「ジョジョの奇妙な冒険 第5部~黄金の風~」にて、ブチャラティ率いるギャングチームの一員であるレオーネ・アバッキオは、仲間の中で最初に死んでしまう人物として、そしてその衝撃的な死にざまが、我々に強いインパクトを与えています。
警戒心が強くクールな印象のアバッキオですが、彼が持つ意外な過去、秘めたる熱い想いについて語り継がれる名シーンなど、改めてご紹介したいと思います。
レオーネ・アバッキオとムーディー・ブルースの基本情報
名前 | レオーネ・アバッキオ |
性別 | 男 |
所属 | 不明 |
種族 | 不明 |
(スタンド名、能力) | ムーディー・ブルース |
必殺技 | 再生(リプレイ) |
年齢/誕生日 | 21歳/1980年3月25日 |
身長 | 188cm |
声優 | 諏訪部順一 |
初登場 | ジョジョの奇妙な冒険 第5部 ~黄金の風~ |
その他 | スタンド名は、イギリスのバンド『The Moody Blues』が由来 |
レオーネ・アバッキオの特徴
レオーネ・アバッキオは、ブチャラティ率いるギャングチームの一員であり、トレードマークは、肩にかかる長髪と、190㎝に近い長身、そして軍服のような規律正しい服装です。
何より一番に目を引くのは、紫の唇でしょうか。
一見「女性?」とも思われる風貌ですが、チーム内最年長ということもあり、ブチャラティも一目置く頼りになる兄的存在です。
彼のスタンドは「ムーディー・ブルース」。
格闘向きではありませんが、緻密さでは群を抜いています。
のちに出てきますが、元警官ということもあり、度胸と腕っぷしは、かなり強いようです。
レオーネ・アバッキオの性格
基本的に他人と馴れ合うことがなく、ましてや他人を簡単に信用しない孤高の人物ですが、一度信頼した人物にはどこまでも忠実であり、実直な性格です。
特に、自分を救ってくれたブチャラティには絶対の信頼を寄せており、反面、新入りのジョルノ・ジョバーナには、心を許すまでに相当な時間を要しました。(あの有名な「アバ茶」は、アバッキオのぶっちぎりの切れっぷりを表していますね。)
その警戒心の強さは仲間を守ることに繋がり、アバッキオの慎重な性格を物語っているとも言えます。
後述しますが、アバッキオはもともと正義感溢れる警察官であり、嘘や裏切りが大嫌いでした。
その「正義の心」は、ギャングになってからも、アバッキオの心の根底に在り続けたのです。
ムーディー・ブルースの特徴
見た目は、全身ゴム状被膜に覆われた人型スタンドで、額にデジタル表示のビデオタイマーが付いており、目はスピーカーのようになっています。
能力としては、特定の場所や人物を指定し、そこで過去に起こった出来事を「再生リプレイ」することができ、さらに、そこにいた人物や動物・スタンドになりきることも可能。(※ただし、スタンドの能力までは再現できない。)
「再生リプレイ」中は、ビデオの巻き戻しや早送りのように、自由に何度も再生調節ができるため、追手のスタンドやボスの能力についての手掛かりを掴む際にはうってつけの能力でしょう。
作中でも多くの局面で能力を発揮し、チームをサポートしました。
ムーディー・ブルースの弱点
戦闘能力が低く、さらに、「再生リプレイ」中は攻撃も防御もできないため、非常に無防備な状態になります。
また、指定する時間が現在と離れていればいるほど、「再生リプレイ」を行うのに時間がかかります。
ボスの若かりし頃の出来事(十数年前)を突き止めるために、通常なら8分程度の時間を要するようですが、この時はボスのブチャラティに「5分でやれ」と急かされていました。
多少なら気合で巻くことが可能なのかもしれません。
そして、結果的に、この致命的な弱点のために命を落とすことになってしまいます。
レオーネ・アバッキオの警察官時代と同僚
アバッキオは、高校卒業後、街の人々を守りたいという純粋な情熱のもとに警察官になりました。
しかし、アバッキオが理想としていた人々の生活は、実は腐敗しきっていて、それは警察内部にも浸透していたのです。汚職・賄賂は普通にまかり通り、警察官も悪事を取り締まらず見て見ぬふり。
