「天空の城ラピュタ」にて登場するロボット兵は、どのようにして作られたのか、どうやって動いているかなど謎の多い存在です。また、ヒロインのシータとも関係があるようですが、実態はどうなっているのでしょうか?
今回はそんなロボット兵がどこから来たのかや、名シーンについてまとめます。
ロボット兵の基本情報
名前 | ロボット兵 |
全高 | 3.44m |
体重 | 238kg |
製造時期 | 不明 |
製造元 | ラピュタ |
性別 | なし |
ロボット兵の登場
物語の初めて登場したロボット平日は完全に停止した姿で、シータとムスカが訪れたティディス要塞に保管されていました。
空から突然、農家の畑へと落下してきた個体を軍が回収したものでありました。小説版では「空から落ちてきて軍が回収していった悪魔の骨」と噂されていました。この時点ではムスカによれば昔に死んでいると言われていたものの、シータがお婆様に教えられた呪文を唱えたことで起動しました。
ロボット兵の特徴
ロボット兵は、空に長年浮かび続けている古代空中都市国家ラピュタの遺産で、自律式の半有機体ロボットです。設定資料によると形状記憶弾性ハイセラミック製だそうです。
顔部の中央部分には二つのランプがあり、音声装置とセンサーとを兼ねています。歩行は二本脚と四本脚のどちらでもすることが可能です。
実際のラピュタには、一部が倉庫に格納されている状態の時は、手足を折り畳んだ独特の丸まった形態をとっていました。それ以外の多くは、庭園や墓石などに大量のロボット兵の残骸が放置されていました。
ロボット兵の種類
ロボット兵は全てが戦闘用に作られたのではなく、看護や園丁などの種類もあります。区別は胸の紋章と色彩によって分けられており、戦闘用ロボットは赤茶、園丁用ロボットは緑掛かった色と見た目で分かるようになっています。
園丁ロボットは独特の歩行音を出しながらも二本脚で歩いているシーンがあります。ラピュタでは、「風の谷のナウシカ」のテトのような生き物と共にいて、動物やシータと意思疎通することができるようです。
シータ達の乗ってきた籠の下に鳥の巣があることに気づいたロボット兵は、鳥の為にどかそうとする優しさがあり、心も持っているように見受けられる場面もありました。滅びの呪文を使っても園丁用ロボットは機能を止めずに動けていました。
ロボット兵の能力
1度機能できなくなっても、飛行石とラピュタ家に伝わる呪文によって再起動することができ、それを使った者を衛護するプログラムが組み込まれています。
戦闘ロボットは、胸部に搭載された一対のブースターと両腕の骨格の突起物の間に一時的に展開される翼膜を使うことで飛行する能力を持ちます。
頭部の大小2門のビーム砲があり、小口径は対人用で、大口径は遠距離への高火力攻撃に使用し、巨大な軍事要塞のティディス要塞を壊滅させられる高い戦闘力があります。発射された光線は対象に貫通するだけでなく、着弾点を中心として爆発させる効果もあります。
ロボット兵のモデル
ロボット兵は「天空の城ラピュタ」よりも先に登場している作品があります。宮崎駿監督が照樹務という名義で脚本と演出を担当したTVアニメ「ルパン三世」の第155話「さらば愛しきルパンよ」という回です。
開発された試作ロボット兵「ラムダ」として登場し、ルパン三世の偽物に強奪され、強盗犯罪に利用されてしまいます。デザインはほとんどそのままですが、搭乗者が必要になります。宮崎駿監督によるとロボット兵を使ってみたが心残りがあったのでもう1度使ったと述べています。
更にこのロボット兵の元ネタとなったのは別にあり、フライシャー兄弟による1941年のアニメ映画「スーパーマン」にて、スーパーマンと対決する殺人ロボットです。
ロボット兵の名シーン
シータの唱えた呪文により再び目覚めたロボット兵は、軍事基地を壊滅的にさせます。辺りが炎に覆われる基地の中で、ロボット兵を起こしたシータを見つけます。
シータのことも攻撃すると思われましたが、実際にはシータのことを守ろうとしていました。軍からのビーム攻撃を受けながらも必死にシータに手を差し伸べようとした名シーンでした。
発話をすることのできないロボット兵ですが、シータとパズーの乗ってきた籠に鳥の巣が潰されてしまいそうになった時にはどかします。そのお礼のつもりなのかラピュタの中を案内しようとし、2人はお墓を見つけます。
お墓に供える花をロボット兵が持ってきてくれたシーンです。ロボット兵にも人のような心があることが分かります。
ラピュタから生まれたロボット兵
ロボット兵は人がいなくなったラピュタに、動物や植物と共に長い間生活してきた個体と、格納されて眠っていた個体がいました。ラピュタの古代文明の高度さが分かるロボット兵は、凄まじい破壊力を持つ反面、動物に優しさを見せるロボット兵もいました。
争い続けて滅びたラピュタには、人が無くしたものを自然の生命と一緒に保ち続けたロボット兵がこれからも暮らしていくことでしょう。