物語の重要人物であり、黒幕でもあるラートリー家。第36代当主となったピーター・ラートリーの正体や謎、そして根深い闇の過去を解説していきます。
ピーター・ラートリーの基本情報
名前 | ピーター・ラートリー |
性別 | 男 |
所属 | ラートリー家第36代当主 |
年齢/誕生日 | 不明 |
身長/体重 | 不明 |
声優 | 不明 |
初登場 | 第73話「決起」コミックス9巻 |
その他 | ジェイムズ・ラートリー(W・ミネルヴァ)の実弟 |
ピーター・ラートリーの特徴
人間の世界で鬼との世界の門番役として君臨するラートリー家の当主であるため、佇まいはとても紳士的な感じです。ちょっとカッコいいような、女性受けしそうな綺麗な顔立ちです。
Λ(ラムダ)7214の農場を作り、さらなる品種改良のためにノーマンに実験を手伝ってほしいと言いますが、その笑顔の下に隠されていた真実はとても暗いものでした。鬼の中でもさらに知性が優れているバイヨン卿との関係も深く、バイヨンを交渉を交わす際も落ち着いた物腰で話を進めていました。
自分の正義を貫くための考えや気持ちが表に目立って出ないように、普段は紳士的な立ち振る舞いをしているピーターですがいずれ本性が一気に目立ち始めます。
ピーター・ラートリーの性格
ラートリー家の歴史はとても深く、1000年前の鬼との約束を結んだユリウス・ラートリーに心を打たれるピーター。当時当主を務めていた実の兄であるジェイムズ・ラートリーは、ユリウスが書き残したメモを見つけラートリー家がかつての戦友を裏切り食幼児を生み出したということを知ります。ジェイムズは食幼児たちの明るい未来を手に入れることを望んでいましたが、ユリウスの行動により世界が救われたということに魅了されたピーターは「兄の考えは間違っている」と思うようになりました。
世界の平和を守るためにも食幼児は必要だと考えるピーターは食幼児を手助けするジェイムズとその関係者たちを粛清しました。最初はジェイムズの行動に許容していましたが、人間界へ繋がるエレベーターがあるGP(ゴールディ・ポンド)の完成時に見逃せなくなりジェイムズを裏切りました。
「食幼児の父」として農園の管理をする
ノーマンがGF(グレイス=フィールド)ハウスで出荷された際にイザベラに会わされたのはピーターでした。ピーターは自らの「お父さんと呼ぶにはちょっと違うかな」と、食幼児の父としての立場をにおわせます。1000年前の約束で数々の農園を管理し食幼児という存在を生んだラートリー家の当主として、世界の平和のためにより良い肉を大量に生産しようと考えて作ったΛ(ラムダ)7214。ノーマンはこのΛ(ラムダ)の農場で実験台として育てられます。
ノーマンレベルの食幼児がたくさん出荷できれば確かに世界は現状を維持したまま安定するかもしれませんが、食幼児たちの明るい未来は全く望めなくなってしまいます。考え方の違いでここまで世界に影響するとは、本当に歴史というものは根強く深いものだと考えさせられますね。
自分の正義を決して疑わず、容赦無く動く力
ピーターは女王レグラヴァリマの協力の元、ノーマンたちのアジトを襲います。レグラヴァリマから援軍を頼んだ際に鬼の頂点に献上されるはずのエマたちを女王に差し出す事を条件とし、援軍を頼みました。もしもエマたちを差し出すことができなければ自分が喰われるということでしたが、ピーターは構わず鬼の援軍を率いてアジトへ乗り込んで子供達を捕らえました。
実の兄をも殺害し自らの正義のために動くピーターの行動力と、先を見越した戦略はまさに当主と言ったところでしょうか。レグラヴァリマの死後、鬼社会を掌握する事を目論んで四大農園と五摂家の家臣が政治を取り仕切るように操作しました。そして邪血の力を持つ鬼たちを処刑するように仕組み、ムジカとソンジュを処刑台にまで追い込みます。
ピーター・ラートリーの名シーン・名セリフ
鬼の社会においても人間の社会においても重要人物であるピーターですが、ついにエマたちと対面し戦うことになります。その名シーンを詳しく紹介していきたいと思います。
イザベラをグランマにしたのはピーターだった!?
GF(グレイス=フィールド)ハウスでエマたちの脱走を許してしまったイザベラは、全ては自分の責任であるということを鬼たちの前で公言していました。しかし元グランマのサラとイザベラのどちらが利用価値があるかという抗議があり、イザベラは選ばれグランマになりました。
処刑されるつもりだったイザベラは「これで解放される」と思っていましたが、その気持ちをピーターは読んでいました。イザベラの心に語りかけ「本当にこれで良いのか?」と誘導し、ピーターはイザベラに協力を求めたのです。
使命を貫くあまり歪んでいく思考…
ピーターはアジトを襲い食幼児たちを捕らえてGF(グレイス=フィールド)ハウスへ向かいます。それは食幼児たちを助けにエマたち年長者をおびき寄せるためでした。ハウス内でピーターたち鬼の軍政とエマたちで繰り広げられる戦いはお互いの頭脳戦でもありました。
ピーターは自身のことを「食幼児の父・創造主」だと訴えます。確かにラートリー家がなければ農場が作られることもなかったため、エマたちは産まれてこなかったでしょう。そんな農園にはむかう子供達をピーターは反抗期だと言い、己の正義を貫いて全員を殺そうとします。
自分たちのおかげで食幼児たちは生かされていると過信しているピーターは、エマ達を自分の思うようにコントロールできないためにイラつきを見せます。「せめて鬼と約束を結んだエマさえ殺すことができれば…」と企みますが、オリバーたちの加勢やイザベラの裏切りにより見事に敗北してしまいます。
ピーターが最後に見つけた答えとは…
イザベラの裏切り、そしてソンジュとムジカの処刑の中止。ピーターは見事に負けましたがそんなピーターにエマは「私達はラートリー家に如何なる報復も攻撃もしない。だから食用児の自由を認めてほしい。」とあくまでも殺し合いではなく話し合いをしに来たと言います。実際エマ達は鬼を一匹も殺しておらず、勝利と話し合いを目的に動いていたのです。
鬼達も人間と同じで「生きるために食べていただけ」。そしてイザベラも食幼児を鬼に差し出すことで自分の命を守っていただけ、そして産まれた時から運命を背負わされていたのはピーターも同じだと、エマはピーターに語りかけます。この言葉を聞いてピーターは幼い頃の記憶を思い出します。
兄のジェイムズもラートリー家のしていることは「崇高な使命」だと思っていました。しかしジェイムズは「でも違う。これは“罰”だよ。そして“呪い”だったんだピーター」と言い残していました。エマから「一緒に生きよう」と言われたピーターはジェイムズがこの呪いから自分を自由にしたかったという事を初めて知り、泣き叫び自らの首を切って息を引き取ります。
辛い運命を背負っていたピーターが残したものは…
長い年月をかけて「使命」を全うしてきたピーターの死後、鬼の社会はどのように変化していくのでしょうか。そして鬼の頂点である「あの方」は何を思い、何を考えているのでしょうか。
まだまだ目が離せない鬼と人間の関係に今後も注目していきたいです。