騰は元王騎の副官です。
王騎の死後は、王騎軍を率いて動きます。個人的な野望や、戦を楽しむ武将とは異なり、大将軍にも任命され、若手の育成等、秦国の先行きをも考えて行動する、非常に信の置ける人物です。
戦以外の場面では、ユーモラスな言動も多く、人気を集めるキャラクターの1人です。
ここでは騰の活躍、名言を中心に見ていきます。
騰の基本情報
まずは騰の基本情報を簡単に紹介します。
所属国 | 秦 |
地位 | 王騎軍副官→大将軍 |
初登場 | 4巻 |
声優 | 加藤亮夫 |
4巻から登場しています。王騎から受けた指示をそのまま部下に伝えようとして、「あなたに言ってるんですよ?」と言われるというくだりが初登場のシーンでした。
中世ヨーロッパの音楽化のような気品と力強さを兼ね備えた顔つきをしています。表情を崩すこともほとんどありません。
王騎の副官として仕えていた頃は、王騎の言葉に対し、「ハ!」と答える場面が多く、非常に強い忠誠心を持っていたことが伺えます。
副官としての姿勢もさることながら、王騎自身が、「騰の実力は自分に見劣らない」という旨の発言をしていたことから戦の実力も折り紙付きです。武器は剣を使用しますが、螺旋状に弧を描くように剣を振り回し、敵を圧倒していきます。そのときにの「ファルファル」という擬音が特徴的ですね。
騰の史実における情報
騰の史実における情報ですが、騰は史実上でも登場した人物のようです。ただ、記録があまりなく、騰の最期について等、分かっていないことも多いようです。
史実上でも活躍したのは確かなようで、韓を滅ぼすという大きな功績を残しています。また意外なのが、咸陽にて文官としても仕えたという点です。史実では将軍としてだけでなく秦国の内政においても騰は活躍したようです。作中では王騎の副官、将軍というイメージが強いですが、騰の過去についてはまだ明かされていませんし、秦の今後を考えた時騰がどう動くのかは分かりません。王騎が政と中華統一を見ていたことから、騰も政との交流の機会を今後持つのかもしれません。
史実の内容を踏まえると、騰はこの先もまだ登場が期待できそうです。
騰のこれまでの活躍
騰の名言や名シーンについて解説します。
副官としての騰
(画像は王騎を救出するシーン)
趙攻略編にて、14巻、ついに秦国総大将王騎が出陣するのですが、騰も帯同します。趙の将軍、渉孟を相手にしますが、出陣前に同じ王騎軍の鱗坊が渉孟の底知れぬ危険性を騰に伝えます。しかし、翌日の出陣では騰は王騎に付いて行くだけです。そしてあっさり王騎は渉孟を討ちます。このときの騰の独白が、「強さの底が知れぬのは、我らの殿の方だ」というものでした。騰からすると、鱗坊の忠告は全くの杞憂だったのですね。王騎に対する絶大な信頼が伺えます。
16巻で王騎が龐煖に討たれます。止めの一撃を龐煖が刺そうとした時、騰がその矛を受け止めます。この時の騰の血走った目は印象的ではないでしょうか。ポーカーフェイスの騰が唯一見せた激昂の表情です。この時すぐに騰が指揮を取り、王騎の退路を確保し、自らが敵本陣へ突撃、戦局を最悪の事態から回避させました。その後、王騎から最後の言葉を受けますが、騰はいつも通り「ハッ」と一言答えます。握った拳から血が出る描写から、込み上げる感情があったと思われます。
将軍としての騰
王騎の死後は騰は将軍として活躍するようになります。合従軍編では、蒙武と共に楚軍を相手にし、楚軍第一将、臨武君と対峙します。楚軍からは、面と向かえば勝てる者はいないと評されていた臨武君を、終始圧倒する内容で勝利しました。
著ヨウ編では援軍として飛信隊、玉鳳隊を呼び、、王賁の立てた作戦を騰は採用します。これは騰に思惑があってのものでした。中華統一を担える武将が秦にはほとんどいないと見ていました。そこで、中華の注目が集まる魏の呉鳳明と自分の戦を、秦の若い武将が一角を表す一戦だと位置づけたのでした。それにより、王賁、信が主攻となってこの戦を進めることなり、実際に二人ともが五千人将に地位を上げます。騰が他の武将よりも俯瞰的立場でものを見ているというのが分かります。
騰の名シーン
騰の名シーンといえば、名言がいくつかあるので紹介します。
「確定的なことを言っておいてやろう蒙武、我が主であった大将軍王騎の死はお前を強くした、そしてー私は元から強い」
合従軍編にて、騰と蒙武の連合軍の作戦は楚の第一将を騰が討つことが絶対条件でした。蒙武はその役を騰が果たせるのかと問うた時の一言です。このやり取りの前に、騰は王騎のモノマネをしていました。それが一転して、この台詞を吐くのですから、そのギャップがかっこいいですね。そして有言実行、先述したように楚の第一将臨武君を破ります。
「私には中華をまたにかけた大将軍王騎を傍らで支え続けた自負がある」
(画像はこの台詞の後、臨武君を討つシーン)
臨武君との一戦にて放つ台詞です。この台詞には敵も味方も何も言うことが出来ず、ビッグマウスの臨武君をも思わず黙らせました。実際に騰の将軍としての最大の強みでしょう。後に、魏の呉鳳明も騰の最も厄介な所はその「経験」だと述べています。騰の深みのある人物像の謎はこの台詞が反映された結果なのかもしれません。
「ハ!」
(画像は14巻、「ハ!豚の発想です」の台詞が出るシーン)
「ハ!実のない所に制度を作っても意味がありません」「ハ!云々言いすぎです」等、王騎の言葉に対する騰の返しは小さく書かれていますが、興味深いものが多いです。また、王騎がいなくなってからはこれらは聞けなくなりましたが、代わりに「コココ」や「ンフフフ」と王騎の独特の笑い方や口ぶりを真似するシーンが見られるようになりました。騰の小さな吹き出しには注目です。
騰のまとめ
騰は大将軍という地位とその人間性から、秦を背負って立つ武将の1人でしょう。ポーカーフェイスなためどこから本気でどこまで冗談なのかも分かりません。戦においてもそうで、まだ全力を見せてなさそうな雰囲気もあります。本来そういったキャラは不気味な存在になりがちですが、信頼できてしまうのが騰の魅力の1つでしょう。今後も騰の面白い言動、大将軍としての活躍が期待されます。