ワンピースにおいて絶大な人気を誇るアラバスタ編において、クロコダイルは絶対的な悪役として強い印象を残しました。
クロコダイルはルフィが初めて戦った王下七武海で、圧倒的な強さと冷徹さ、策略を巡らせた頭脳が特徴です。それまで順調に航路を進めてきたルフィでしたが、クロコダイルには二度の敗北を喫しました。
今回は、クロコダイルの基本情報とともに、過去の懸賞金額や経緯、名シーンをご紹介します。
クロコダイルの基本情報
名前 | クロコダイル |
性別 | 男性 |
所属 | 元王下七武海、秘密犯罪結社バロックワークス元社長 |
出身地 | 偉大なる航路(グランドライン) |
懸賞金 | 元8100万ベリー |
悪魔の実 | スナスナの実 |
使用する技・術 | 砂漠の宝刀(デザート・スパーダ)、三日月形砂丘(バルハン)、干割(グラウンド・セッコ)など |
年齢/誕生日 | 44歳→46歳 / 9月5日生まれ |
身長 | 253㎝ |
声優 | 大友龍三郎 |
初登場 | 第126話「本能」 |
クロコダイルの特徴
豪奢な羽飾りの上着に格子柄のチョッキ、葉巻をくわえた大柄な男性です。黒髪をオールバックにセットしており、顔面を横切る大きな傷跡が特徴で、一目で只者ではないことが分かる外観です。左手首から先は黄金のフックになっており、見るものに威圧感を与えるとともに攻撃性も兼ね備えています。鋭い眼光は、他人を信じることのない冷たい一面をそのままに表しています。
クロコダイルの性格
いつもニヤリとした笑みを湛えていますが、親しみのある性格ではありません。人を信じることがない策略家で、アラバスタ編では長年の計画を実現させるために周到な準備を重ねていました。自分の部下であっても用済みとなれば容赦なく始末するなど、冷酷非道なリアリストでもあります。自らの強さには自信を持っており、他者の弱さをあざ笑うような発言も目立ちました。
クロコダイルの能力
クロコダイルの悪魔の実は自然(ロギア)系”スナスナの実”です。体を砂に変えることのできる「砂人間」で、応用力が高く技のバリエーションも豊富です。
「砂漠の宝刀(デザート・スパーダ)」や「三日月形砂丘(バルハン)」は自らの右手を砂に変え相手を攻撃する技です。砂と言っても、「砂漠の宝刀」は硬化した斬撃で相手を攻撃するほどの威力を持っています。また「三日月形砂丘」は砂に触れた相手から水分を奪い取るという特殊効果も付加されていました。
また、自然自体に影響する技もあり、巨大な流砂のアリジゴクを作り出す「砂漠の向日葵(デザート・ジラソーレ)」や、砂嵐を巻き起こす「砂嵐(サーブルス)」などがあります。「干割(グラウンド・セッコ)」では地面に触れた掌からあらゆる水分を奪い取り、広範囲に威力を及ぼすことが出来ました。
本人が自負する通り、自然系の悪魔の実の能力を使いこなしていると言えるでしょう。
クロコダイルの策略
クロコダイルの懸賞金は元8100万ベリーと比較的低額ですが、これには理由があります。
クロコダイルはかつて20代前半にその実力を認められ、ルーキーにして王下七武海の一人となりました。その時点で懸賞金が撤回されたため、8100万ベリーは七武海加入時点での金額でもあります。その後、海賊を狩る王下七武海として「英雄」と呼ばれるまでになり、市民への脅威は低いとして海軍はクロコダイルを信用していました。
しかし、その信用を隠れみのに、アラバスタ王国では多くの策略を巡らせました。
「古代兵器プラトン」を手中に収めようと画策するクロコダイルは、古代兵器の鍵が眠るアラバスタ王国に「英雄」として君臨しながら、ひそかに犯罪組織「バロックワークス」を結成します。バロックワークスの工作員たちを使い、国王軍と反乱軍をかく乱してアラバスタ王国を影から支配しました。
その策略は、弱点である雨を降らせないため禁薬「ダンスパウダー」で3年もの間雨を奪うという徹底ぶりでした。
クロコダイルの声優
クロコダイルの声優は大友龍三郎さんです。東京都出身のナレーター・俳優・男性声優で、青二プロダクションに所属していましたが現在はフリーランスで活動されています。代表作に「ドラゴンボール改」牛魔王、「からくりサーカス」ドットーレ、「鋼の錬金術師」バッカニアがあります。非常に低い声を特徴としており、時代を問わず悪役や大柄な男性の役として活躍されています。クロコダイル役では見事な悪役を披露しました。
