「名探偵コナン」作中で、登場回数こそ少ないものの、メインキャラクターのストーリーを語るうえでは外せない人物がいます。
ここでは、その人物の一人、佐藤正義についての性格や人間関係、彼が残した名台詞や名シーンまでご紹介したいと思います。
佐藤正義の基本情報
名前 | 佐藤 正義 (さとう まさよし) |
年齢/誕生日 | 38歳 (故人) |
身長/体重 | 不明 |
容姿 | 警察関係者だけに、がっしりした体格 |
性格 | 家族思いで、正義感が強い |
家族構成 | 妻(名前不明)、娘(佐藤 美和子) |
声優 | 大川 透 |
初登場 | 原作27巻、アニメ205~206話 |
佐藤正義の特徴
佐藤正義は、佐藤刑事の実父で、警視正という肩書を持つ警察関係者でした。原作の時間軸から18年前の「愁思郎事件」と呼ばれる事件で殉職しています。
高校時代は野球部のキャプテンを務めていて、その時の野球仲間との親交も20年近く続けていた、人当たりのいい一面もありました。
直接登場したのは、20年以上に渡る連載の中で、たったの3話しかありません。しかし、彼の存在は、佐藤刑事にとって、単なる父親というだけではありませんでした。
佐藤刑事は、父の手錠を今も大切に使っていたり、少年探偵団や犯人に対して、父の台詞を引用した発言をしたりしています。幼いころに死に別れた父の後を継いだ彼女の言動は、佐藤正義の人となりが感じられるものばかりです。
佐藤正義の声優
声の担当は、大川透さん。「鋼の錬金術師」のロイ・マスタングを代表とする、数多くのテレビアニメに出演されている声優さんです。
佐藤正義の名シーン
ここから、佐藤刑事の回想の中で登場する、佐藤正義の名シーンについて振り返っていきましょう。
出勤前の家庭での一幕
「心配するな。占いによると今日のおれはつきまくってるそうだ」
事件現場に向かう高木刑事が、手錠を忘れたことに対して、今日の星占いの結果が最高だったから大丈夫、と答えた時に、佐藤刑事の回想として初登場するシーンです。
父が事故に遭い、亡くなった日のことを、18年経っても鮮明に覚えている佐藤刑事の姿から、佐藤正義が娘に深い愛情を注ぎ、両者が親子としての絆を育んでいたことがうかがえる一幕です。
手錠という忘れ物と、いい占いの結果という二つの事象から、父の死を思い起こし、高木刑事の身に何か良くないことがおこるのではないか、という不安を抱いた佐藤刑事は、形見として常に大切に持ち歩いていた父の手錠を、お守り代わりにと彼に手渡します。
その後、高木刑事は、愁思郎事件の犯人によって窓の格子に手錠で繋がれ、更に放火にまきこまれてしまいます。拳銃で手錠の鎖を切ることもできる状況でしたが、佐藤正義に対する佐藤刑事の娘としての愛情を慮った高木刑事は、彼の形見である手錠を傷つけるのではなく、窓の格子を外すことで脱出に成功します。
自分の命が危なくなっても、手錠を傷つけずに返してくれた高木刑事。娘の気持ちを思いやってくれた彼に、きっと佐藤正義も感謝していたに違いありません。
犯人を追い詰める警察としての厳しい姿勢
「父が言ってたのよ。自白寸前の被疑者は、必ず喉を鳴らし、お茶に手を伸ばす。そこでお茶を与えてしまうと、それと一緒に言葉を飲み込んでしまうってね」
佐藤刑事が、18年前の愁思郎事件の犯人と対峙する場面での台詞です。
愁思郎事件を解決し、犯人を見つけ出してくれる人が現れたら、その人の願いを何だって聞いてあげる、というどこか甘い姿勢を見せていた佐藤刑事ですが、高木刑事やコナン達の協力もあって、最後には自ら真相を突き止め、犯人と対決します。
父の死の真相を追いかけ続けてきた彼女の姿は、事件解決後の犯人に、18年前の佐藤正義とそっくりだと言わしめるほどのものでした。
佐藤正義が、娘同様に、冷静で厳しく犯人を追及する警視正であったことをうかがわせるシーンです。
娘に引き継がれた、正義の在り方
「バカヤロ。正義って言葉はな」
自殺しようとした犯人をかばってトラックに跳ねられ、救急車で運ばれる中、息も絶え絶えになりながら、隣で泣きじゃくる娘に対して、佐藤正義が告げた言葉です。
原作でははっきりと描写されてはいませんが、おそらくこれが、佐藤刑事が父とかわした最後の言葉だったのでしょう。佐藤刑事は、少年探偵団達と初対面した時にこんな興味深い発言を残しています。
「正義って言葉はね、やたらと口に出して振りかざすものじゃないの。自分の心の中に大切に秘めておくものなのよ」
冒頭が同じだけで、この言葉が佐藤正義のものだったという確証はありません。しかし、佐藤刑事の中で、父の「正義」に対する教えが、深く胸に刻まれていたことだけは間違いないでしょう。
娘の心の中で生き続ける佐藤正義
佐藤正義は、佐藤刑事にとって敬愛する父であると同時に、警察関係者としての責任と誇りを持つ立派な先輩でもありました。
正義、という文字を名に持つ父の思い出と教えを佐藤刑事が忘れない限り、佐藤正義はずっと彼女の中で生き続けています。