあっさりと破れてしまいます。
しかし、史実にも登場する武将であり、作中で描かれた以前の時系列ではしっかりとした活躍を残している人物でもあります。ここでは劇辛の作中、史実での活躍を見ていきます。
劇辛の基本情報
まずは劇辛の基本情報を簡単に紹介します。
名前 | 劇辛 |
性別 | 男 |
所属国 | 燕 |
所属軍 | 劇辛軍 |
声優 | 不明 |
初登場 | 24巻 |
劇辛の登場は24巻のみです。李牧が合従軍を結成するにあたり、その布石として劇辛と争いました。
劇辛は野心家であり、若き頃から「軍神」楽毅の戦から良いものを盗もうと励みました。そして、そこで得たことを実践に活かす才能を持っており、「救国の英雄」と呼ばれるまで名を上げました。言動を見ても、自信を持っており、龐煖を相手にしても臆する様子はありませんでした。
武器は矛を使い、また軍には、「音無き暗殺部隊」と言われる「毒猫」、最速の騎馬民族と言われる犬戎族で構成される「毒犬」という部隊を持っているのも特徴です。
劇辛の史実における情報
劇辛の史実における情報ですが、劇辛は実際に史実にも登場する人物です。
元々、趙にいた劇辛でしたが、燕の昭王が郭隗という人物に優れた人材を燕に引き入れるにはまずどうすればよいかと相談しました。郭隗はまず、自分を優遇することをアドバイスしました。郭隗は中ぐらいの地位の人物であったため、そんな人物でも優遇されるのならと、沢山の人物が燕に来ました。劇辛はその1人でした。作中でも金目当てで動く場面があり、ここは史実と作中でリンクする部分ですね。「先ず隗より始めよ」という格言にもなっている出来事のようです。
劇辛は史実では長い間登場しない期間がありますが、長寿の将軍と言われているようです。しかし、最期は龐煖に敗れたという記録があります。趙が龐煖を将軍として出陣した際、元々趙にいて手を合わせたこともあった劇辛は「龐煖は組みやすい相手だ」という旨の発言をしたようです。それを信用したその時の燕王は劇辛を将軍に任命し、出陣させましたが結果は敗戦。劇辛はその時2万人の兵を捕虜にされたようです。それ以降は史実に登場しなくなるため、これが劇辛の最後の戦とされています。作中でも自らの経験値を過信し、龐煖を甘く見て敗れているため、キングダムでは珍しく、劇辛は史実とリンクする部分が多いキャラクターです。
劇辛のこれまでの活躍
劇辛の活躍を紹介します。
劇辛の若き頃
劇辛は趙の馬陽に生まれ、そこでは龐煖のような求道者が現れていたようですが、劇辛は彼らの数人を斬った過去を持っています。それが、龐煖を恐れなかった理由です。趙に住んでいましたが、先述しました、「先ず隗より始めよ」という格言ができた郭隗への厚遇を見て、祖国趙を捨て、燕に移り将軍となりました。蔡沢には、金を積めば秦に移ると冗談交じりに話しており、金を目当てで動く人物のようです。
楽毅の戦を盗む
「先ず隗より始めよ」で同じく集まった楽毅と戦場で暴れまわった劇辛ですが、六大将軍、三大天と肩を並べた「軍神」楽毅を越えようと考え、楽毅の戦場を追い、全てを記録にとりました。楽毅はなりふり構わぬ野心家である劇辛を「面白い男」と言いました。そして劇辛は楽毅から得たものを実践する才能を持ち合わせており、楽毅と似た戦いを行うことができ、劣勢を反転するのが得意です。
龐煖に敗れる
李牧本陣を追い込もうとした劇辛でしたが、目の前に現れた龐煖にはいともあっさりと敗れてしまいます。龐煖は「偽物め」と発言していることから王騎との戦から強化された龐煖にとっては劇辛は相手にならない将軍とされてしまったようです。
劇辛の名シーン
ここでは劇辛の名シーンを紹介します。
劇辛の登場シーンは少ないですが、楽毅の戦で得た経験を活かし、李牧の作戦を読むシーンがあります。24巻で、劇辛軍、李牧軍の戦は開戦半日にして戦局が佳境に向かおうとしていた時でした。劇辛の攻撃は全て李牧に読まれており、必殺の暗殺部隊の「毒猫」でも李牧軍の存在をとらえきれずにいました。劣勢かと思われましたが劇辛は豊富な経験値からそれを好転させる戦術がありました。それまでの局地戦を逆に追ってゆき、李牧が自らの戦術を読んでいるのではなく、李牧が自分の真横から自分を見ていると気付き、見事李牧本陣の居場所を突き止めました。
そこから、間髪入れず劇辛は李牧本陣に全軍出撃しますが、李牧は迎撃の布陣を作ろうとしました。李牧の騎馬隊は中華でも随一とされる速さを誇りますが、劇辛の「毒犬」という部隊は最速の騎馬隊とされていて、李牧の想像を遥かに超える速さで李牧本陣に到着します。
ここは劇辛が李牧の戦術を読んだ場面でした。
劇辛のまとめ
劇辛は作中では数少ない燕の大将軍ですね。李牧と龐煖という少し相手が悪かったですが、それ以前は中華でも名を轟かせた実力者のようですね。作中では残念ながらその強さをあまり発揮できずに敗戦してしましました。
史実では「先ず隗より始めよ」という格言にも関連する人物です。しかし、史実と同じように龐煖を侮って命を落としてしまうという、史実の再現度が高いキャラクターです。