慶舎です。「沈黙の狩人」という異名も持つ趙国随一の本能型の将軍です。派手さはないですが、徐々に相手を追い詰め自らの作戦にハメる、非常に不気味な将軍です。
李牧も信頼を寄せる慶舎の実力は確かで、秦の大将軍レベルの武将をも苦戦させる活躍をしました。
ここでは慶舎の情報やこれまでの活躍を見ていきます。
慶舎の基本情報
慶舎の基本情報についてまずは簡単に紹介します。
名前 | 慶舎 |
性別 | 男 |
所属国 | 趙 |
所属軍 | 李牧軍 |
声優 | 平川大輔さん |
初登場 | 26巻 |
26巻の合従軍編にて初登場です。ここで李牧により、慶舎の情報が分かります。「沈黙の狩人」という異名の本能型の将軍であり、李牧が「私が最も恐ろしいのは彼です」とまで言います。実際、模擬戦では何度か李牧を負かすこともあったようです。
見た目の特徴は団子状にまとめた髪で、幾何学模様を好んで使用しています。他の武将には見られないお洒落な印象を与えますね。体格はそこまで大きくなく、武力よりも知略で戦うタイプです。
声優は平川大輔さんが担当されていて、ジョジョの奇妙な冒険の花京院等、色っぽい声が特徴です。
慶舎の史実における情報
慶舎の史実における情報ですが、史実にも登場する人物で、作中同様趙の将軍です。
しかし、作中のような活躍をしたかは不明のようで、紀元前256年に秦の信梁を破ったこと以外には特に目立った功績が見当たりません。その後は東陽と河外の軍勢を指揮し黄河の橋の防衛に努める等、そのあたりは作中の知将のイメージと合致するかもしれません。
慶舎の活躍や、最期については作中オリジナルの可能性が高いです。
慶舎のこれまでの活躍
慶舎のこれまでの活躍を紹介してきます。
初登場26巻
まず慶舎は麃公軍と対峙します。麃公は言わずと知れた本能型のトップの武将です。しかし、李牧は慶舎を信頼していました。実際に、慶舎は麃公が攻めてきてもじっと構え趙軍の気配を掴ませず、それに違和感を麃公が覚えたところに、餌を巻き、それに釣られた麃公をまんまと背後から急襲するという作戦でハメました。信が活躍したことで麃公軍は盛り返しましたが、あの歴戦の猛将麃公を追い詰めたのは、慶舎の実力が只者ではないと分かります。
この場面により、慶舎は同じ本能型でありながら麃公とはタイプが違い、自らが動くのではなく、相手を動かし、張り巡らせた罠の中に入り込んできたところを狙うというスタイルを戦術としていることが明らかになりました。李牧はその戦いぶりを蜘蛛の巣のように例えています。
桓騎と対決
次に慶舎が登場するのは、黒羊丘編で、そこでは総大将を務めます。
秦の桓騎軍との対戦で、丘の占拠がカギとなる戦いでしたが、桓騎軍から送り出された飛信隊が趙の副将紀彗の軍に翻弄され遅れを取ります。それを見た桓騎が盤上の挽回を図って強力なゼノウ一家、雷土軍を動かしましたが、これが慶舎の罠にかかります。慶舎は桓騎が大きな手を出してくるのを待っていたのです。慶舎は精鋭部隊を引き連れ雷土、ゼノウらの軍を分断させ、完全に孤立無援の状態にし、たたき潰そうとしました。初日から桓騎軍の片腕となる軍を危機に追い込んだのです。しかし、雷土たちは野盗団独特の逃走手段を用い、慶舎の罠から逃げました。
慶舎の名シーン
ここでは慶舎の名シーンを紹介します。
黒羊丘戦の三日目、桓騎軍は丘を占拠できるに、絶好のチャンスを得ました。慶舎としては再度、桓騎を罠に仕掛ける機会でしたが、桓騎はその日一切の動きを見せませんでした。四日目、慶舎は気配を掴ませない桓騎への怒りをあらわにし、飛信隊を討ちに出ます。しかし、これが桓騎の作戦だったのですね。慶舎は本来自らの網の中に獲物が来るのを待つはずが、自分から狩りに網の外へ出てしまったのです。そこを桓騎軍のゼノウ一家が仕留めにかかったところを、紀彗・離眼軍が想像以上の力を発揮して、慶舎は窮地を切り抜けます。しかし、ここで慶舎は桓騎の恐ろしさを知ったとともに、桓騎の弱点も同時に見つけていました。この桓騎の弱点は未だ明らかにはなっていませんが、作中で現在それに気付けたのが李牧と慶舎の2人だけであり、慶舎の戦術眼の高さが伺えます。
しかし、桓騎の弱点が分かり、その準備を整える前に飛信隊が攻めてきました。ここでどちらかと言えば知将としての強さが目立っていた慶舎が武力にも優れていることが分かります。体格が華奢ながら信を弾き飛ばします。しかし、ここでの慶舎の誤算は信の成長速度であり、思っていた以上に信が強かったのですね。激しく斬り合いますが、最後は信にやられます。慶舎が立て直し、桓騎の弱点をどう突くのかも見たかったですね。
慶舎のまとめ
慶舎は李牧が認めた将軍だけあり、知力、武力、性格、どれを取っても欠点が無く、桓騎の作戦と信の爆発力に敗れはしましたが、非常に強いキャラクターでした。
ほとんど表情も変えず蜘蛛の巣のように張り巡らせた罠に相手がかかるのをじっくり楽しんでいる姿は恐ろしいものがありましたね。作中では既に戦死しましたが、強さ、不気味さ、と記憶には残りやすいキャラクターではないでしょうか。