クロコダイルの名台詞・名シーン
では次に、クロコダイルの名台詞・名シーンをご紹介します。
「…てめェの様な口先だけのルーキーなんざ いくらでもいるぜ…!?”麦わらのルフィ”」
作中では2度ルフィを打ち負かし、その度にルフィと読者に絶望を与えるような台詞を残しました。
海の厳しさ、馴れ合うことの愚かさを強調することが多いですが、実はクロコダイル自身に挫折した過去があったからこそ、このような発言を繰り返していたことが後に分かります。
マリンフォード編にて、王下七武海時代に四皇・白ひげに敗北していた過去が明らかになりました。クロコダイルの周囲に海賊時代の仲間がいないこともこれに起因しているようで、どうやら白ひげとの対決で全滅に近い状況に陥ったようです。
冷徹で残虐非道な人物には間違いないですが、クロコダイルをここまでにした原因があったことを示唆する重要なシーンのひとつです。
「最初(ハナ)から誰一人 信用しちゃ……いねェからさ」
白ひげに敗北した後はしばらく鳴りを潜めていたようですが、どこかで「古代兵器プラトン」の情報を入手したクロコダイルは犯罪組織「バロックワークス」を結成、逃亡生活を送っていたニコ・ロビンをスカウトし部下としました。そして、アラバスタ王宮の地下で「歴史の本文(ポーネグリフ)」を解読後は、ロビンを躊躇なく始末しようとします。
目的のためとはいえ、4年間をともに過ごした人間を即座に抹殺しようとした姿に、クロコダイルの冷徹さが現れたシーンでした。
「みっともねェじゃねェか!!!”白ひげ”ェ!!!おれはそんな”弱ェ男”に敗けたつもりはねェぞ!!!」
「スナスナの実」の弱点をつかれルフィに敗北した後、クロコダイルは大監獄インペルダウンへと移送されていました。
マリンフォード頂上決戦の直前、インペルダウンにてルフィとクロコダイルは再会を果たします。脱獄に際し強力な戦力となるという革命軍イワンコフの助言もあり、二人は一時的に行動を共にすることになりました。兄エースを助けるためマリンフォードへ向かうルフィに対し、クロコダイルは前述のように「白ひげに恨みがある」ため、利害が一致したのです。
しかし、マリンフォードにて白ひげが船員スクアードの凶刃に倒れた際は、冷徹なクロコダイルに似合わず感情をあらわにして激高しました。
クロコダイルの意外な一面を示し、マリンフォード頂上決戦における名シーンの一つとなりました。
「これからおれは…懐かしい「新世界」へ入る…!!ついて来るか」
マリンフォード頂上決戦後、バロックワークス時代の部下ダズ・ボーネスを誘い新世界へと向かおうとするシーンです。アラバスタ編での冷徹で現実主義なイメージから一転、どこか気概に満ちた様子を感じさせます。
実は扉絵連載「ミスG・Wの作戦名”ミーツバロック”」にて、クロコダイルのかつての夢は「海賊王」であったことが明らかにされました。20年以上前にルーキーとして新世界入りして以後、白ひげに敗北を喫するなど挫折を経験し冷めた見方をするようになっていましたが、ルフィとの共闘や白ひげの死に様をきっかけに彼のなかにも何か変化があったのでしょうか。
クロコダイルの心境の変化を語るとともに、これからの活躍も期待させる重要なシーンでした。
クロコダイルに残された謎。再登場に期待!
その後、クロコダイルは表立った活躍は見せていませんが、ルフィの動向を新聞でチェックする様子が何度か描かれています。
アラバスタ編、マリンフォード編にて重要な役目は終えたように見えるクロコダイルですが、実はまだいくつか謎が残されています。
ひとつはクロコダイルの右耳のピアス。通常片耳ピアスは右が女性、左が男性とされており、クロコダイルのピアスにも意味があるのではと噂されています。もう一つは、インペルダウンでのイワンコフの「弱みを握ってる」という台詞。また、海賊王ロジャーの処刑の際若き日のクロコダイルが登場しているのですが、他のキャラと違い後ろ姿のみの描写でした。これらのことから、クロコダイルにはかつて容貌が大きく変化した出来事があるのではないかと噂されています。
新世界編においても姿を見せていることから、作中の役目が終わったとは言えません。謎の回収もあわせ、ルフィの強敵としての再登場が期待されるでしょう。