「となりのトトロ」の序盤から登場し、メイやサツキを困惑させたまっくろくろすけとは、一体どういう存在なのでしょうか。「千と千尋の神隠し」にも少し違ったまっくろくろすけがします。
2種類のまっくろくろすけの共通点や相違点も含めて、まっくろくろすけの正体や名シーンについて紹介します。
まっくろくろすけの基本情報
名前 | ススワタリ(煤渡り) |
別名 | まっくろくろすけ |
性別 | 不明 |
年齢 | 不明 |
大きさ | 子供の手のひらサイズ |
まっくろくろすけの正体
まっくろくろすけは、長らく人の住んでいなかった家に、群を成してひっそりと住んでいました。
その正体は、空き家を管理していたおばあちゃんによると、「ススワタリ」と呼ばれる存在でした。おばあちゃん曰く、妖怪のような恐ろしいものではなく、ニコニコしていれば悪さもしないそうだ。
まっくろくろすけは、人気のない家に住み着き、煤と埃まみれにしてしまいます。サツキとメイの住む家も例外ではなかったので、2階に登った2人の手足は真黒になってしまいました。
まっくろくろすけの性格・行動
まっくろくろすけは、人のいない所を好みます。サツキ達が引っ越してきて生活スペースとなった場所は日の光が入っていたので、暗い場所の隙間に入り込んでいました。
しかし、人間との共同生活を望んではいないようで、その日の夜にはまっくろくろすけの群れは空に飛び立って行きました。それはおばあちゃんがいつの間にかいなくなると言った言葉のままでした。
まっくろくろすけが、月の輝きと共にプカプカと空高くを浮かんで飛んで行く様子は、とても不思議です。人間には無害で何もしてきませんが、急にやって来たサツキやメイには驚いて出て行ったのかもしれませんね。
「千と千尋の神隠し」のススワタリ
こちらのススワタリ(まっくろくろすけ)は、湯屋のボイラー室を管理する釜爺(かまじぃ)の元で仕事をしています。「となりのトトロ」のまっくろくろすけとは異なり、細長い手足の生えていることが特徴です。その手足を上手く使ってボイラーに石炭を持ち上げて運び入れます。
魔法の力で煤から生まれ、常に働いていないと消えてしまいますが、そうなってもまた生まれるようです。休憩時間になると、食事として釜爺から金平糖を貰っています。
こちらのススワタリは、同じく湯屋で仕事をする主人公の千尋の為に、一時的に靴や服を預かる優しさや千尋のの行動を真似た坊の動きを見て、集団で楽しむことがあります。また、出掛ける千尋を見送るのに飛び上がる姿も見られます。
「となりのトトロ」のまっくろくろすけに比べると、表情が豊かなことが分かります。
まっくろくろすけの声優
まっくろくろすけは話すことがありません。他に話せないトトロやネコバスには声優がいますが、まっくろくろすけには担当の声優はいません。「千と千尋の神隠し」でも同様です。
それでは、劇中のまっくろくろすけの不思議な声は誰なのかというと、金曜ロードショーの公式Twitterで明かされています。
アフリカのピグミー族の「ア」の音を、音楽担当の久石譲さんがサンプリングして作り出したもののようです。
まっくろくろすけの名シーン
「となりのトトロ」と「千と千尋の神隠し」におけるまっくろくろすけの名シーンを紹介していきます。
「となりのトトロ」のまっくろくろすけ達はひっそりした2階の隙間に潜り込みましたが、好奇心旺盛な4歳のメイによって、隙間に指を入れられて出てきます。そうしてメイに見つかってしまい、その内の1匹は完全に標的にされてしまいます。そのまっくろくろすけは蚊を捕まえるかのように、メイの両手で潰されてしまいます。
「とった!!」と喜び、両手の平を合わせたままサツキの元へ行って手を開くと、ただ手が黒くなっているだけでした。メイの無邪気故の残酷さと、叩かれたまっくろくろすけがどうなるか分かる名シーンでした。
もう1つの名シーンは、「千と千尋の神隠し」からです。ボイラー室で働いた褒美に、食事として金平糖を与えられます。
金平糖が好きなのか、休憩が好きなのか分かりませんが、とても喜んでいる様子が分かります。「となりのトトロ」を含めてもススワタリの喜ぶ様子は描かれなかったので、新鮮味があります。
いが栗の様に黒いススワタリがカラフルな金平糖を持っている姿も愛らしいですよね。また、手足があることで更にユニークさやススワタリの個性のようなものが垣間見ます。
不思議なまっくろくろすけ
「千と千尋の神隠し」のススワタリ達には湯屋で働くという役割を担っていますが、「となりのトトロ」のまっくろくろすけは何の目的で空き家に集まっていたのか分かりませんでした。両者が生まれた理由についても不明です。
謎ばかりのまっくろくろすけですが、その登場によって心の和むシーンや驚きのシーンは多くあります。また、登場するだけでも可愛らしいキャラクターなので、マスコットとしているだけでもジブリ作品を際立たてせてくれる存在と言えるのではないでしょうか。