昌文君です。秦の文官です。ですが、武人であった過去も持つ、文武兼ね備えた人物です。
キングダムの初期から長く登場し続ける昌文君ですが、派手な戦いぶりや、主軸となるエピソードが少ないため、地味なキャラクターに見えるかもしれません。ただ、そのいぶし銀な活躍こそ昌文君らしく、その点を支持している読者も多いのではないでしょうか。
ここでは昌文君のこれまでの活躍を主に見ていきます。
昌文君の基本情報
まずは、昌文君の基本情報について簡単に紹介します。
所属国 | 秦 |
役職 | 武将→文官 |
地位 | 左丞相 |
使用武器 | 矛 |
初登場 | 1巻 |
声優 | 仲野裕 |
1巻から登場しています。後でより詳しく紹介しますが、昌文君の行動が信の運命を大きく変え、キングダムの物語が始まったと言っても過言ではありません。
見た目はおじさんですが、太い眉や、力強い目つき、口ひげが威厳のある雰囲気を出しています。
今は文官として左丞相の位についていることから、内政における手腕の高さは証明されていますが、昌文君のより特徴的なところは、文官になる前は武将であったという点です。それも、その実力は王騎も認めていた程でした。昌文君のことを「気骨のある武人として一目をおいていた」と王騎が口にするシーンが2巻に登場しています。そういった過去を持ちつつ、政を支えることを第一と考え文官に転身し、スピード出世で左丞相にまで上り詰めたところが昌文君のステータスを図る上で知っておきたいことです。
昌文君の史実における情報
昌文君の史実における情報ですが、史実でも登場する人物のようです。
秦国の相国を務めていたようです。嫪毐の乱を治める等、活躍は史実でも記録があるようですが、少し意外なのが出身国が楚ということです。これは作中ではまだ出てきていない部分ですね。これが今後の昌文君の明かされていない過去として描かれるのかは注目です。
ところが、作中では武将の過去がある昌文君ですが、史実では生粋の文人であったという情報もあります。なので昌文君の過去についてはある程度脚色がなされているのかもしれません。
亡くなったとされるのは、紀元前226年で、老衰または病死とされています。秦が大将軍となって以降の話なのでこれに従うとすれば昌文君はまだまだ登場し続けそうです。
昌文君のこれまでの活躍
昌文君の初登場
先述した通り1巻で初登場します。信と漂が激しい打ち合いに明け暮れているところを、昌文君は馬車からその様子を目撃します。昌文君の目に留まったのは漂でした。漂は秦王、政と瓜二つの顔立ちをしていたのです。王弟派の反乱が危惧される中、影武者として漂は最適だったのです。さらに、信と漂の夢が天下統一と知ると、昌文君はこの出会いに運命的なものを感じ始めます。すぐに、漂に対し王宮にて仕官の任を与えます。
そして王宮にて反乱が起こり、漂は死に際に信に政の居場所を託します。それは昌文君が政の隠れ蓑として用意していた黒卑村でした。そこで信と政は初めて出会い、2人の天下統一への歩みが始まります。なので、昌文君との最初の出会いがキングダムにおいては物語の始まるきっかけとなったのです。
政への忠誠心
(画像は、31巻、政の大将軍並の檄を目の当たりにし、涙する昌文君)
昌文君は政に対し、深い忠誠心を持っています。そして、それに背かぬ行動を作中でも度々見せ、活躍しています。王弟派の最初の反乱の際も、漂という影武者の用意から政の避難場所の確保、自軍の王宮からの脱出等、軸となって動いたのは全て昌文君でした。さらには政の暗殺を狙うムタを斬り、山の民に協力を請うシーンでは、政の護衛を託す際、下僕であった信に対し頭を下げる場面も見られます。特にこの頃は、政陣営はかなり劣勢で、昌文君の担う負担は非常に大きなものでした。政が秦王として実権を確立できたのには、昌文君の働きが欠かせないものであったといえるでしょう。
このような経験を知った上で、31巻の合従軍編にてサイの平民を奮い立たせる政の檄や、38巻の加冠の儀のシーンを見ると、より昌文君に感情移入できるのではないでしょうか。
昌文君の名シーン・名言
(画像は16巻、若き頃の王騎と昌文君)
昌文君の名シーンというと、16巻の王騎とのやり取りが大きいでしょう。
王騎は掴みどころがなく、何を考えているのかは分かりづらいのですが、昌文君には信を置いていたと察せるシーンがいくつかあります。昌文君自身が、戦場で名を馳せるほどの武才を持っていたこともあるでしょうし、何より職人気質な真っ直ぐな人間性に惹かれたのではないでしょうか。
そして、六大将軍の摎を娘のように大切にしていた王騎が総大将として戦に出るにあたり、昌文君に対し、「摎のことを頼みますよ」と口にします。これも信頼の表れですね。助けはいらぬほどの、戦の天才であった摎ですが、昌文君の戦場における細かな補填があると非常に安心できる、というのが理由でした。こういった働き方は、文官としての昌文君にも現れているように思えますね。
また、昭王と摎が親子関係という秘密を、王騎が唯一明かした相手も昌文君だったのです。これらのことから昌文君が、王騎に認められていた人物というのがよく分かります。また逆も同じで、王騎の死を聞いた際は、軍議の途中に退席し、政とともに涙を流していました。
昌文君のまとめ
昌文君は目立たないが、渋い活躍を長く続けている人物ですね。堅実なその活躍ぶりは味方とすると非常に頼りになる存在でしょう。
過去のエピソードでは武将、昌文君が見られますが、今は体力の衰えからも文官としての働きが中心となっています。なので、登場シーンはおのずと少なくなってはしまいますね。ただ今後も登場は続きそうですし、政をどのような形で支えるのか注目です。また、信とも1巻からの関係性となっていて、信の成長をずっと見てきている人物の1人であるので、信の武功や昇級の際の昌文君のリアクション等を見ていくのも面白いのではないでしょうか。