マーレ軍からパラディ島へ視察兵として派遣されたニコロ。最初はマーレの思想に染まった熱狂的な兵士かのように思えた彼だが、実は彼は類稀なる料理の才能をもった兵士でもありました。戦果ではなく料理で地位を得た彼は一体どのような男だったのか解説していきたいと思います。
ニコロの基本情報
名前 | ニコロ |
性別 | 男 |
所属 | マーレ軍 |
年齢/誕生日 | 不明・不明 |
身長/体重 | 不明・不明 |
声優 | 花輪英司 |
初登場 | 原作106話 アニメ版68話 |
ニコロのプロフィール
ニコロは本来マーレ軍の視察として最初に派遣された調査兵士でした。ハンジたち調査兵団に捕まり人質になった当初はマーレ軍の思想に深く陶酔していたのでしょうか、後続で派遣された視察兵の隊長に向けて「私に構わずこの悪魔共を討ってください!」と自分の身を犠牲を厭わないほどの忠誠心を見せていました。
その後イェレナの裏切りにより捕虜となり壁内へ連行され、料理を得意なことも知らされて調査兵団に料理を振舞うことになりました。進撃の巨人の登場キャラクターには珍しく、パーマのようなカールがかかった現代風のおしゃれな髪型をしています。
ニコロの性格
ニコロの性格は上記でも記載しているように最初はマーレ軍の思想に陶酔して強い忠誠心を抱くなど真面目な性格です。ですが、その反面に自分が振る舞った料理をサシャをはじめ皆に褒められると照れ隠しが入りながらも頬を赤らめるなどして喜ぶ素直な一面もあります。サシャからの「あなたは天才です!!」の一言で恋に落ちた表情を見せたりするので、人間の心を失った兵士にまではなっていないようです。
最初はエルディア人に対して差別的な考えを持っていましたが、料理に関しては例え敵国の兵士だとしても手を抜かずしっかり作る様子を見ると総じて根は真面目な性格だと思います。
ニコロの能力
ニコロの能力といえばやはり料理ではないでしょうか。捕虜になったニコロはマーレ軍の技術披露の場で海の幸を使った豪華な料理を振る舞い調査兵団104期生の面々を驚愕させました。サシャに至っては泣いて喜ぶほど感動して料理を食べていました。また戦闘面に関しても、サシャの仇であるガビや一緒にいたファルコに対して容赦なく攻撃をする面を鑑みるに一般的な兵士レベルの戦闘訓練を受けていることが考えられます。
しかし多くの読者は兵士としてのニコロよりも料理人としてのニコロの方が印象が強く残っているかと思います。
ニコロに訪れる悲劇
ニコロは捕虜の待遇改善の名目として壁内でレストランを営みつつ料理を振る舞いながらも調査兵団と交流を深めていくうちに、ニコロも徐々に心を開いてきました。特に自分の料理をべた褒めしたサシャには詳しくは記載されていませんが、恋心のような感情も抱いているように読み取れます。
調査兵団たちがマーレへの調査遠征から帰還する日もレストランでサシャ達に振る舞うであろう料理を準備していたニコロ。しかし、そんなサシャがガビの凶弾により死亡したことを知らされ驚愕したニコロは涙を流しながら落胆して心に深く傷を負いました。
本来憎むべき敵国の人間であったサシャの墓参りに行く様子からすでに敵などという感情は失われていたと思います。また、同じく墓参りに来たサシャの父親たちに対して「俺の料理を食べに来てください」と料理を振る舞う約束をしました。
ニコロの声優
アニメ版では登場して間もないニコロですが、そんなニコロの声を演じるのは花輪英司さんです。山梨県出身のケンユウオフィス所属の男性声優です。主な代表作品は「僕のヒーローアカデミア」ハウンドドック役、「マーベルフューチャー・アベンジャーズ」アイアンマン役、「転生したらスライムだった件」ラーゼン役などの多数のアニメや、映画では「ボヘミアン・ラプソディー」、「アメイジング・スパイダーマン2」「ミッションイン:ポッシブルシリーズ」など有名な映画でも声を演じています。
ニコロの名台詞・名シーン
ここでは、ニコロの名台詞・名シーンの解説をしていきたいと思います。
「このクソみてぇな戦争から俺を救ってくれたんだ 人を喜ばせる料理を作るのが本当の俺なんだと教えてくれた」
サシャの命を奪ったガビとファルコと対面してマーレ軍同士でありながらも、ワインボトルでガビの頭部を殴りつけ駆け寄ったファルコを人質に取ったニコロ。ジャンやハンジ、サシャの家族の説得に対して、サシャの一言で「本当の自分」を見つけることが出来たと伝えました。自分が人質になったことで軍艦が沈められたり、敵国で料理をする自分を疑問視していたニコロをサシャの何気ない言葉が救ったのだと思います。
「森から出るんだ 出られなくても 出ようとし続けるんだ」
一度はお互いに憎み合ったカヤとガビ。2人は「自分の中には悪魔がいるんだ」と自分自身を嘖みました。それを見たニコロは、自分もかつてはガビに殺意を抱き命を奪おうとしましたが、サシャの父親に「サシャは殺し合いの森の中を彷徨っているところを殺された、せめて子供たちだけでもこの森から出してやらなければならない」と諭され冷静になりました。その言葉に影響を受けたのか、2人をこんな殺伐とした世界から救おうとして思い投げかけた言葉です。
人を愛することを知り本来の自分を見つけ出したニコロ
自国の為に一時は自らの犠牲も厭わなかったニコロ。最初はエルディア人というだけで調査兵団の面々には差別意識しか持っていなかった彼が自分の特技である料理を褒められたことにより徐々に心の温かさを知り、国境・人種を超えて打ち解け自分の気持ちに素直になっていきました。愛する人の為に自分の心のままに生きるニコロの人間らしさに多くの読者は心を打たれたかと思います。