ペッシは、「ジョジョの奇妙な冒険 第5部~黄金の風~」に登場するスタンド使いで、暗殺チームの一員。暗殺チームは、ボスの娘トリッシュを奪いボスの弱点を探ろうとしており、いわば裏切り者たちです。その名にたがわず、そうとうな強者揃いですが、ペッシはその中でも下っ端のようで、登場時は相棒であるプロシュート兄貴の言いなりだったのですが…。
ペッシとビーチ・ボーイの基本情報
名前 | ペッシ |
性別 | 男 |
スタンド名 | ビーチ・ボーイ |
必殺技 | まるで水面のごとく、壁や床に糸をたらし獲物を釣ることができる |
声優 | 木村昴さん |
初登場 | 黄金の風 |
ペッシの特徴
頭にパイナップルの葉を生やしたような髪型をしていて、非常に目つきが悪いのに、実は弱気。
アゴが見当たらないくらい太く短く、ずんぐりとした体格が、さらに「マンモーニ」っぽさを醸し出しています。
服装はその性格とは逆で、なんとなくゴージャス。ガウンのような羽織物の毛皮の襟を立たせ、ノースリーブの袖からは、筋肉質の逞しい腕をのぞかせています。
兄貴分である凄腕スタンド使いプロシュートを尊敬しており、常に指示を仰いでいますが、実は芯が強く、勘も鋭く、自分では気づいていない高い能力を持っています。プロシュート兄貴は、ペッシのその高い潜在能力を認めており、ペッシを鼓舞したり、彼を頼りにしている場面も再々でてきます。ブチャラティも、戦いながら覚醒していくペッシの本当の強さと、目の中にある「気高さ」を認めており、敵でありながらその存在を認めたくなるスタンド使いの1人に挙げられます。
ペッシの性格
登場してすぐに露呈したのは、自信のなさと、言い訳がましい独り言…。兄貴がいなければ、到底戦うことができない、そんな性格に見えます。プロシュート兄貴は、そんなペッシに「オメーはママっ子(マンモーニ)なんだよ」と言い放ち、容赦なく叱ります。彼の、どこか甘ったれていて心の奥にビビリがあるという弱点を指摘し、「成長しろ!」と諭したのです。
プロシュート兄貴はとことん非情であり、その行動に驚愕してしまうペッシ。ギャングとしてはまだまだ青二才で経験が少ないのかと思わせるような反応です。おそらくペッシはかなり若く、ジョルノやナランチャと同じように、まだ少年なのかもしれません。
ビーチ・ボーイの特徴
見た目はまさに釣り竿で、壁や床を水面のように見立て、そこに針や糸を垂らし獲物を釣ることができます。針には釣りのようにエサを付けることができ、そのエサは、エアコンのスイッチのような、誰かが触るかもしれないモノでも可能です。
エサと化したスイッチを触ったミスタは、その指からビーチ・ボーイの針が食い込んでしまい、針はミスタの心臓や脳をめがけて死に至らせようとしました。竿にかかる力は基本的にはペッシの腕力ですが、針にかかって竿に釣られてしまうと、その弾性により、掛かった者は非常に体力を奪われてしまいます。何より、針が体内に食い込むことで、普通の人間ならすぐに死んでしまうでしょう。
ブチャラティとの戦い
ペッシとは、イタリア語で「魚」を意味します。魚が釣り竿を持っているという、非常にシニカルなスタンド使いですね。また、ペッシの戦いぶりは、最初はプロシュート兄貴との連携なしでは語られないのですが、プロシュート兄貴がブチャラティによって瀕死状態になった姿を確認後にペッシが覚醒するという、こちらも非常に皮肉な展開となります。兄貴の無惨な姿が、ペッシの覚悟に火をつけたのでしょう。
