『まじっく快斗』の主人公であり、『名探偵コナン』に登場するキャラクターである、怪盗キッド。
2005年「週刊少年サンデー」誌上で行われた『名探偵コナン』公式人気投票、ベストキャラクター部門で3位、2008年Yahoo!JAPAN「名探偵コナン特集」のキャラクター人気投票では1位、また2011年には、TV&劇場版15周年記念として公式サイトで行われた人気投票では2位を獲得するなど、『名探偵コナン』では本来ゲストキャラの扱いでしたが、登場が増えるにつれ主要キャラの1人として数えられようになります。
そんな人気のある、怪盗キッドとは何者なのか、その正体とは?新一との関係も含め、紹介します。
怪盗キッドの基本情報
年齢/誕生日
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17歳/6月21日
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正体 |
黒羽快斗
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職業・所属
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江古田高校2年生
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容姿
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全身白のシルクハットにタキシード マント モノクル
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性格
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ポーカーフェイス キザで二枚目
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家族構成
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好きなもの
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チョコレート アイスクリーム
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苦手なもの
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魚類 アイススケート 小泉紅子
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好きな人
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声優
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山口勝平
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怪盗キッドの性格と容姿
性格
『名探偵コナン』では協調されている、ポーカーフェイスかつキザで二枚目ですが、本来は明るくやんちゃでムードメーカー的存在です。
エンターテイナー気質で、学校ではよくマジックを披露しています。
また、かなりの問題児なようで、教室を走り回ったり、マジックと称して窓から早退しようとする場面もあります。
怪盗として様々な盗みを成功させているため、ファンができるほど市民から半ばアイドル的な扱いをされ、調子に乗って自惚れるという一面も見せます。
調子に乗って、自ら危険な状況に陥る場面も多々あるようです。
容姿
『名探偵コナン』作中で、新一に変装することもある怪盗キッドですが、変装しなくても周囲を騙せるほど瓜二つな顔を持つイケメンです。
普段時は癖毛が特徴ですが、怪盗キッド時は全身白のシルクハットとタキシード、マントにモノクルを付けています。
怪盗キッドの正体
怪盗キッドの正体は、江古田高校に通う高校生である黒羽快斗。
初代怪盗キッドは父である、黒羽盗一が謎の組織に殺害された後、自宅の隠し部屋を見つけたことで、父親が怪盗キッドであった秘密を知ります。
「父の死の真相の究明と敵討ち」を目的に、父の後を継いで二代目怪盗キッドとなり、世間を騒がせます。
二代目怪盗キッドとなった当初は、絵画や彫刻など様々な美術品を標的としていましたが、「パンドラの発見と破壊」が目的に加わってからは、ビックジュエルを標的にすることが多いようです。
怪盗キッドの家族構成
黒羽 盗一(くろば とういち)
二代目怪盗キッドである黒羽快斗の父であり、初代怪盗キッド。
