黒川の基本情報
名前 | 黒川 |
性別 | 男 |
年齢 | 不明 |
声優 | 西村まさ彦(にしむらまさひこ) |
黒川の特徴
黒川は比較的小柄な体格をしています。髪型は真ん中で分けており、メガネをかけています。三菱内燃機の設計課に務めると共に、新入社員である二郎や本庄の上司になる存在です。その黒川の上司は、課長である服部になります。
同じ黒川という登場人物が堀達郎の小説の「菜穂子」にも登場していることから、そこから名前をもらってきたと思われます。
黒川の性格
黒川は、気難しい堅物であり仕事には非常に厳しくせっかちな性格です。三菱の新入社員で後輩でもあるはずの堀越二郎に対して、難易度の高い設計をいきなり任せてしまいます。それは逆に言うのであれば二郎の才能を評価しているということの現れでもありました。その仕事ぶりから二郎の天才性を高く評価しただけでなく、ユンカース社への視察を含んだドイツ留学を推薦した人物でもありました。
堅物な面としては、結婚していない男女が同じ屋根の下で一夜を過ごすことに関して難色を示した点です。確かにあまり良いとは言えないことですが、そういった倫理観を守る性格とも言えるかもしれません。一方わで、社員らが二郎を中心としながらも自主的な研究会に熱意のある姿を見せられて感動するといった一面もありました。
上司としての威厳や役割があるので、新人であった二郎に厳しくはしたものの、その功績をしっかりと評価することのできる素晴らしい上司ですね。
黒川の行動
黒川は、二郎に上司にしか過ぎないものの、物語の後半では欠かせない役割を果たします。特別高等警察に追われる二郎を救う為に出張中とごまかして二郎を匿まいました。同時に、そのことから二郎を自宅に住まわるということまでします。
そして、二郎から菜穂子との結構の仲人を頼まれた時には、菜穂子の病状から難色を示すものの最終的には2人の気持ちを最大限に考えて仲人を引き受けます。もはや、二郎とは上司を飛び越えた関係となりました。
黒川の妻
黒川に特に名前の呼ばれない妻がいて、二郎不在時には菜穂子の世話をするなどして、2人の結婚生活を黒川と共に支えました。二郎と菜穂子が結婚宣言した時は、黒川は難色を示したが妻はすぐに賛成しました。菜穂子の為に婚礼の衣装などを準備するなど、黒川だけでは理解できなかったことや手伝えなかったことを黒川夫人が代わりに行うという役割だったのだと思います。
黒川の声優
黒川の声を担当したのは、西村まさ彦さんという俳優の方です。ドジでコミカルな役柄ばかりを演じていましたが、それは「古畑任三郎」がヒットした影響でした。本来ではシリアスな演技を得意とし、三谷作品においてはシリアスな役や敵役を演じ、今では演技派として活躍されている方になります。
受賞作には「ラヂオの時間」での演技が評価され、日本アカデミー賞の第21回最優秀助演男優賞、ブルーリボン賞の第40回助演男優賞、キネマ旬報ベスト・テンの助演男優賞があります。代表作はドラマ作品が多く、「古畑任三郎」「王様のレストラン」シリーズがあり、「サラリーマン刑事」ではシリーズ1から4で主人公を演じました。
黒川の名台詞・名シーン
ここからは二郎の上司である黒川の名台詞や名シーンを紹介します。実際の黒川の発言や行動をじっくりと見て下さい。
「完璧です。できたものはすぐに出すこと」
難易度のある設計を任せたものの、それをしっかりとこなした二郎を正当に評価した黒川の言葉でした。上司たとして正しく評価することの有用性を理解していたからこその台詞でした。そして、指示もまた的確であり、いかに黒川が優秀な人材であるかが伺える場面でもありました。
「君のは愛情ではなくエゴイズムじゃないのか」
高原のサナトリウムで療養生活を送っていた菜穂子は、二郎と会いたいという気持ちから療養所を抜け出します。結婚を決意した2人は、上司の黒川に仲人を頼みますが、黒川はためらいます。菜穂子のことを考えればとても認められないことで、二郎のただのエゴで菜穂子を苦しめるのではないかと危惧します。この後に黒川は承諾しますが、黒川のこの言葉があったからこそ、なお更に終わりのら見える2人の結婚生活を覚悟できたのではないでしょうか。
理解のある良き上司
最初はとても堅物そうにしか思えなかった黒川でしたが、実は部下ができたことに対してきちんと評価をできる優秀な上司であることが分かりました。また、二郎と菜穂子の短い夫婦生活を送ることができた功労者でもあり、黒川がいなければ2人は確実に結婚できなかったことでしょう。
精神的に上司として支え、物理的にも生活を支援したそんな黒川の勇姿を言葉では語り尽くせません。更に黒川のことを知りたい方は、「風立ちぬ」の映画で改めてご覧になってはいかがでしょうか?