趙高は、太后に仕える宦官です。
宦官というと、召使のようなイメージが大きいですが、趙高はただの宦官ではないようです。
作中では嫪毐の乱(漢字の対応していないものはカタカナで表記しています)にて大きなはたらきをしています。ただ、史実での登場の仕方とは少し異なっているようです。
ここでは、趙高のこれまでのはたらきと、史実上の情報、今後について、紹介していきます。
趙高(ちょうこう)の基本情報
趙高の基本情報について、簡単に紹介します。
所属国 | 秦 |
役職 | 宦官 |
初登場 | 38巻 |
先述しました通り、趙高は秦国の宦官です。見た目には特に特徴なく、気弱な若者のような印象を与えますね。
太后の手先となって動きます。太后からの信頼は厚く、「宦官でなければ、最年少で丞相にまでなっていた逸材」と称されます。
嫪毐の乱のキーとなる、アイ国ですが、この骨格を作ったのが、趙高なのです。そして、他国の外交を強めるなど、まさに、この趙高の手腕により、後宮勢力の暴走が加速したと言っていいでしょう。
趙高の史実における情報、実在したのかどうか
趙高は史実にも登場しています。ただ、キングダムの登場の仕方とは異なるようです。
まず、史実では嫪毐の乱に加担した記録は無いようです。ここでは、史実での趙高について述べていきます。
主に趙高の役割は、始皇帝の側近、つまりは政に仕えます。政の末っ子である胡亥の守り役を務めることで、政から寵愛を受けるようですが、なんと、後に趙高は秦国を滅亡までに追い込む人物となっていくのです。
諸説あるのですが、簡単に述べますと、政の死後、跡継ぎとしては勿論、長子が挙げられるわけですが、趙高はその遺言状の書き換えを行うのです。自らが権力を手にできるよう、胡亥を跡継ぎに置きつつ、自分が裏で操る、いわゆる傀儡政権を行うわけですね。権力を握った趙高は、障害になりかねない人物は次々と、冤罪にかける等して排除していきます。その中には、李欺や、蒙恬も含みます。まさに独裁国家のような形になるわけですが、これを繰り返す内に、自分を守る兵すらいない状況に陥ることになります。始皇帝の一族の1人に復讐に合い、殺されることとなるのですが、趙高による腐敗が進んだ秦国は、反乱軍を抑制する力も残っておらず、滅亡へと進むとされているのが、1つの説です。
ただ、キングダムにおいて、どのあたりまで描かれるかは、今の所分かりません。現在は罪人として島流しとなっていますが、出自が不明な趙高の過去を伏線として置いている可能性もありますし、キングダム自体が天下統一を目指す物語ですからこのまま登場しない可能性も大いにありますね。
趙高の経歴
初登場は38巻
38巻にて初登場です。政と呂不韋の間に割って入るように、第3勢力となる、後宮勢力が力を付けていました。太原一帯を「アイ国」として、中華の8つ目の国となろうとしていたのですね。
そのアイ国の骨格を作ったと紹介されるのが、趙高です。アイ国の法律を作ったり、楚と密約を行ったりと、「天才」と称される通りのはたらきを見せます。終始、おどおどとしていて、弱々しい見た目にも関わらず、やっていることは咸陽の転覆に繋がることですから、この行動力は何とも不気味ですね。また、どのようなパイプで、楚と密約を行えたのかも明らかになっていません。
反乱の失敗、島流しにされる
反乱が失敗に終わる40巻にて、趙高は島流しの刑になります。その時にも、自分ではなく、太后を思い、涙している様子から、忠誠心が強かったことが見て取れます。
趙高の名シーン
宦官という、役職だけに、表立って活躍するというよりも、暗躍するのが趙高です。なので、名シーンと言えるような場面は今の所ありませんが、最も大きなはたらきは、やはり1つの国の骨格を作っただけでなく、その国を短期間で急成長させたことでしょう。その成長度合いは太后も想定以上のもので、あっという間に太后の存在を、呂不韋と肩を並べさせる程にまで持っていきました。あまりのアイ国の発展に対し、太后が趙高に法の改正を求めるシーンもありました。
また、趙高は、後宮にて、クーデターを起こすか否かと議論になった際、咸陽の勢力には現状の自分達では対抗できないと予見していた冷静な視線も持ち合わせています。発言権は乏しいようで、他の文官に意見は通用しませんでしたが、年齢も若いことを考慮しても、趙高の宦官としての相当な資質が垣間見えました。
この38巻から39巻にかけて、趙高の取り上げられた活躍は名シーンと言っていいのではないでしょうか。
趙高のまとめ
趙高は一見、ひ弱な若い宦官ですが、後宮勢力の一端として、咸陽に脅威をもたらした人物の1人であると言えるでしょう。
ただ、今の所は特に注目されて描かれてはいません。
史実では秦国にとって、非常に大きな存在感を示すだけに、どの辺りまでを作中で描かれるのかで、趙高の今後の登場の仕方、有無は変わってくるでしょう。長編だけに、数多くの伏線も用意されているキングダムですが、果たして趙高も伏線の1人となっているのか、覚えておきたい人物ですね。