【もののけ姫】ヤックルはアシタカの最高のパートナー!カモシカではなく想像上の生き物?

「もののけ姫」は1997年に公開されたジブリ映画作品の一つで、日本で20世紀最高の興行収入193億円を達成し、当時の記録も塗り替えました。

キャッチコピーも「生きろ」、映画ポスターの口元が血だらけのサンの姿がとてもインパクトが強く当時多くの人が衝撃を受けた作品になります。

今回はそんな「もののけ姫」に登場する、アシタカの相棒【ヤックル】についてのご紹介をしていきたいと思います。

ヤックルの基本情報

【もののけ姫】ヤックルはアシタカの最高のパートナー!カモシカではなく想像上の生き物?

(C)スタジオジブリ

ヤックルの基本情報をご紹介していきます。

ヤックルの見た目と性格

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生か死か、そして「生きろ」というテーマでシビアに描かれる物語の「もののけ姫」そんな中にあってほっとする雰囲気を持っているのがこのヤックルです。

どんな窮地にあっても常にアシタカを守ろうと必死で、それでいてアシタカの命に忠実に従います、もはや使役動物というよりは相棒に近いほど深い中にあるアシタカとヤックルです。

そんなヤックルの見た目は鹿のようですが鹿ではありません、作中に登場するジゴの古書の中で「アカシシに跨り、石の矢じりを使う勇壮なる蝦夷の一族あり」と記されており、ヤックルはアカシシという事になります。

アカシシは大カモシカの事ですがその角はエランドやアイベックス、ブルーバックなどの酷似していますが、実際にはこのような動物は存在せず架空の動物とされています。

また、もののけ姫以前にもこのヤックルと全く同じ絵柄で宮崎駿監督の描く「シュナの旅」というファンタジー絵物語にも出てきています。

性格は温厚で、主人(相棒)であるアシタカの命に忠実で、身の危険を感じようともアシタカを見捨てず指示に従うとても健気ですが信頼感のある動物です。

ヤックルの性別

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ヤックルの性別については映画内でも公式でも公表はされていません、さまざまな情報を検証した結果、メスである可能性は高いと考えています。

映画内での一連の動作や、大人のような自身を主張しすぎないそして主に忠実でアシタカを想う健気な姿はメスの要素を多分に含んでいます。

さらにはアシタカ以外にはなかなか心を開かないヤックルも、サンとはすぐに打ち解けて心を通わせていた場面を見ると、やはり女性ならではのコミュニケーションや通じるものがあったのではと考えられます。

しかし、やはり遇蹄類としてアカシシとしての角はオスとしての決定的な情報と言われています、メスにはあそこまで立派な角は生えないとされているからです。

それでも、アカシシ「ヤックル」の存在は架空のものとされているため、そのオスの姿はもっと角が立派なんてことも考えられオスを確定させるには少し弱い気がします。

映画内でのあのしなやかな動きはとても美しく、メスらしさを表現しているのではないかと思ってしまうシーンも多いです。

ヤックルの名シーン・名場面

ヤックルの名シーンや名場面をご紹介させていただきたいと思います。

「最高の朝」

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アシタカが村を出てから、ヤックルと共に走っているシーンがあります。真夜中に走り始めてからしらじらと夜が明け始めます、それと同時に壮大な音楽が盛り上がっていきます。

背景自体もとても綺麗な夜明けの風景でとても壮観です。そこに速さとしなやかさを兼ね備えたヤックルの走る姿はとても印象的です。

そして、このシーンには様々な意味合いが込められています。このシーンで宮崎駿監督は音楽の担当の久石譲と背景の担当者にわざわざ特別な注文をしたと言います。

「今、アシタカの心の中は、絶望と怒りと悲しみで真っ黒です。そんな彼には最高の朝をあげたいんです」というもので、そのリクエスト通りこのシーンは最高の美しさと壮大な景色と音楽がとても魅力的です。

アシタカは礼儀正しいから「村から出ていけ」と言われたら「はい。わかりました。」と言って素直に出ていったんだけど、心の中は「なんで俺がこんな目に遭うんだ!?俺は村を助けたじゃないか!女の子を助けたじゃないか!」という気持ちでいっぱいなんです。

やりきれなさで震えるくらい腹立たしくて、哀しくて、ガタガタしてるんですよ。と岡田斗司夫さんは解説してくれています。

アシタカ「モロ、森と人とが争わずに済む道はないのか?本当にもう止められないのか?」

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(C)スタジオジブリ

アシタカとモロとの会話になります。サンを開放するようモロに懇願するシーンですがこのシーンにはアシタカとヤックルとの関係も大きく関わっていると思います。

ヤックルとアシタカの姿は自然と人間との理想の形と感じます、主従関係があるにしろあそこまでの信頼関係は本当の相棒として共に過ごしてきた姿が容易に想像できます。

この二人の関係があるからこそ、エボシ御前やジゴ坊の人間の気持ちも、山犬達の自然の大切さもどちらの気持ちもわかり共存する道を見出したアシタカだからこそこの戦いの無益さを感じていたのかもしれませんね。

まとめ

作中でも羨ましくなるほどのヤックルとアシタカの関係、元々狩猟民族としての古い関係性はあるにしろ本当に信頼し合ってアシタカの為に健気に従う姿はとても印象的です。

走る姿もとても美しくしなやかで、次回見る時にはこのヤックルの心情や動きなどに注目してみるとまた、新たな楽しみが産まれると思います。