郭備です。秦の武将です。
とても誠実な武将で、知才、武才にも恵まれていたという話でしたが、作中では登場してすぐにやられてしまいます。けれども、信には1度、言葉掛けもし、郭備隊が飛信隊に加わる等、信に少なからず影響を与えた人物です。
ここではそんな郭備の情報を見ていきます。
郭備の基本情報
まずは郭備の簡単な基本情報について紹介します。
所属軍 | 蒙驁軍 |
地位 | 千人将 |
初登場 | 18巻 |
生きて登場するのは18巻のみです。
凛々しい顔立ちをしていて、気品が漂っていますが、出身は下僕です。戦災孤児で、良家の下僕を転々とする中たまたま養子に迎えられ士族になった経緯を持ちます。それが理由で、同じ下僕出身で将軍を目指す信を応援しています。
地位は千人将ですが、知、武、勇全て揃っていて、人望も厚く、若い将校の中では1番将軍に近いと言われていました。現に魏攻略戦にて、蒙驁の側近を務めています。
郭備の史実における情報
郭備の史実における情報ですが、調べたところ、史実における情報はありませんでした。
郭備についてはオリジナルキャラである可能性が高いですね。
郭備のこれまでの活躍
郭備のこれまでの活躍について振り返ります。
18巻、信に言葉を掛ける
先述しましたとおり、郭備は18巻にて登場します。
蒙驁軍は、魏の3つ目の城「近利関」を突破しました。この際、飛信隊はこの戦が始まって以来初めて、ライバルとなる玉鳳隊、楽華隊よりも大きな武功を上げることができ、祝杯を上げているところでした。ただ、近利関の大将首という最も大きな武功をその日おさめたのが、千人将郭備だったのです。
郭備は、大騒ぎする飛信隊の前に姿を現しました。軍議に向かっている途中通りかかったようです。この時の飛信隊はまだ三百人隊だったので、突然の千人将の訪問は何事かと思いますよね。特に信はすぐにピリッとした態度になりました。というのも、1つ目の城、高浪城を突破した際、信は別の千人将と揉め事を起こしたのです。
千人将の乱銅の隊は、降伏した市民に対し、陵辱、蹂躙行為を行っていました。それを許せない信は乱銅を斬ったのです。本来同士討ちは斬首の刑ですが、蒙恬のはたらきにより、信は無罪放免となったという流れの出来事がありました。これにより、信からすると、平気で外道な行為を行う千人将もいるという現実も実感しているわけです。そこに、乱銅と同じ千人将の郭備が現れたことで、色々想像してしまっても致し方ありません。乱同の時と同じような展開となれば、今度こそ飛信隊ごと軍法会議にかけられてもおかしくありませんから、いくら信でも非常に難しい選択に迫られることになったでしょう。
ところが郭備は違いました。同じ下僕出身であることを信に伝えます。信の境遇に自分の昔を重ね合わせて、応援したい気持ちになったようです。後ろだてもなく三百人将まで上り詰めた信を称えるだけでなく、乱銅との一見をきっかけに蹂躙行為が見られなくなったこと、そして、飛信隊の進んでいる道が間違いではないことを伝えてくれます。最後には「貴族なんかに負けるなよ、信」と鼓舞してくれるという、とにかく人格者でした。信も郭備の言葉を聞き入るばかりで、何も反応できないほど嬉しかったのでしょう。
けれども、この登場の後、廉頗四天王の1人、輪虎の闇討ちに遭い、命を失います。将軍に近いと呼ばれる逸材だったので、暗殺リストに入れられていたのですね。戦っている姿も1度見てみたかったですね。
この後、郭備の兵は急遽の千人将に昇格した飛信隊に吸収され奮起します。
郭備の名言・名シーン
(画像は信に忠誠を誓う楚水筆頭の郭備隊)
郭備は登場が少ないので、名シーンといっても先述した部分と重複してしまいますが、やはりその人格の素晴らしさでしょう。わざわざ軍議に向かう途中に足を止めて信に話をしてくれるのですから、そんな千人将は他にはいませんでした。尾平等のいわば、末端の兵にまで郭備の人望の厚さが広まっているのですから、蒙驁将軍の側近に置かれるのも頷けます。
郭備の武将としての器の大きさが見られるのが、飛信隊に加わった郭備兵でしょう。副長の楚水を筆頭に七百の兵が飛信隊に加わったのですが、飛信隊三百と比べると、倍以上の数なんですね。普通なら、千人将の元で動いていたのが、急遽三百人将の所に配置されて不平が出てもおかしくなさそうですが、楚水はこれを「誇りに思う」と言うのです。郭備が日頃より、信について話していたこともあり、楚水含め元郭備隊は、信に対し忠誠を誓います。このような隊を作り上げたことから郭備の武将としての才能が伺い知れますね。魏攻略編では、飛信隊は強力な輪虎の兵と戦うことになりますが、郭備隊の力なくしては切り抜けられなかったでしょう。
登場シーンこそ少ないものの、信に大きな影響を与えたのが郭備です。
郭備のまとめ
作中で亡くなっている郭備は、もう出てくることは無いと思われます。ですが、飛信隊が大きくなっていく中で、郭備隊はまだ生きていますから、郭備が為し得なかった夢も今の飛信隊には込められているでしょう。
外道な行為に手を出す武将が多い中で、郭備は非常に人道的で、時に青臭いと言われる信のやり方を、珍しく支持してくれた貴重な武将だったでしょう。