楊端和です。山の民の女王ですね。
キングダムでも、序盤から活躍を見せる山の民ですが、それを統率する女王が楊端和です。戦においても、今では秦国で、大将軍級の活躍を見せています。
実力に加え、ビジュアルも華やかで、正に才色兼備、人気のあるキャラクターの1人です。
ここでは、楊端和の活躍シーン、史実での人物像を紹介します。
楊端和の基本情報
まずは楊端和の基本情報について、簡単に紹介します。
所属国 | 秦 |
地位 | 将軍 |
使用武器 | 剣 |
初登場 | 3巻 |
3巻にて初登場です。孤立無援となった政たちが、助けを求めに行くのが山の民の元です。不気味な仮面をはめ、多様な装飾をまとい、足元に狼が2頭いるという強烈な登場を果たします。なので、最初の印象は相当不気味なのではないでしょうか。
見た目は絶世の美女で、壁など、武人たちが惚れる程です。山の民を従えているだけあり、性格は大胆不敵、統率力に優れていて、いかにも将軍気質です。
楊端和の史実における情報
楊端和は史実でも登場する人物です。ただ、史実においては、山の民でもなく、女性でもなく、一将軍です。作中のように人並み外れた戦闘力を発揮したのかは分かりませんが、実際に政に仕え、中華統一にも貢献したとされる将軍だったようです。
最も大きな功績として扱われるのは、趙攻めです。紀元前229年、楊端和は、王翦、羌瘣とともに趙に進軍します。ここで李牧と対峙するわけですが、楊端和は王翦の副将として邯鄲を落とすのに成功します。最も注目されるのは王翦ですが、楊端和も趙滅亡の戦に副将という重要な立場で登場した人物として、作中同様秦国にとって有能な武将であったことが分かりますね。
ただ、この戦以降の楊端和に関する記録が無いようなので、もしかすると、趙を滅ぼす代償として楊端和がここで命を落とす可能性もあるのかもしれません。
楊端和のこれまでの活躍
政と同盟を結ぶ
3巻にて、政らに助けを求められた楊端和でしたが、以前の秦王が山の民を迫害した経緯から手を貸そうとはしませんでした。逆に政含め、信らを殺そうとしていたのです。しかし、政の目指すものが、中華統一であると聞き、自分が幼い頃、「戦」でも「和」でも手段はどうにせよ世界を広げることを望んでいたことを思い出します。よって、祖の恨みを果たすのではなく、政ととも夢を果たそうと考え同盟を結びます。
秦国の危機を救う合従軍編
山の民はピンチを救ってくれるイメージがありますが、やはり合従軍編での登場は正にそれを象徴するものでした。最終防衛線のサイにて、政の登場から脅威の粘りを見せ、李牧軍の侵攻を食い止めていましたが、これは時間の問題でした。けれども政たちには時間を稼ぐことに意味があってのですね。それは山の民に援軍の要請を出していたからです。ところが、その時丁度山の民は北方奥深くに遠征に出ており、来れるかどうか分からない。来れたとしても、計算では8日の時を要すという状況でした。一縷の望みに託していたわけですが、7日目にして、城門を突破されるのです。兵たちは絶望するのですが、ここで楊端和が山の民を従え登場するのです。援軍すら難しい状況にもかかわらず、8日のところを7日で駆けつけてくれたのですね。山界の覇を争う戦を投げ捨て、強行して援軍に駆けつけた楊端和らに感動した読者も多いでしょう。
連合軍で登場するギョウ攻略編
楊端和が初めて、秦国の大将として正式出陣するシーンはこのギョウ攻略編が初めてです。舜水樹の軍とロゾの軍を相手にする楊端和でしたが、終始劣勢のように映りました。今まで山の民というと、超攻撃型で、狂ったように敵をなぎ倒していくイメージが強かったのですが、この戦ではかなり苦戦を強いられます。しかし、それ故にこれまで見られなかった楊端和も描かれています。
壁の食糧庫が燃やされ、楊端和軍は戦いを急ぐ必要に迫られました。そこで、犬戎王ロゾの血族である三兄弟の首を取り、相手戦力の低下を狙いました。その役を楊端和が任命したのはバジオウ軍、フィゴ族、メラ族だったのですが、壁が自らその役を立候補しました。楊端和はその壁の気持ちを酌みメラ族に変え壁にその任を与えます。失敗の許されない状況でも、秦の将である壁を信じたい気持ちが表れています。
楊端和は三兄弟の1人、ゴバを一騎打ちであっさり破るという流石の強さも見せましたが、知将舜水樹の前に徐々に山の民は追い込まれます。楊端和はそれでも士気を上げ、再結集を誓い軍をばらします。バジオウと協力しながら大量の追手を相手にしました。けれどもただ逃げているのではなく、これは時間稼ぎでもあったのです。予め用意していた別機動隊と、ばらした軍のうちの大半が、趙の城、遼陽に向かっていたのです。楊端和が舜水樹に知略で勝っていたのですね。遼陽城を落とし、壁がロゾを破る活躍も見せ、犬戎族が楊端和側についたことで戦いは決着しました。山の民が戦らしい戦で勝利を挙げたシーンであり、楊端和が武力だけではなく大将軍としての資質も兼ね備えていることが明らかになった戦いですね。
楊端和の名シーン
内容としては重複しますが、楊端和の名シーンとなるのは、王都奪還編で政と同盟を結ぶシーンでしょう。
四百年前の穆公と山界の盟が破られた時、山民族の希望は消え、秦国から様々な苦境を強いられてきました。それ故楊端和自身も、一族の無念を晴らすため、助けを求めに来た政を殺すつもりで招き入れたのですね。しかし、楊端和はその思いよりも強く「世界を広げたい」という希望を持っていました。そのうえで政の「中華統一」という夢を聞き、さらに信の祖先の見た夢を「現実のものに変えてやれよ」という言葉から、もう一度信じることにしたのですね。やはり楊端和に共通の認識があったからこそ政らの言葉が響いたのであって、別の王なら悲惨な結果になっていたでしょう。これにより政と同盟を結びますが、自ら「強固な盟」と言った通り、この玉座奪還以降も、度々、ピンチに登場しては秦国を救う働きをしてくれています。それも全て、最初の楊端和の一存から始まったことであり、このシーンはそれ以後の秦を左右する重大なシーンであったでしょう。
国境を無くすほどの規模で考えていたかは分かりませんが、世界を広げるという意味では政と同じところを見ていたわけで、楊端和が、今では秦国の他の大将軍よりも信を置ける武将となっているというのも、このシーンを読み返せば頷けますね。
楊端和のまとめ
楊端和は外見、内面、武力、知力、今のところ一見して隙が見当たりません。
いよいよ、秦の将軍として定着しつつもあります。また、同等と見られる王翦や桓騎と比べても、信頼でき、今後も重要な役を任されるシーンは増えてくるのではないでしょうか。今でも人気のあるキャラですが、もっと支持率が上がってくるかもしれませんね。
また、次々と他の山民族を取り入れていった経歴から、楊端和の求心力は非凡です。なので現時点でも特徴的な楊端和軍が、今後さらに拡大していく過程で、どんなキャラクターが入ってくるのかも気になるところですね。