世界的有名なマジシャンで「東洋の魔術師」と謳われていましたが、マジックの最中に亡くなります。表向きは不慮の事故死とされていますが、実際は、伝説のビックジュエル「パンドラ」を狙う組織によって殺害されています。
キッドとして、新一の父である優作と対決し、互いをライバルと認めています。
黒羽 千影(くろば ちかげ)
快斗の母であり、夫の盗一と出会うまでは、昭和の女二十面相と謳われた「ファントム・レディ」として活動していました。
龍馬展で盗んで以降は表舞台から姿を消していましたが、怪盗を辞した現在も、息子の快斗に自分の仕事の後始末をさせることもあります。
快斗は、盗一が亡くなってから母親の千影と暮らしていますが、母親である千影が何らかの事情で海外に行っているため、現在はひとり暮らしです。
怪盗キッドの名前の由来
怪盗1412号が元々の呼び名。シークレットナンバーだったが、若手小説家だった工藤優作が新聞記者の殴り書きした「1412」を「KID.」と読んだのが世間に定着したことから「怪盗キッド」と呼ばれるようになります。
怪盗キッドの正体を知る人物
寺井 黄之助(じい こうのすけ)
ビリヤード場「ブルーパロット」の経営者で本人も超一流のハスラー。
初代怪盗キッドである、盗一の助手を長い間務めていた。現在は、二代目怪盗キッドである快斗の補佐役として、捜査撹乱や逃走の手引きなどをしています。
黒羽 千影(くろば ちかげ)
正体を明かす描写はないですが、二代目怪盗キッドの正体を知っている描写があります。
白馬 探(はくば さぐる)
江古田高校に通う、快斗の同級生。新一や平次と同様、世間で有名な高校生探偵のひとり。
DNA鑑定での科学的証明によって、怪盗キッドの正体が快斗であることを知りますが、怪盗キッドを自分の手で捕まえることにこだわっているため、このことを誰にも明かしていません。
小泉 紅子(こいずみ あかこ)
江古田高校に通う、快斗の同級生。赤魔術を使う魔女で、魔術によって怪盗キッドの正体を知ります。
ルビィ・ジョーンズ
「怪盗黒猫」の正体で、アメリカの保険会社の調査員。
「ゴールデン・アイ」を巡って怪盗キッドと対峙する中で、怪盗キッドとの間で交わされた会話から、怪盗キッドの正体を知ります。
ジャック・コネリー
「ナイトメア」の正体であり、インターポールの捜査官。
初代怪盗キッドである盗一のファンだったことから、正体を知っていました。
正体と目的を知った怪盗キッドを射殺しようとしますが、足を踏み外し一度は怪盗キッドの手を掴むものの、耐えきれずに転落し死亡しています。
フィリップ王子
出会った当初から疑われており、途中でバレています。スネイクに人質にされたフィリップ王子を助け、宝石も返却したため正体は誰にも漏らしませんでした。
怪盗キッドと工藤新一
怪盗キッドにとってのコナンは「最も出会いたくない恋人」で、「決して混じり合うことのない二人」。服部に対しても、快斗が認める白馬に対しても「名探偵」と呼んだことのない怪盗キッドが「名探偵」と呼ぶのは、コナンに限られています。
初の顔合わせで「怪盗は鮮やかに獲物を盗み出す創造的な芸術家だが、探偵はその跡を見てなんくせつけるただの批評家に過ぎねーんだぜ?」とコナンを挑発したが、その後「優れた芸術家の多くは死んでから名を馳せる。お前を監獄という墓場に入れて巨匠にしてやる」とコナンに追い詰められ、以後手強い好敵手として一目置くようになります。
コナンも「泥棒には興味はない」と言いつつも、例外的にライバルと認めているようです。
怪盗キッドの鳩が怪我をした際コナンに助けられたことから、事件解決まで陰ながら手助けをしたり、双方が関わった事件で怪盗キッドがコナンに手を貸したり、事件解決に協力する場合があり、コナンも協力してくれたお礼として、怪盗キッドを見逃すことが多いようです。
『名探偵コナン』での怪盗キッドの役割は真の「ルパン対ホームズ」を描くためのアルセーヌ・ルパンのようで、作者がホームズシーズ、ルパンシリーズ両方のファンであることから両方に負けてほしくないと語っています。
怪盗キッドの能力と技能
頭脳においてはIQ400を持つ天才。これは、怪盗キッドの毛髪を入手した白馬による推定値であり、この数値はルパン3世を超えているようです。
頭の回転力に長けており、授業を真面目に受けず教室を走り回りながらでも、教師が出題した問題にサラッと答え正解したり、一瞬で落下速度の計算ができるなど、勉強は得意なようです。
視力は左右両方とも2.0で、身のこなしは軽いが戦闘が主目的ではないため、肉弾戦は不得意で毛利蘭や世良真純、京極真など、戦闘が得意な相手やプロにたいしては、不意打ちや小細工を使用しないと苦戦します。
怪盗キッドとして使用するハンググライダーをはじめ、ほとんどのスポーツを得意としていますが、唯一アイススケートが苦手なようです。
