「もののけ姫」は日本が世界に誇るアニメ映画製作会社ジブリが制作・公開した映画になります。
その人気は凄まじく、興行収入193億円を記録し当時の日本映画の興行記録を塗り替えたほどで、20世紀の日本映画歴代興行収入において第1位となりました。
そんな「もののけ姫」に登場するキャラクターはそれぞれが様々な目的や感情の為に生き、勧善懲悪の存在しない物語としても魅力的です。
そこで最も印象に残るのは「モロの君」です、その見た目のインパクトだけではなくサンの母親としてやシシ神の森を守護する犬神として登場します。
今回はそんな「モロの君」についての情報を都市伝説や、映画で語られることのなかったものまでご紹介していきたいと思います。
モロの君の基本情報
モロの君についての基本情報をまとめさせていただきます。
性別 | 女性 |
年齢 | 300歳 |
声優 | 美輪明宏 |
大きさ | 5メートル以上 |
犬種 | ニホンオオカミ(非公式) |
モロの君の性格
「モロの君」は山犬の神として森を守護する役割を担っている。実子が2匹いるがサン(もののけ姫)の育ての親でもある、サンに対してもわが子のように愛を持って接している。
人語を解する事ができ話すこともできる、高度な知能と強靭な生命力を持っているその恐ろしげな姿から狂暴な印象を人に与えるが、実際は穏やかで心の広い神様のようです。
森に対し敬意を払うアシタカや育て子サンのように、例え人間であっても森を大切にする者に対しては心を開き接しようとしています。
前述したとおり、「もののけ姫」の作中では勧善懲悪の概念がなく、むしろ必死に逸らそうともとれる物語の構成になっています。
そのため、モロの君は自然を大切に思い守っていく使命があるにしろ、人工的に伐採するエボシ御前、森を食い荒らす猪神もどちらも嫌悪しているが、それぞれにも致し方ない理由を持っており完全にモロが正論であるとも言い難い状況といえます。
森を荒らすものへの制裁としてもエボシの腕を食いちぎってしまったという事実は、野生とはいえ少し気の荒さが垣間見える事柄ですね。
モロの君に関する都市伝説
モロの君に関する都市伝説は非公式としたモロの君の犬種についてです。
実際に公式にモロの君がニホンオオカミであるという事は言われていません、そのため様々な憶測があり仮説的にご紹介していきたいともいます。
実際に宮崎駿監督からモデルにした犬の公表はないのですが、白くて大きなオオカミのような雰囲気のある犬と言われると「ホワイトスイスシェパード」という犬種が挙げられます。
大型犬に分類され、被毛も全身が真っ白な毛でおおわれています。まっすぐに立った耳とバランスの取れた体つき、走る姿はまさにモロの君に酷似しています。
しかし、これは少し強引な仮説となり、もう一方の噂の方が信憑性があります。
それは、埼玉県秩父市にある三峯神社の「オイヌサマ」と呼ばれ信仰されている、ニホンオオカミではないかという仮説です。
この神様は三峯神社でオイヌサマと呼ばれる大口真神はニホンオオカミを神格化した神様で、ヤマトタケルを三峯神社に案内した白いオオカミだと言われています。
もののけ姫に登場するモロの君は犬神とされていますが、見た目はオオカミのそれに似ていることからモデルと言われているそうです。
モロの君の名シーン・名セリフ
数多くの名シーン・名セリフを生み出した「もののけ姫」はキャッチコピーの「生きろ」などとても印象深いものが多いです。中でもモロの君の発した名セリフはもののけ姫を象徴するほど大きなインパクトを与えてくれました。
「黙れ小僧!」
モロの君がアシタカに対して放った一言になります。
アシタカは森と人とが争わない方法はないかと嘆き、そしてサンを思うあまりに森と共に滅ぶこともいたしかたないと考えるモロの君に対し、「サンをどうする気だ。あの子も道ずれにするつもりか?」と問いかけます。
モロの君はいかにも人間らしい手前勝手な考え方と罵り、サンも我が犬神の一族の娘と話し、森と共に生き、森が死ぬときは共に滅びると告げます。
そしてアシタカは言います、「あの子を解き放て!あの子は人間だぞ!」
「黙れ小僧!お前にあの娘の不幸が癒せるのか?森を侵した人間が、わが牙を逃れるために投げてよこした赤子がサンだ。人間にもなれず、山犬にもなりきれぬ、哀れで醜い、かわいい我が娘だ。お前にサンを救えるか?」
と牙を突き立て、鬼のような形相でアシタカに言い放った言葉でした、この言葉には自然の怒りやサンへの慈悲の心、そして何より人間に戻してあげたいと考えているのがモロの君であった事が背景にあると考えられます。
サンは鉄砲で撃たれ穴の開いたアシタカの服を治してあげていましたが、その裁縫の技術は誰が授けたのでしょうか、それは人語を解し高度な知性を併せ持つモロの君であるとされています。この事実からもサンの人間世界への帰還を誰よりも望んでいたのかもしれませんね。
ちなみにこの名言はあのダウンタウンの松本人志さん(松ちゃん)も使用しており、当時大流行していました。
まとめ
あの恐ろしい姿からは想像もつかない深い愛に満ちた「モロの君」何度も繰り返しこの映画を見ていくことで、本当にモロの君は偉大な存在で優しさに溢れた存在であったかを実感させられました。
そして美輪明宏さんの声も絶妙ではまり役でした。