ビーチ・ボーイの糸は、その振動で、食い込んだ者(物)の特性…たとえば、食い込んだ部位や性別、その体重や体型、今どこの部位を通ってどこに到達しようとしているのか、それら全部を正確に判断できます。糸は非常に強靭で、スタンドで引き裂こうとしたり、力で抜こうとしても無駄であるだけでなく、その反動で釣られた者に攻撃が反射してしまいます。ペッシの意のままに操ることが可能なので、糸を相手に巻きつけて身体をへし折ることすら容易いと思われます。
まさにこれらの攻撃を全身で受けてしまったブチャラティ。離れた場所からでも、ペッシは正確にブチャラティの胴体に侵入し、確実に心臓へ針を向かわせます。ブチャラティは、ミスタのスタンドであるピストルズのナンバー6の助言と共に戦いますが、ペッシの復讐心は半端じゃない。それを感じ取ったブチャラティは、ペッシの覚悟には覚悟で応えるしかないと、自身のスタンド能力スティッキィフィンガーズで自分の身体をバラバラにし、針と糸を外に出すことに成功します。が、ビーチ・ボーイの針は、ブチャラティの心臓音を感知し、さらに襲いかかる…。
ブチャラティはいたしかたなく心臓さえも真っ二つにし、心臓の動きを止めるという危険な手段に出ます。遠隔でブチャラティの身体を必死に探すペッシ。糸をそこら中に伸ばしますが、動くものが見つからず、ついに動揺してしまいます。ブチャラティの覚悟は、ペッシからの執拗な攻撃から一旦逃れることができ、その後、2人は一騎打ちを展開することになります。
ほんの少し前まで「マンモーニ」であったペッシは、この死闘で、ブチャラティをもって「10年も修羅場を潜り抜けてきたような、凄みと冷静さを感じる眼」と思わせるほどに成長。それもこれも、プロシュート兄貴の死にざまを目にしたからではないでしょうか。兄貴の前で勝利することを誓った誇り高き戦いだったはずなのですが…。自分の死が迫ると、亀の中のジョルノたちを道連れにしようとしてしまい、ブチャラティに軽蔑されながらアリアリラッシュをくらいます。残念な最期でした。
ペッシの声優について
アニメ版のペッシの声優は、木村昴さんです。「ドラえもん」でのジャイアン役は有名で、他にも、「金田一少年の事件簿R」鯨木大介役、「暗殺教室」寺坂竜馬役などに出演されています。アトミックモンキーに所属。
他にも、ラジオ・テレビにも数多く出演し、「天才劇団バカバッカ」劇団の主宰者でもあり、ラッパーとしても活躍中。ドイツ出身で、特技は英語とドイツ語だそうです。ちなみに、「木村昴」は日本名で、本名はスバル・サミュエル・バーチュ(Subaru Samuel Bartsch)だそう。
ペッシの名シーン・名言
ここでは、ペッシの名シーン・名言の紹介をしていきます。
「わかったよプロシュート兄ィ!! 兄貴の覚悟が! 「言葉」でなく「心」で理解できた!」
ブチャラティとの死闘で瀕死の状態のプロシュート兄貴。今まで兄貴に頼りっぱなしだったマンモーニ・ペッシは、身体がちぎれてもスタンド能力を解除しないその姿を見て、初めて心から兄貴の本物の「覚悟」というものを理解するのでした。それまでの自信なさげな態度から一変したペッシの表情は、のちにブチャラティも認める、戦う男の顔となっていました。
ペッシの覚醒と最期!プロシュート兄貴に恥じない戦い!
最期の最期で残念な一面を見せて死んでいったペッシ。しかしその成長は、プロシュート兄貴へのオマージュだったに違いありません。プロシュート兄貴も、ペッシの成長を感じ取ったのではないかと思われるような断末魔の援護。2人との戦いは、今までにないくらい壮絶でした。また、スタンド能力の組み合わせも見どころです。
ブチャラティらの友情は、戦いと共に深まっていきますが、敵スタンドも同じく!いつでも死を覚悟しているパッショーネたちの生き様の刹那に感動を覚えます。