変装を得意とし、老若男女問わず誰にでも変装することができ、他人を変装させることもできます。また、声色も自由自在に出すことができ、厳重な金庫を開けるピッキング能力など怪盗としての技能も高いことがわかります。
怪盗キッドの活躍
『名探偵コナン』登場初期の怪盗キッドは、シルクハットと前髪に隠れて顔がわかりませんでしたが、『集められた名探偵 工藤新一vs怪盗キッド』前半で正体が明らかになってからは、顔がはっきりと描写されるようになっています。
「父の死の真相究明とその敵討ち」と「パンドラの発見と破壊」を目的とし、快斗が「二代目怪盗キッド」となって当初は宝石以外にも絵画や彫刻など様々な美術品を標的としていました。
「パンドラの発見と破壊」が目的に加わってから、主にビックジュエルを標的としていることから、盗んだ宝石が目当てのものでない場合は、盗みを諦めるかすぐ持ち主に返すことが多いようです。
不当な理由で第三者の手に渡った美術品を本来の持ち主に返すために盗みを行ったこともあり、そのことが記事になるのを喜んでいましたが、「世間を騒がせたり、父や警察を貶める愉快犯の一種だ」という青子の発言に、内心ではありますが快斗も反省しています。
自らが標的とされても決して殺人は行わず、人命に関わる危機があった場合は助けます。また、他人の殺人を止めることができず悔しがるといった場面もあることから、泥棒らしくない一面も窺えます。
一方で、マジシャンであることから周囲を驚かすパフォーマンスをしながら盗みを行うことで、器物破損などの二次的被害は少なくないようで、劇場版『世紀末の魔術師』では変電所を爆破することで都市全体を停電させ、結果交通網を混乱させ人命が関わる病院まで停電にしてしまっています。
また、劇場版『業火の向日葵』では真犯人の正体を早くから知っていたにも関わらず、周囲に伝えなかったことでレイクロック美術館が大火災になった上爆発によって崩壊してしまうという大惨事になっています。
『名探偵コナン』では暗号のような予告状を送る怪盗キッドですが、他人によって送られた予告状があった場合、現場まで濡れ衣を晴らしに行きます。また売られた喧嘩を買う主義であることから、他の盗賊や宝石の持ち主からの挑戦を受けて立つことも多く、目当てのものでなくても盗むことが度々あるようです。
怪盗キッドの声優担当
怪盗キッドの声優担当をされているのは、山口勝平(やまぐち かっぺい)さん。本名、山口 光雄(やまぐち みつお)。
日本の声優であり、俳優で、芸能事務所悟空の代表。
福岡県立筑前高等学校卒業後、1984年に19歳で東京に移住し、専門学校東京アナウンス学院に入学します。
その後、劇団21世紀FOXに入団して舞台俳優として活動する一方。23歳から声優としても活動を始めます。
1989年にテレビアニメ『らんま1/2』早乙女乱馬役で初主演し、声優として本格的にキャリアを積み始めます。
多くの作品に出演し、東京国際アニメフェア2003では個人の声優賞を受賞しています。
2019年には、第13回声優アワードにて、富山敬賞を受賞しています。
テレビアニメ、ドラマCD、洋画の吹き替え、ナレーションなど多くの作品に出演されており、アニメでは活発な少年・青年役を得意とし、主演作では明るい役を演じることが多いようです。
『名探偵コナン』では、怪盗キッドと工藤新一の声優を担当されています。
怪盗キッドの名シーン・名言
怪盗キッドの名シーン、名言をいくつか紹介します。
「知ってるか?怪盗はあざやかに獲物を盗み出す創造的な芸術家だが・・・
探偵はその跡をみつけてなんくせつける・・・・ただの批評家にすぎねーんだぜ?」
『コナンvs怪盗キッド』作中で、鈴木園子の祖父である次郎吉が保有する黒真珠「漆黒の星」を巡ってコナンと対峙します。
警察に取り囲まれ窮地に陥りますが、閃光弾を使いその窮地から逃れます。そして立ち去る際に残したのがこの言葉です。
コナンが怪盗キッドに対して本気になるきっかけとなります。
「最も出会いたくない…恋人ってトコロかな?」
『集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド』作中でコナンとの関係について問われた際に答えたセリフです。
「Ladies and Gentlemen!・・・さぁ、showの始まりだぜ!」
『世紀末の魔術師』で盛り上がるシーンでのセリフです。
怪盗キッドのまとめ
キザで派手なパフォーマンスが印象的な怪盗キッドですが、「ポーカーフェイスを忘れるな」という父親の教えを守り、盗みを行う怪盗であることがわかりました。
コナン(新一)とはライバルであり、「最も出会いたくない恋人」。唯一「名探偵」と呼ぶ相手です。
お互いを意識し合うライバルでありながらも、協力し合う場面もあることから、今後も『名探偵コナン』でどのように関係を見せてくれるのかが楽しみです。