王騎です。信の憧れの大将軍で、キングダムには欠かせない人物の1人です。人気も作中トップクラスのキャラクターでしょう。
中華一有名と言っていいほどの大将軍で、物語の前半部分で活躍する王騎ですが、その存在感は大きく、死んでもなお、後々まで多方面に影響を与えます。
ここでは、王騎のこれまでの登場シーン、経歴、名場面を紹介していきます。
王騎の基本情報
まずは王騎の基本情報について簡単に紹介します。
所属国 | 秦 |
地位 | 大将軍 |
使用武器 | 矛 |
初登場 | 1巻 |
声優 | 小山力也 |
実写 | 大沢たかお |
第1巻から登場します。「秦国の怪鳥」という異名を持ち、知らない者はいない程の名の知れた将軍です。昔、昭王の時代に、六大将軍の1人として活躍したことがきっかけでした。
見た目は、厚い唇と、下に3本伸びた顎鬚、怪鳥を思わせる形の肩当てが特徴的で、決して格好いいとは言えませんが、インパクトのある見た目で、物語が進むにつれとても王騎の人柄に馴染んできます。王騎にファンの多い理由がこの味のあるビジュアルでしょう。
「ココココ」や「ムフフフ」等、笑い方が特徴的です。また、「~でしょォ」「~ですねェ」等、語尾を伸ばす口調も特徴です。人柄は基本的には穏やかで、冗談も多く、副官の騰とのやり取りは微笑ましいです。
実写版での王騎将軍役は大沢たかお
実写版キングダムでは大沢たかおさんが王騎将軍役を演じました。
映画をやるに当たりかなりの肉体改造を行ったそうです。
王騎の史実における情報
王騎の史実における情報ですが、王騎という人物は実在が確認できず、代わりに王齕という人物がモデルにされたのでは、と推測されています。しかし、王齕自身も、将軍ではあったものの、作中のような伝説的な将軍とは決して言えず、王騎に関してはオリジナル要素がかなり多いキャラのようです。
「秦国の怪鳥」という異名や、昭王との関係、信との繋がりはキングダムオリジナルである可能性が高いですね。その分、龐煖との因縁や感動的なクライマックス等、王騎には読み応えのある要素が沢山盛り込まれています。
王騎のこれまでの活躍
王騎のこれまでの活躍を紹介していきます。
オカマっぽい初登場、第1巻
第1巻、一部の領土と引き換えに、昌文君を討ったということで、王弟側に加担したかのように登場したのが王騎でした。強烈な見た目と独特の口調で、オカマキャラかのような印象を与えます。その分、得体の知れない人物で、王宮の話にそれまで興味を示さなかったこともあり、突然の協力に、シ氏も王騎の本当の狙いは別ではないかと疑い、慎重になります。
実際、王騎は昌文君を殺しておらず、王弟側についているわけではないというのは明らかでした。「血沸き肉躍る世界」を求めると言い、王騎自身もう一度戦場に居場所を求めていたのです。
政との対面、第5巻
第5巻にて、政と対面します。馬上対地上の戦いで魏興を真っ二つにし、山の民すら警戒する王騎のオーラに、この時点で王騎という将軍がこれまで登場したキャラとは一線を画す人物であることが伺えます。
そんな王騎を、政は、7年前に亡くなった昭王の陰を追ってさまよっている鳥だと叱咤します。自分が中華の唯一王を目指すと宣言し、王騎に共に戦いたいなら再び地に足を着けろと、まで言います。痛烈ですが、政は王騎の力が自分に必要であると知っていたのですね。王騎は、昭王との約束を思い出し、政の口から出る「中華」という言葉の重みを感じ取り、再び熱い時代がやってくる予感を覚えました。
信と出会う、7巻
王騎は信の初陣に姿を現していて、そこで2人は対面します。信は将軍という存在の大きさを、この出会いを通じて知り、その後、修行をつけてもらうよう王騎の城に、渕と共に赴きます。
信は改めて王騎と話し、本物の天下の大将軍に感動します。早速、王騎は信に、人口100人程度の無国籍地帯を平定するという課題を出します。4ヵ月程かかり、見事課題をクリアした信でしたが、修行が一時中断されます。
王騎が次の趙との戦争で、秦国総大将をつとめることになったのです。信は王騎の戦いを生で見ることができることに興奮しましたが、これが作中での王騎の最初で最後の出陣となるのですね。
