【風立ちぬ】里見菜穂子ってどんな人?名台詞・名シーンまとめ!

「風立ちぬ」においてヒロインを務め、作中でも大きな役割を持った里見菜穂子は一体どんな人物なのでしょうか。そんな里見菜穂子の性格や特徴、名台詞や名シーンまで全てご紹介していきます。

里見菜穂子の基本情報

【風立ちぬ】里見菜穂子ってどんな人?名台詞・名シーンまとめ!

(C)スタジオジブリ

里見菜穂子の特徴

菜穂子は、東京の代々木に住む資産家の令嬢です。初登場は、まだ幼く10代前半の女学生として現れました。お絹というお手伝いと一緒に列車に乗っていて、服装も綺麗なことからある程度の財力のある家柄であることが伺えます。その2年後にはとても美しく成長した姿を見せています。趣味は画を描くことで、軽井沢で二郎と運命的な再会をした時にも外でキャンパスに描いていました。

とても明るく純真な性格ですが、少しお転婆な一面もあり、芯のある強い女性でもあります。度々、父の反対を説得して二郎との交際を始めたり、二郎と結婚して幸せになる為に療養所に行くと言ったりします。ジブリ作品内で歴代ヒロインが劇中で亡くなるのは「火垂るの墓」の節子以来となっています。

里見菜穂子の病気

菜穂子の病気は本人も自覚している通り、結核に罹っています。現在の医療では治すことができますが、時代設定をされた当時は結核という病は、今で言うガンのようなものでほとんど死亡宣言と同じでした。

当時は結核の有効治療法がなく、山の澄んだ冷たい空気を吸って栄養を補給して安静に過ごすことが有効な治療であると信じられていました。それは大気安静療法と呼ばれていました。劇中で病気が悪化して喀血までするようになってしまいます。そこで菜穂子は二郎と幸せになる為の治療を行うとして、高原の療養所へ行くことを覚悟します。

それは山にある療養所の屋外のベッドで毛布に包まって一日中過ごすだけという孤独な生活でありましたが、それを乗り越えてでも結核を治そうとしていました。しかし、もう時間がないと悟った菜穂子は療養所を抜け出して二郎と過ごします。

里見菜穂子のモデル

里見菜穂子は、堀越二郎のモデルである堀辰雄が出逢った矢野綾子がモデルとなっている。矢野綾子は、菜穂子と同じく油絵を描き、結核を患っていました。そして、実際に堀辰雄と婚約し、富士見高原療養所に入所した点は同様ですが、異なる点は矢野綾子は施設で病死しているということです。

名前の由来は、堀辰雄の書いた小説である「菜穂子」からになります。

里見菜穂子の声優

里見菜穂子の声を担当したのは、瀧本美織さんという女優です。小学生時代より芸能界に興味を持ち、ダンススクールなどに通う為に高校卒業まで仕事やレッスンの度に上京し、芸能活動を始めていました。当初は、ダンス&ボーカルユニットSweetSのメンバーであり、歌手としてデビューしました。こちらは2008年にベストアルバムを出して解散したものの、2010年公開の「彼岸島」でヒロイン役を演じ、女優デビューを遂げます。

代表作はである2010年NHK連続テレビ小説「てっぱん」や人気韓国ドラマのリメイク版となる「美男ですね」や2013年「妻は、くノ一」などでは、主演を務めました。実は「かぐや姫の物語」オーディションを先に受けて落選しましたが、高畑勲が宮崎駿監督に推薦して決まった役でした。

里見菜穂子の名台詞・名シーン

「生きているって素敵ですね」
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(C)スタジオジブリ

二郎と菜穂子は運命的に再会を遂げるものの、大雨で濡れてしまうが、雨がやみ太陽が雲の向こうから出てくる時には虹が空にかかっていました。奇跡の再会を祝福するかの様な天候の移り変わりを見て、菜穂子は自分自身が生きているということへの素晴らしさを口にしました。結核に侵されて遠くない内に死ぬことが分かっている菜穂子が心の底から感じた台詞でした。

「私、治りたいの。二郎さんと一緒に生きたいの」

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(C)スタジオジブリ

結核が進行して喀血することもあった菜穂子は、高原にある療養所に行くことを決意したシーンでした。父には1人で寂しい所に行くのかと嫌な顔をされます。それでも、そんな菜穂子を心配して仕事を切り上げてまで菜穂子の元にやって来た二郎と一緒に生きたいという菜穂子の意志の強さが現れるシーンでした。

「あなた生きて、生きて」

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(C)スタジオジブリ

二郎が空に舞う飛行機を見上げ、菜穂子が二郎に送った名台詞です。若くして妻を亡くし、自らで設計した飛行機も戦争で無くし、もはや生きる意味を失った二郎でした。しかし、菜穂子の言葉を聞いて改めて二郎は生きることについて考え直します。映画のラストであり、見せ場となる名場面でもありました。

どこまでも諦めないヒロイン

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(C)スタジオジブリ

菜穂子は結核という当時は治せなかった病に体を犯されながらも、強い意思を持って最後まで懸命に生き続けました。それは愛する二郎と共に生きたいという切なる願いからでした。病気を治そうと足掻き、短いながらも二郎と結婚生活を送ることができました。

そんな切なくもたくましさもある菜穂子は若くして亡くなりましたが、飛行機ばかりにしか興味のなかった二郎の人生に変化を与えました。