「ジョジョの奇妙な冒険 第5部~黄金の風~」に登場するトリッシュ・ウナ。彼女は、ブチャラティ達が所属するギャング組織のボスの実の娘として、15歳にして命を狙われる危険にさらされます。突然現れたボスの娘を護衛する任務にあたったブチャラティたち。彼女を無事にボスに届けるために、数々の暗殺チームと闘うことになります。その時、トリッシュのとった行動とは?
トリッシュ・ウナとスパイス・ガールの基本情報
名前 | トリッシュ・ウナ |
性別 | 女性 |
スタンド名 | スパイス・ガール |
必殺技 | 触ったもの全てを柔らかくする |
年齢/誕生日 | 1986年4月19日 または 1985年6月8日 |
身長/体重 | 163cm |
声優 | 千本木彩花(せんぼんぎ さやか)さん |
初登場 | 黄金の風 |
トリッシュ・ウナの特徴
ボスは、ギャング組織を形成する前にトリッシュの母親と恋に落ちました。しかし、娘が授かったことすら知らずに姿を消したようです。トリッシュ自身も自分の父親が誰なのか知らずに育ち、彼女の母の死をきっかけに、ボス自身もその存在を知ることになりました。
トリッシュは15歳で、スタイルのいい身体にスタイリッシュなセンスの服装をまとっています。ヘソ周りは露出、腰回りはパレオを巻き、ピンク色のショートヘアを綺麗にまとめています。それまではイタリアの片田舎で母親と静かに暮らしていたトリッシュですが、ギャングをまとめるボスの娘だと発覚してからは、ボスの弱点だとして反体制から命を狙われることになります。
ですが、ブチャラティたちと初めて対面した時、護衛者である彼らに、ストッキングや化粧、ファッション雑誌などを買ってくるように注文しており、すでにボスの風格を受け継いでいるように堂々としていました。それに対して唖然とした反応を見せるナランチャたち。こうしてボスへの旅が始まりました。
トリッシュ・ウナの性格
トリッシュ・ウナの好きなもの…例えば、俳優だとグウィネス・パルトロウ、マルチェロ・マストロヤンニ、そして好きなファッションはドルチェ&ガッバーナ、好きな雑誌はイタリアン・ヴォーグ(最新号)、水はフランスのミネラルウォーターであるペリエ以外は死んでも飲まない…などなど、美しいものにしか興味がなく、我儘な女性であるような印象を受けます。
反面、今までの静かな暮らしから一変、命を狙われるという信じられない状況の展開にうろたえることもなく、不平を言うわけでもなく、その運命を静かに受け入れる姿には、一遍の我儘さも見えません。このように、トリッシュには最初から何かしらつかみどころのない雰囲気がありました。しかし、どんな理由があれ、命を懸けて自分を守ってくれるブチャラティらの戦いを身近に感じるうちに、人間の生き方や使命について考えるようになったのではないでしょうか。
その積み重ねがあったからこそ、ボスのトリッシュに対する真のたくらみが発覚した際も、自分の運命に立ち向かえたのではないかと推察されます。ボスであるディアボロの血筋をトリッシュは間違いなくひいていますが、ボスとは決定的な違いを見せており、その人間性にも注目される興味深いキャラクターです。
スパイス・ガールズの特徴
スパイス・ガールは、薄いピンク色をした女性型のスタンド。立ち姿なども含め、とても女っぽい見た目です。おでこには四則演算のデザインが記され、身体には、血のつながりを感じさせるようなキング・クリムゾン似の網目模様が見られます。
スパイス・ガールの能力は、どんなモノでも柔らかくできることで、柔らかくなったモノはその後物質的ダメージを受けず、絶対に破壊されない物体になります。スパイス・ガール曰く、「『柔ラカイ』トイウ事ハ『ダイヤモンド』ヨリモ壊レナイッ!!」とのことですが、後にこの能力を発揮し、ボスとの戦いで彼を追い詰めます。
スパイス・ガールは登場当初から自意識を持っており、スタンド自ら積極的に本体であるトリッシュに話しかけ、更に、彼女にアドバイスや勇敢な行動を促しています。
トリッシュ・ウナの覚醒
トリッシュとスパイス・ガールとの出会いは、トリッシュの予期せぬものでした。そもそもスタンドの能力は、弓と矢に貫かれることによって発現したり、血筋によって遺伝的に発現したりすりようです。トリッシュの場合、父親であるディアボロはスタンド使いであり、その能力を受け継いだと考えられるでしょう。
彼女は、突然運命の歯車が狂わされ、命を狙われる理不尽な旅を続けることになってしまいました。そんな中、命を懸けて戦うブチャラティやジョルノたちによって、今までの価値観は変化し、精神的にも大きく成長しました。もちろん、トリッシュ自身にも芯の強さは備えられていたと思われます。自分の命の危機に瀕した場面で、それでもジョルノの腕を守ろうとしたその覚悟がスパイス・ガールを生んだのです。
その際、スパイス・ガールはこう言います。「ズット前カライマス アナタが幼イ時カラ イツモアナタノ ソバニイマシタ」と。スタンドの能力が覚醒するタイミングは本体の精神力と比例するのかもしれません。トリッシュの成長ぶりには、読み手でさえ目をみはるものがありました。
トリッシュの声優について
アニメ版でトリッシュ・ウナの声を担当しているのは、千本木彩花(せんぼんぎ さやか)さんです。アイムエンタープライズに所属されており、他にも、「ガーリッシュナンバー」の烏丸千歳役や、「若おかみは小学生!」の藤原あおいを演じています。2017年、第11回声優アワードにて新人女優賞を受賞され、今後の活躍が楽しみな声優さんです。
トリッシュの名シーン・名言
ここでは、トリッシュの名言・名シーンの紹介をしていきます。
「倒すとか倒さないとかは あたしにとっては別問題だわ! あたしはどうしても知りたい! 自分が何者から生まれたのかをッ! それを知らずに殺されるなんて まっぴらゴメンだわッ!」
ようやくトリッシュをボスに引き渡す建物まで辿り着き、無事に任務を遂行出来たかのように見えたブチャラティ。不安がるトリッシュを支えるために繋いでいたその手は、エレベーター内で手首からちぎり取られていました。ボスは、人生の汚点であり自分の弱点になり得るトリッシュを、自らの手で確実に始末しようとしていたのでした。
ボスの行為によりブチャラティの「心」は再度裏切られました。トリッシュを奪い返し、ボスを倒すことに決めたブチャラティ。トリッシュは当然、父親の真の目的がトリッシュ自身の抹殺であることを知ることになります。そして、ブチャラティたちと行動を共にするということは、ボスへの裏切りであり自分の父親を倒すということ。その際にトリッシュの放った覚悟の名言です。まだ顔も見たこともない父親であり大いなる敵。トリッシュは自分の運命を受け入れ、過酷な現実に正面から対峙します。
ブチャラティたちへの信頼・愛情…トリッシュは目覚ましい成長を見せる!
常に死と隣り合わせの戦いの中で、トリッシュはブチャラティの真っ直ぐな性格と無骨な優しさを度々感じます。それは、部下であるミスタやアバッキオたちがブチャラティに対して感じる崇拝に似たものと同じようでもありますが、異性に対して持つ憧れと愛情でもありました。ナランチャはそんなトリッシュの感情をいち早く感じ取っていたようで、的を射るような台詞をトリッシュに言いますが、彼女自身にはまだ自覚がなかったようです。
ブチャラティとの出会い、仲間との交流、父親との戦いを経て、トリッシュはさらに成長していきます。