守ろうとしていた人々さえ犯罪者の予備軍のような現状にアバッキオは激しく失望し、その喪失感から、次第に理想や正義感を失っていきました。
やがてアバッキオ自身も汚職に手を染めてしまい、それがもとで相棒だった同僚を死なせてしまう悲劇が起こります。
「汚職警察官」であり「同僚を死なせた男」に成り下がってしまったアバッキオは、一生消すことができない罪を背負いながら堕ちに堕ちた生活を送っていましたが、ブチャラティの勧めでギャング組織に入団することになりました。
レオーネ・アバッキオの最期
許せない理由があるとはいえ、ボスを裏切ってしまったブチャラティたちは、ボスから命を狙われる危機的状況に陥ります。
トリッシュの微かな記憶を辿り、かつてボスがトリッシュの母親と恋に落ちたサルデーニャ島で、ボスの正体を探ります。
絶対的に頼りになるのが、アバッキオのスタンドであるムーディー・ブルースの「再生リプレイ」能力だったのですが、危機的状況にあるのはボスも同じ…。
ドッペルゲンガーとなったボスの化身が、アバッキオの腹を貫きました。
瀕死の状態でありながら、最期の力を振り絞ったアバッキオとムーディー・ブルース。
ボスの素顔を、指紋を、デスマスクとしてブチャラティたちに残したのでした。
レオーネ・アバッキオの声優について
TVアニメ版「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」で、レオーネ・アバッキオの声を担当しているのは、諏訪部順一さんです。
声質はバリトンで、アニメ声優として少年から大人まで様々な役を演じ分け、活躍は多岐にわたっていますね。
なんと、諏訪部さんは「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース」で、テレンス・T・ダービーの声を担当していらっしゃいます。すごい偶然ですね!
レオーネ・アバッキオの名シーン・名言
ここでは、レオーネ・アバッキオの名シーン・名言の紹介をしていきます。
「オレももともとよォ~ 行く所や居場所なんてどこにもなかった男だ…この国の社会からはじき出されてよォー オレの落ちつける所は…ブチャラティ あんたと一緒の時だけだ…」
ブチャラティがボスを裏切った!
命を狙われる危険が差し迫る中、裏切りの理由を説明する時間さえ与えられない緊急時に、アバッキオは上の台詞と共にブチャラティのボートに乗り込みます。
それは、死ぬかもしれない運命をブチャラティとともに全うしようとする覚悟と、アバッキオの根底にある「真実に向かおうとする意志」が交錯した瞬間でした!
「アバッキオ…おまえはりっぱにやったのだよ… そう… わたしが誇りに思うくらいりっぱにね…」
レオーネ・アバッキオはムーディー・ブルースの再生中、ボスに一撃のうちにやられてしまい、読んでいる私たちにも衝撃と喪失感が走りました。
その続きのシーンがこちらです。
とあるレストランで、ガラスの破片から指紋を採取しようとしている警察官。
その行いを虚しく感じたアバッキオは、報われない行動に疑問を投げかけます。
警察官は誇りを持って答えます。大切なのは、真実に近づくこと…遠回りしても、いつかは辿り着けると信じる意志だと。
その言葉を全身全霊で感じるアバッキオ。
そしてその警察官は、なんと、アバッキオのせいで殉職してしまった同僚だったのです。
その彼が、悔やみ悶えるアバッキオに投げかけるのが、この名言です。
レオーネ・アバッキオの執念が、ボスへの道筋を照らすッ!…そしてその魂は真実へと向かう。
正義感をみなぎらせて警察官になったアバッキオは、悪の誘惑に負けて、落ちるとこまで落ちてしまいました。取り返しのつかない過去は消えることはありません。
しかし、同僚への懺悔の気持ちと贖罪の日々を送るアバッキオを、信頼できる仲間が救いました。
アバッキオの根本にある正義感、真実へ向かう意志は、ボスへの道筋をはっきりと照らしたのです。
アバッキオの死に顔はその魂と同様誇り高く安らかで、ブチャラティたちの心に、そして私たち読者に、永遠に刻まれました。