輪虎です。廉頗に仕える四天王の1人として登場し、活躍する武将です。
スラっとした体格にも関わらず、作中では信や王賁を子ども扱いする程の武力を発揮していて、登場する期間は短かったですが、強敵として印象に残りやすい人物なのではないでしょうか。
ここでは輪虎の活躍と名シーンを紹介します。
輪虎の基本情報
輪虎の基本情報について、まずは簡単に紹介します。
所属国 | 趙→魏 |
所属軍 | 廉頗軍 |
使用武器 | 剣 |
声優 | 櫻井孝宏 |
初登場 | 18巻 |
18巻にて初登場します。廉頗四天王の1人で、廉頗の右腕的存在となっているのが輪虎です。その突破力は非凡なもので、王騎軍と対峙した際に、王騎軍の守備を破り、王騎に一太刀浴びせたという過去を持っています。そのため廉頗は輪虎を「飛槍」と表現しています。
見た目は、知らない文官等が「女子のよう」と言う程、どちらかというと華奢です。初めて会った時の信も輪虎を「ガキ」だと思い込んでいました。しかし、実際は将軍で、三十代なのですね。
武器は二本の剣で、機動力に優れた戦い方をします。
戦争孤児であったところを、偶然通りかかった廉頗に拾われるという、運命的な出会いから、天の計らいを常に思想の軸にしています。
輪虎の史実における情報
輪虎の史実における情報ですが、実在した記録は無く、オリジナルキャラクターの可能性が高いです。
廉頗四天王自体が作中だけの存在のようで、輪虎もキングダムオリジナルですね。信や王賁等、若い世代の壁として、また時代交代を告げる役割として、六将の時代から活躍するという輪虎を登場させたのではないでしょうか。
輪虎のこれまでの活躍
刺客として将校を次々暗殺
輪虎の最初の使命は秦軍の目ぼしい将校の暗殺でした。これは廉頗軍の定石の一手のようです。廉頗は三千人隊を用意すると言いましたが、それを輪虎は三百人隊で十分だと言い仕事を引き受けました。
そして次々とリストに載った将校を暗殺していきました。中には、将軍に近いと言われていた千人将、郭備も含まれていて、秦軍はこの一件により、隊の解体や地位の繰り上げ等、大幅な変更を強いられました。しかし、結果的には、これにより、蒙テン、王賁、そして信が臨時的な千人将となり大きな経験を積むきっかけとなります。
また、暗殺の実行中に、輪虎は一度信と手合わせします。その時に信の剣の重さを認め、武将の空気をまとっていること感じます。
輪虎の強さが発揮される20巻
蒙恬のはたらきかけにより、信、王賁、蒙恬の三隊は連携して輪虎軍を破ろうと考えます。蒙恬は、輪虎の選りすぐりの七百の兵が脅威だとし、自らがつぶれ役を買い、その七百に攻撃を仕掛けます。そこで出た隙を信と王賁の二人で突いて輪虎までたどり着こうという作戦でした。蒙恬のこの作戦は見事にはまり、輪虎は精鋭部隊を半分失う痛手を負い、信、王賁を自分の元に到達させてしまいましたが、全く焦ることはありませんでした。決して討たれない自信があったのですね。
前日の戦いで、手負い状態にあった王賁を輪虎は相手にしませんでしたが、誤算は信の方でした。王騎からの意思を引き継いだという自負と、輪虎を、越えなければいけない壁だと意識することから、戦の中で化け始め、次第に輪虎と五分に渡り合ってきたのです。この戦いにて、信の腕に致命傷を与えますが、輪虎自身、左手の指と馬を失いました。
山陽攻略戦、最終日
山陽戦の最終日、蒙驁本陣を狙った輪虎隊は「輪動」という2つの渦を巻くように攻める特異な戦術を繰り出しました。これは王騎軍の守備を破ったこともある輪虎の得意戦術でした。この戦術により、蒙驁軍の将軍、栄備が破られます。
しかし、この輪虎隊を信が食い止め、輪虎との一騎打ちに持ち込みます。そして死闘の末に信に敗れ、輪虎はこの戦で命を落とします。
輪虎の名シーン
輪虎の名シーンというと、22巻の信との戦いですね。激しい雨の中の地上戦はまさに死闘で、印象に残った方も多いのではないでしょうか。
この戦いでは、輪虎は既に信の力を認めており、本気で信を仕留めにかかります。しかし、信が明らかにこの戦の中で力をつけており、輪虎は苦戦強いられました。一騎打ちであることは、輪虎隊の兵も分かっていましたが、廉頗と蒙驁本陣を挟撃する作戦もあることから、時間が限られていることも事実でした。ついに1人の兵が横入りをし、信を討とうとしました。その信を、信隊の楚水が守ったのですが、楚水は元々郭備兵であり、輪虎には因縁がありました。咄嗟に楚水が、輪虎を斬ろうとしたのを、輪虎が逆に斬り伏せた時、一瞬信への注意が外れました。その隙を信が突き、輪虎は致命傷を負わされ、倒れます。
完全に勝負あったと思われましたが、輪虎は立ち上がりました。輪虎の執念を感じるシーンですね。廉頗の剣としてここで負けるわけにはいかないと、語りますが、しかし信との斬り合いに打ち勝つ力は残っておらず、最後は信に討たれます。結果的には一騎打ちに水が差されたことが輪虎からすると痛かったと思われますが、廉頗が第一線退いたことや、王騎が李牧に敗れたこと等、輪虎は時代交代とともに自分の役目が終わっていることを察していました。そして、ここで、信に敗れるのも、天の計らいだと感じていました。
輪虎のまとめ
輪虎は明らかに信を一段と強くした人物であると言えます。信のその後の活躍は輪虎と戦った経験を糧にしている部分が必ずあるでしょう。
廉頗との絆も感動的で、敵ながら天晴れと言えるタイプのキャラクターですね。作中での登場は終わっていますが、記憶に残る武将であることは変わりませんね。