進撃の巨人に登場するフリッツ王ことカール・フリッツ。彼は一体どんな人物だったのか、初代フリッツ王と壁の中の王の違い、彼が行った行動など作中では詳細に語られなかったポイントを解説していこうと思います。
フリッツ王(カール・フリッツ)の基本情報
名前 | フリッツ王 (カール・フリッツ) |
性別 | 男性 |
所属 | 王家 |
年齢/誕生日 | 不明 不明 |
身長/体重 | 不明 不明 |
声優 | 園江治 |
初登場 | アニメ版シーズン3第42話 |
フリッツ王の特徴
作中に登場する現代のフリッツ王はセンター分け白髪が特徴の細身の男性で、寝巻きのような服装をしていました。しかし、その正体はただの老いぼれた老人で初代ユミルの血を引く145代目のフリッツ王家の後継ではあるものの実権は何もない飾りのような人間だったのです。登場初期は威厳のある顔つきでいかにも王という雰囲気を出しておりましたが、実際には半分寝ているだけで、貴族たちからの信頼もほとんどありません。
過去のフリッツ家
そもそもフリッツ家の起源は一体どこから始まったのかを解説していこうと思います。まず1800年以上前にユミル・フリッツが巨人の力を手に入れました。ユミルの死後に巨人の力は「始祖、進撃、女型、超大型、車力、顎、鎧、獣、戦鎚」の9つの巨人の力に分けられました。この巨人の力を使ってエルディア帝国がマーレ大陸などの他民族を制圧。
しかし、「巨人大戦」でマーレ国がエルディア帝国を滅ぼして、当時のフリッツ王はマーレ大陸に逃げ、当時の145代フリッツ王はエルディア帝国内で起こっていた巨人を使った内紛に心を疲弊しており、帝国内で支配されているマーレ国の国民に対しても「申し訳ない」という謝罪の気持ちをもつ程でした。その後フリッツ王はエルディア人たちと共にパラディ島へ移動しました。
パラディ島へ移住後のフリッツ王の動向
エルディア帝国の情勢に心を痛めたフリッツ王ことカール・フリッツはエルディア人を引き連れて一路パラディ島へ向かいました。そこでまずフリッツ王は巨人の硬質化の能力を使い3つの壁を作りました。それが「ウォール・マリア、ローゼ、シーナ」です。この壁の名前は先祖であるユミル・フリッツの3人の娘の名前から用いたものです。壁を作るために巨人を用いているおり、始祖の巨人の力でその気になれば、いつでも壁の硬質化を解除して巨人を攻撃手段として操ることができるので、壁外の人間は迂闊に攻め入ることができませんでした。
パラディ島へ移住後フリッツ王は始祖の巨人の力を使い共に移動してきたエルディア人の記憶を改竄して、壁の外には人間は存在しないという記憶を植え付けました。そこに上記で書いた通り壁外から人間が攻めてくることがないのも加わって、壁の中に人は壁内にしか人間がいないと信じていたのです。
フリッツ王の不戦の契り
不益な争いを頑なに拒んだ145代フリッツ王は「不戦の契り」を始祖の巨人と交わしました。「不戦の契り」とは145代フリッツ王が戦いの世界から身を引くために、自分の争いを回避しようとする思想を自分の死後に現れる始祖の巨人の継承者に対して強制的に争いを拒否する思想を植え付けるものです。始祖の巨人の能力は王家の人間と始祖の巨人との間でしか効力がないので、国民1人1人に対しては効力はありません。
不戦の契りは非常に厄介なもので、継承前にどれだけ好戦的な思想を抱いていても不戦の契りには抗えず、最終的には自ら命を絶ってしまうほど強力なものです。また、思想に囚われた継承者は外見も変化してしまい瞳の色が紫に変化したりと不戦の契りは内面だけに留まらないのです。
しかし、そんな不戦の契りにも唯一といえる弱点は存在しており、それはエレンがライナーにさらわれた時にエレンが母親を食べた巨人と再び遭遇することになりエレンがその巨人に触れた瞬間に始祖の巨人の力が発動して巨人を操ることができました。エレンの母親を食べた巨人の正体がたまたまフリッツ家の末裔のダイナ・フリッツの巨人だったのです。
不戦の契りを交わして使えなくなった巨人の力は同じフリッツ家の血を引く巨人相手であれば作用するようです。しかし、あくまでこの条件が揃った場合のみを考えると、不戦の契りはほぼ無敵の契約だと思われます。
フリッツ王の声優
フリッツ王の声優を演じたのは園江治さんです。1941年3月15日生まれ東京都出身マウスプロモーション所属で声優のほかに舞台俳優などもされています。今年で80歳を迎える大ベテランの声優さんです。主な代表作は「明日のナージャ」執事役、「のだめカンタービレ」野田喜三郎役、「銀河英雄伝 Die Neue These」エドウィン・フィッシャー役など大人の魅力が出る男性キャラクターを中心に演じられているようです。
フリッツ王の名台詞・名シーン
ここで物語の鍵を握り続けているフリッツ王の名台詞・名シーンを紹介して行こうと思います。
ユミルの体をすべて食い尽くせ
始祖ユミルがフリッツ王の奴隷であった時に、豚を逃した罰として森の中を弓矢を持った兵士に追いかけられている時に大木の洞の中に落ちてその中で眠っていた巨人の力を手にしました。するとフリッツ王はユミルへの待遇を一転して巨人の力を行使させられるものの安寧の生活が約束されました。
しかし国が大きくなるた代償として反乱分子が現れフリッツ王に向かって槍を投擲して命を狙いました。それを庇うようにユミルは身を挺して槍の犠牲になり命を落としました。そんなユミルの遺体をフリッツ王はバラバラに刻み3人の娘である、マリア、ローゼ、シーナに食べるように命じた時のセリフです。
ユミルの手にした巨人の力は強大で今後のエルディア帝国の発展には絶やしてはならない力だとフリッツ王は見越していたのでしょう。その後も「娘が死ねば孫へ背骨を」「孫が死ねばその背骨は子から子へ」と言い残すほど巨人の力に固執していたと思われます。
「でなければ全員から片目をくり抜く」
エルディア帝国がまだ小さかった時代、初代フリッツ王は多くの奴隷を所有する王でした。恐怖政治を行っているのか奴隷に対しては非情で人とも思っていないようです。ある日家畜の豚が逃げたと知ったフリッツ王は奴隷を集めて犯人は誰かと問いただし出てこなれれば「全員の片目をくり抜く」とまで言い出しました。その後恐怖した奴隷たちが当時奴隷であったユミルに向かって一斉に指を差しました。真意がどうであれ当時のフリッツ王の恐怖度合いが計り知れるシーンです。
フリッツ王は作中でも最も謎の多い人物
進撃の巨人の物語の中核を握るフリッツ王。舞台となるパラディ島へと渡り街を作り、巨人の力の起源でもあるフリッツ王は今後の物語にどんな影響を及ぼすのでしょうか、謎が多い人物であるだけに様々な展開が予測できる魅力のあるキャラクターであると思います。