春申君です。春申君は楚の宰相にして、戦国四君の一人です。
政治家であるため、表立った活躍は描かれませんが、合従軍編では李牧と密談を行い、各国の強烈な武将がいる中総大将を務めました。しかし、王位継承問題に巻き込まれ、命を落としてしまいます。
ここでは、春申君の登場シーンと、なぜ命を狙われる流れになったのかと見ていきます。
春申君の基本情報
まずは春申君の基本情報を簡単に見ていきます
名前 | 黄アツ |
性別 | 男 |
所属国 | 楚 |
所属軍 | 無 |
声優 | 内田夕夜さん |
初登場 | 24巻 |
24巻、李牧を見つけた信が隙を伺っていた際、李牧と密談を交わしていた謎の男として初登場します。この時の密談が合従軍を計画したものでした。
楚の宰相です。春申君とは階級名であり、本名は黄アツといいます。作中では主に春申君で呼ばれます。戦国四君の一人です。
見た目はカッコイイキャラクターですが、性格は意外と攻撃的で、口もあまりよくありません。自らの身を心配した臨武君に対し平然と「ハゲ」と言い放つシーンもあります。
声優は内田夕夜さんです。声優から舞台俳優まで、幅広い活躍をされている方で、アニメでも主要キャラだけでなく脇役も演じられているようです。
春申君の史実における情報
春申君は史実にも登場する人物です。
宰相を20年以上務めた人物で、これは戦国四君の中でも一番長い年月です。食客を多く抱えたことでも有名な人物です。長い期間にわたり活躍が史実に残っており、春申君における最初の記録は、秦が楚を攻めるという情報を得るなり、昭王に書簡を送りました。それは最も力を持った秦と楚が互いに傷付けば、他国に付け入る隙を与えることになるのでは?といったもので、昭王はすぐに納得し、楚ではなく魏、韓に矛先を変更しました。春申君の活躍で楚は秦からの侵攻を未然に防いだのです。その後、楚と秦は同盟を結ぶことになりますが、春申君はキレる頭と忠誠心が実を結び楚の宰相にまで上り詰めます。
春申君の歯車が狂ったのが、作中と同じく、合従軍での敗戦でした。しかし史実では李牧はこれに関与しておらず、全てが春申君の指図によるものであると記録されております。この一戦の敗戦により楚の孝烈王からの春申君への信頼は薄れます。
春申君の食客の一人に李園と言う男がおり、その妹が孝烈王の子を産みその子が王位を取れば自らの身も安泰と春申君は考えました。しかし、孝烈王が亡くなると、春申君は一人の食客から忠告を受けます。孝烈王がいなくなり、その后の兄である李園からすると、春申君がいなければ自分が権力を掴める立場にあります。李園からの刺客きてもおかしくない状況ですが、春申君はそれに耳を貸すことはありませんでした。無警戒に王宮に入る春申君は案の定李園の刺客に襲われ殺害されます。
春申君は史実と作中で共通する点が多いキャラクターですね。
春申君のこれまでの活躍
春申君のこれまでの活躍を紹介していきます。
合従軍を興す
24巻の初登場のシーンですね。春申君自身、これは楚趙同盟の密談だと思っていたところを、実は合従軍の話で、李牧の恐ろしさを改めて感じたようです。
その合従軍において各国の将軍の位は横並びであり、それを束ねる役として総大将を春申君が務めることになります。ここで春申君は「文官武官問わず中華全土の現役で格付けすれば頂点に位置する御仁だ」と称されます。
合従軍敗退
33巻、合従軍の敗戦が決まると、勿論面子に大きな傷がつくのが総大将の春申君です。合従軍を直前で離反した斉に攻めの手を変え侵攻しましたが、秦の蒙武の追撃により、これも斉を攻め込めないままになり、合従軍がここで解散となりました。
刺客により殺害される
41巻、突如、春申君が暗殺されたということが分かります。中華全土を驚愕させた出来事でした。これは先述しました史実にも登場する李園によるもので、楚の宰相はその後、媧 燐」が務めることになります。
史実を知っていればある程度予測できた流れではありましたが、作中の春申君は大物の人物だっただけにこの突然の死には驚いた方も多いのではないでしょうか。
春申君の名シーン
ここでは春申君の名シーンを紹介します。
春申君は政治家だけに目立った活躍シーンはありませんが、気になるのがなぜ暗殺されたのかというところではないでしょうか。これは史実と重複する部分もあるのですが、作中での史実と異なる点は、李園の妹の子が春申君の子であったというところです。作中では楚王の血を内密に途切れさせる計画があったのです。
これは春申君の陰謀というよりも王に子ができないことと、本来王位を継承すべき王弟に異常性が見られたことが原因でした。ところが王の死後突如、春申君はこの計画に反対し、王弟を王にすると言い出しました。暗君を出すより、血縁を途切れさせる方が罪深いと考えたのです。李園としては妹のことを考えると簡単に引き下がれる画策ではなく、やむなく刺客を送り、春申君は暗殺されました。どのような経緯で春申君に心変わりがあったのかは作中には述べられていませんが、複雑な王位継承問題による不運に見舞われた形となったようです。
春申君のまとめ
春申君は食客3000を持つ、戦国四君の最後の一人として、合従軍の総大将を務め大いに盛り上がるシーンを演出しました。作中では残念ながら死んでしまいましたが、史実でも活躍が記録されている人物です。
春申君の計画を継いだ李園、次の宰相を務める媧 燐がどのような動きをするのか注目です。結果によっては大国楚を20年以上支え続けていた春申君の凄さが分かる時が来るのかも知れません。