スコリッピは、「ジョジョの奇妙な冒険 第5部~黄金の風~」のエピローグに登場するスタンド使いです。
エピローグ「眠れる奴隷」は、ブチャラティらの壮大な冒険が終わった後…まさにボスを再起不能にした後に挿入されるお話です。
ブチャラティたちがボスと対峙する前に遡った話なのですが、スコリッピは、彼らの今後を暗示するような数々のセリフを吐き出し、強烈な存在感を見せます。
読み手すべてを惹きつける彼らの強い絆を検証しましょう!
スコリッピとローリング・ストーンズの基本情報
名前 | スコリッピ |
性別 | 男 |
所属 | 不明 |
種族 | 不明 |
スタンド名、能力 | ローリング・ストーンズ |
必殺技 | 運命を暗示する石を削る |
年齢/誕生日 | 不明 |
身長/体重 | 不明 |
声優 | 野島健児さん |
初登場 | 黄金の風 |
スコリッピの特徴
スコリッピとはイタリア語で「彫刻する」「刻む」という意味です。
スコリッピ自身が、彫刻で彫ったような堀の深い顔をしており、芸術家たる風貌をしています。
アニメでは紫色の髪に蔦のような茨のティアラが絡まっており、腕などは筋肉隆々です。
ただ、その姿の全貌はなかなか見れません。いきなりミスタに絡まれ、殴られてしまうからです。
スコリッピは、いきなり殴られたり銃で撃たれながらも、冷静さを失わず、ミスタの不条理な行為にも真面目に答えています。
髪に乗せた茨、ミスタに撃たれた両掌、その真摯な姿勢など、イエス・キリストを彷彿とさせる、という声もあります。
スコリッピの性格
訳あって神経が高ぶっていたミスタから容赦ない攻撃をくらうスコリッピ。
通常なら「コイツいきなりいったいなんなんだ?!」と思ってしまいますが、スコリッピは塩対応に慣れているのでしょうか?まずはミスタに全てを委ねます。
不当な扱いに動じず、人の話を聞いてあげることができる器の大きい男だと言えます。
それは、事の発端である、ある花屋のオヤジとその娘の話からも伺えます。
きっとスコリッピは、その娘の相談に乗りアドバイスを続けたのでしょう。
死についての重い話、逃れることができない運命について、否が応でも自分のスタンド能力と呼応してしまうスコリッピは、包容力のあり気遣いのできるスタンド使いだと思われます。
運命を受け入れる日々を過ごしているので、多少冷淡なところもあるかもしれません。
ローリング・ストーンズの特徴
「われわれはみんな「運命の奴隷」なんだよ それがぼくの能力──── 『ローリング・ストーンズ』の意味なんだ」
スコリッピがこう言っているように、死すべき運命にある者は死を逃れることができず、ローリング・ストーンズは、死すべき運命の者をより楽に死なせる能力を持ちます。
死ぬ運命にある者が死んだ時の姿になる石は、スコリッピの意志とは無関係に掘り出され、その者を安楽死させるためにころがって追跡してくるのが特徴です。
「運命」というどうすることもできない力がこのスタンドのエネルギーで、その形態からして、自動操縦タイプのスタンドといえるでしょう。
スコリッピとミスタの出会い
まず、ブチャラティたちのいつもの日常である賑やかな食事中に訪問してきた花屋のオヤジの話は、こうです。
数か月前、自分の娘は、ボーイフレンドだったある彫刻家の男に殺された…にもかかわらず、その男は現在ものうのうと生きている。正当な裁きとして、その男を殺してほしい…と。
ブチャラティは、その彫刻家が有罪か無罪かを確かめるために、ミスタを男のところへ向かわせますが、すでに運命の石はミスタの前に姿を見せていました。
幻覚なのかスタンドなのか…不安を抱えつつ彫刻家のマンションを訪れたミスタがまず見たのは、「凶」の文字が刻印された石…。
思わず石を銃で打ち砕くと、石は粉々になった後、ブチャラティの姿に変わっていきます。
ミスタは、石の傍にいたスコリッピをスタンド使いで、この彫刻家の有罪を確信したのですが…。
スコリッピも驚く、ミスタたちの行動
詰め寄るミスタに、石の説明をするスコリッピ。
石の形は自動的に出現し、その姿は、周囲にいる「近い未来に死ぬ運命の者」であること。
その運命の者が石を触ることで「安らかな死」をすることができるということ。
数か月前、花屋の娘は父と同じ病気で死ぬ運命にあることを知り、彼女の臓器を父に提供するため、石を抱えてマンションから飛び降りたのでした。
石がその者を殺すのではなく、あくまでも既に死ぬことが決まっている者を知らせるスタンド能力だと悟ったミスタとセックス・ピストルズらは、とにかくブチャラティがその石に触らないよう、身を挺して防ごうとします。
最後はミスタが石を抱え、マンションの6階から飛び降ります。
ミスタのブチャラティを守ろうと思う強い信念と、砂のように粉々になった石を目の当たりにして、スコリッピはつぶやきます。「彼らがこれから歩む『苦難の道』には何か意味があるのかもしれない・・・・彼らの苦難が・・・・・どこかの誰かに希望として伝わって行くような何か大いなる意味となる始まりなのかもしれない・・・」
スコリッピの声優について
スコリッピの声優は野島健児さんです。
「BANANA FISH」の奥村英二や「PSYCHO-PASS サイコパス」の宜野座伸元、「あんさんぶるスターズ!」逆先夏目など、人気作に多数参加している声優さんで、歌手やナレーターでも活躍されています。所属は青二プロダクションです。
スコリッピの名シーン・名言
ここでは、スコリッピの名シーン・名言の紹介をしていきます。
「歴史の頂点に輝く かの『ミケランジェロ』が言った言葉がある・・・『わたしは大理石を彫刻する時・・・着想を持たない』・・・・・『「石」自体がすでに彫るべき形の限界を定めているからだ・・・・わたしの手はその形を石の中から取り出してやるだけなのだ』・・・・・と」
ミケランジェロはかく語りき。おそらくこれは、スコリッピだけでなく荒木飛呂彦先生にも当てはまる言葉(名言)なのではないでしょうか。
「無事を祈ってはやれないが 彼らが『眠れる奴隷』であることを祈ろう・・・・・・目醒めることで・・・何か意味のあることを切り開いて行く『眠れる奴隷』であることを・・・・・・」
スコリッピの、祈りともとれるようなこの台詞は、ブチャラティが天に昇っていく際にジョルノに伝えた言葉に呼応します。
「眠れる奴隷」である心を動かし、たとえそれが「苦難な道」に向かう事になろうとも、目覚めることで「真実」にたどりつき、それを引き継いでいく者が現れる…それを予言していたかのようなスコリッピの名言です。
スコリッピは知る!運命の奴隷でも、真実の道を切り拓くことができる
実際、スコリッピはブチャラティらのその後を知ることはなかったと思われます。
ですが、ほんのわずかでも彼らの魂に触れたスコリッピは、彼らが切り拓いていく真実の道は、彼らが望むべき場所まで到達し、その意志が引き継がれていくことを、心のどこかで確信していたのではないでしょうか。