数あるスタジオジブリ作品の中で、長年愛され続けている『風の谷のナウシカ』。
知らないという人はほとんどいないのではないでしょうか。
1984年にアニメ映画として公開され、スタジオジブリの礎となったといえる作品です。
映画としての「風の谷のナウシカ」が有名ですが、実は漫画が先に世に出ており、映画は全7巻ある漫画のほんの一部なんですよ。
この記事では、『風の谷のナウシカ』に登場する”クロトワ”というキャラクターについて、名シーンや名台詞を交えながらご紹介したいと思います。
悪役のようであってもどこか憎めない、そんな”クロトワ”について見ていきましょう。
クロトワの基本情報
クロトワの基本情報についてです。
性別 | 男 |
年齢 | 27歳 |
所属 | トルメキア |
上司 | クシャナ殿下 |
役職 | 参謀 |
声優 | 家弓家正 |
クロトワのそれぞれの項目について説明していきます。
クロトワの性格
トルメキア軍の参謀で、老け顔ですが27歳。
平民の出でありながら、若くして出世しているかなりのやり手で、普段はとぼけたような素振りを見せることが多いですが、常に冷静でかつ冷酷な一面もある策略家です。
クシャナからも「タヌキ」と呼ばれることもあります。それは、何も考えていないようなふりをして、実は野心家なクロトワの本性をクシャナは見破っているということですね。
そんな野心家なクロトワですが、コメディアンな一面も併せ持っていることと、コルベット(飛行戦艦)の操縦技術が超一流なことなどから部下からは慕われています。
クロトワとクシャナ殿下の関係
映画では側近としてクシャナ殿下と行動を共にしている姿が見られますが、実は原作となった漫画ではクロトワはトルメキアの王「ヴ王」から、皇女クシャナの監視と暗殺を命じられた刺客でした。
しかし、クシャナにその目的を見破られたクロトワは、このままでは殺されてしまうと思いクシャナに取引を提案します。クシャナ自身もクロトワを信用したわけではありませんが、クロトワが優秀なことは十分に理解しているからでしょう、手を組むことを決め今まで通りの仕事を行わせます。
クロトワもクシャナに対して忠誠心があるわけではないので、参謀としての仕事をこなしつつも権力自分の物にできる機会がないか常に伺っています。
そんなクロトワですが、次第にクシャナの器量を認めクシャナが王にふさわしいと考え始め、クシャナの望みを先読みして行動するようになり、クシャナが情に流されそうになるとクロトワがそれをさせなないようにするなど、クシャナを王にするべく働くようになります。
クシャナへの忠誠心も芽生え、原作ではクシャナを守る為に大けがをするという場面もありました。
クロトワとクシャナは、相手を良く理解しあった理想の主従関係なのではないかと思います。
クロトワの声優
クロトワの声優を務められたのは、声優の家弓家正(かゆみいえまさ)さんです。
2014年にお亡くなりになられましたが、ワンピースのネフェルタリ・コブラや、名探偵コナンのジェームズ・ブラックの声優等数多くの作品に出演されていました。
クロトワの名シーン・名セリフ
クロトワの名シーン・名セリフについて説明していきます。
クロトワは内に秘める野心が垣間見えるセリフを多く残しています。
『貧乏軍人の俺ですら久しく錆び付いていた野心が疼いてくらぁ』
世界を焼き尽くす力をもちながらも、朽ちていく巨神兵を見ながらつぶやいた一言で、平民出ながらも優秀な能力をもち参謀まで上り詰めたクロトワですが、王にはなれない自身を皮肉り口を出た言葉でした。
『やっと巡ってきた幸運か?それとも破滅の罠か』
クロトワが所属する部隊の最高指揮官であるクシャナが行方不明になった事を聞いたときに、密かに抱いていた野心からでたセリフです。
上司であるクシャナがいなくなったことで巡ってきた軍の参謀以上の立場を幸運と思うべきか。
それとも、このまま破滅するのか。
このセリフのあとしばらくの間、クロトワは指揮官として軍の指揮をとっていきます。
『生きてたよ。短けぇ夢だったな』
行方不明になっていたクシャナが無事に戻ってきたことにより、少しの間味わうことのできた立場が一瞬にして夢となって消えてしまったときのセリフになります。
しかし、このセリフを吐いたあとすぎに気持ちを切り替えクシャナのもとに駆け寄ります。
クシャナが戻らなければ、参謀以上の立場を得ることが出来たクロトワですが、その野心をうまく抑え上司のもとに駆け寄り従う姿からは、クロトワが策略家であることがわかります。
『 腐ってやがる・・・早過ぎたんだ!! 』
オウムの襲撃を止めるべく動き出した巨神兵でしたが、まだ未熟であったため自身の負荷に耐えきらず腐り落ちていく姿を見て、未成熟な兵は巨神兵といえども使い物にならないという軍人らしいセリフです。
クロトワは上司としても部下としても優秀な軍人
自らの野心のために王でさえも裏切る冷酷な男かと思えば、主であると決めた者のためならば自らを犠牲にする忠誠心もあり、軍人としての優秀な能力から部下たちにも慕われるその姿は、風の谷のナウシカという物語に登場する人物の中で一番人間らしさを表現していると思われます。
脇役でありながら、脇役以上の働きを見せてくれるクロトワ。
クロトワの視点でナウシカを見てみるのもいいかもしれませんね。