王騎の出陣、11巻
昭王の死後、沈黙を保っていた王騎がなぜ昌平君の招集にあっさりと応じたのか、昌文君は出陣前の王騎に尋ねました。実は、今回対戦する趙が攻め入る「馬陽」は王騎にとっては譲れぬ場所でした。
同じ六将軍で、王騎の婚約者であった摎が、謎の男、龐煖に敗れた場所で、王騎にとって馬陽は、摎の弔いの地であったのです。加えて、秦王、政に希望を見たことで、六将としての過去の自分とは決別し、新たな一歩を踏み出そうと考えていました。その区切りの戦いとして、思い入れのある馬陽で因縁の趙と対戦するというのは、王騎にとっては絶好の舞台設定だったのです。
そうして、始皇三年三月、王騎が出陣します。副将に蒙武を置き万全を期して戦に向かいました。
王騎の死、16巻
戦は、王騎と龐煖の因縁の対戦のように思えました。しかし、王騎が軍の先頭に立つと、王騎軍は鬼神のごとく勢いを増し、王騎が矛を振るうと敵は無抵抗に真っ二つにされ、もはや王騎が敗れる想定等誰もしていませんでした。龐煖との一騎打ちは、様々な思いを背負った王騎に分があり、摎の借りを返すと思われました。ところが、ある男の出現で状況は変わります。李牧です。趙が戦の場を山に選び、王騎をおびき寄せようとしていました。王騎は相対する趙の策を読んでいましたが、かすかな罠の気配を感じていました。
その気配の正体が、李牧だったのです。李牧は予め、兵を伏せていました。しかし、王騎は流石で、その伏兵の存在、位置まで正確に予測していましたが、一つだけ見図れなかったところがありました。行軍の速さでした。北の騎馬は山岳地帯の行軍に慣れており、山間部を障害としなかったのです。王騎がこの騎馬の情報を持っていないことも把握しての李牧による作戦でした。完全に罠にハマった形となり、王騎軍が窮地に陥ります。
王騎の声で、士気を取り戻した王騎軍は脱出を試みますが、龐煖もしぶとく王騎の前に立ちふさがります。そして、背後から魏加が放った矢が王騎に隙を生み、龐煖の矛が王騎を貫きました。王騎が復帰戦で敗戦したことも衝撃ですが、龐煖との一騎打ちに水を差され形となり、なんとも複雑な王騎の最期となりました。しかし、騰をはじめとする王騎軍、蒙武の活躍で、王騎は瀕死状態でも、戦場を脱出することには成功します。
騰に王騎軍を率いることを命じ、信に自らの矛を授け、王騎は静かに息を引き取りました。
王騎の名言、名シーン
王騎の名シーンというと、まず16巻がやはり有名でしょう。15巻から描かれる、龐煖との死闘も見応えがありますが、16巻、止めの一撃を刺された後、瀕死の状態にも関わらず、龐煖を斬り伏せようとするシーンは何度見ても感動するところではないでしょうか。
山で孤独に武を極めることを強者の理とした龐煖からすると、死に際に発揮される王騎の力を理解できませんでした。王騎はこれまで、数多くの死地を乗り越え、その過程で死んでいった者たちの思いまで双肩に宿し矛を振るう、その分の重みが龐煖との決定的な差だったのですね。敗戦が決定的な状況にも関わらず、平然と自らを天下の大将軍と語る姿は正にまばゆく輝いていて、キングダムの中でも特に読者を惹きつけたシーンではないでしょうか。
また、死地を脱する際、信を自らの愛馬に乗せ、将軍の見る景色を信に味わわせたシーンも名シーンの1つです。これに限らず、秦国一の将軍である王騎が、当時歩兵であった信を見込み、会話をし、修行をつけ、飛信隊という名を与え、死に際に矛まで授けるという場面1つ1つが、現在の信の活躍を見るときに、王騎との過去として思い出されますね。
王騎のまとめ
王騎は、カリスマ的存在として、長年トップに君臨した将軍です。そのため、王騎を崇拝する者から恨む者まで、とにかく多くの人に影響を与えた人物です。
昭王の死から生まれ変わり、新たに時代を築く王騎を見てみたかったですね。
作中での登場はもうありませんが、王騎軍率いる騰、王騎との関係を経て成長した蒙武、そして、政、信と主要キャラクターの多くが王騎とつながっているため王騎の存在感が消えることはないでしょう。