コナンと敵対する黒の組織には、劇場版でのオリジナルキャラクターとして登場したメンバーがいます。
今回はそのうちの一人、「純黒の悪夢」でのキーパーソンとして登場したキュラソーについて、紹介していきたいと思います。
キュラソーの基本情報
名前 | キュラソー(本名は不明) |
年齢/誕生日 | 不明 |
身長/体重 | 不明 |
容姿 | 長い銀髪に、オッドアイ(左が青、右が透明)、スタイルがいい |
性格 | 黒の組織の一員らしく冷酷だったが、記憶をなくして以降、子供たちに対して笑顔を見せるなど大人しく優しい様子を見せる |
家族構成 | 不明 |
声優 | 天海祐希 |
初登場 | 劇場版名探偵コナン 「純黒の悪夢」 |
キュラソーの特徴
キュラソーは、黒の組織のNo.2であるラムの腹心であり、情報収集のスペシャリストです。高い身体能力に加え、並外れた記憶能力を持っています。
組織にとって都合の悪い情報を記憶してしまったことからベルモットに口封じされかけたものの、彼女の記憶能力に目を付けたラムによって難を逃れて以後、ラムの右腕として工作員として活動を続けていました。
しかし、公安のサーバールームに保管されていた各国の秘密諜報員(NOC)リストを入手する任務の最中、公安の安室透、FBIの赤井秀一の追跡から逃れようとして自動車事故を起こし、記憶喪失になってしまいます。
車から脱出したあと、さまよい続けた彼女は、東都水族館のベンチに座り込んでいたところを、コナン達と遭遇することになったのです。
キュラソーの能力
キュラソーは、生まれつき脳弓に損傷を持っていた為、非常に高い記憶能力を持っていました。自身のコードネームにちなんだ、赤、青、オレンジ、緑、白の5色を同時に見ることで、常人には不可能なほどの膨大な情報を自身の脳に記憶させることができたのです。そのため、記憶を失ってからは、5色のプラカードに近い光を見ると激しい頭痛に苛まれていました。
しかし、意図的にプラカードを見なくても、その能力は失われておらず、「純黒の悪夢」作中内で、元太が誤って引っくりかえしてしまったオセロを、あっさりと元の状態に戻してみせていました。本来メモリーカードなどの物理的なコピーができないNOCリストも、キュラソーにとってみれば、入手は容易いものだったのでしょう。
黒の組織の一員としての非情さ
公安に見つかったキュラソーは、驚異的な身体能力で乗り込んできた捜査員たちを圧倒し、通りがかった車の運転手を負傷させると、その車で逃走します。追跡する安室透とのカーチェイスの最中、キュラソーは、無関係な一般人が運転する車やトラックに車ごと体当たりして横転させるなど、手段を厭わない冷酷な一面を見せていました。
同じく逃亡を阻止せんと待ち構えていた赤井秀一の姿を確認した際には、「面白い、轢き殺してやるよ!」とかなり好戦的な一面も露にしています。
キュラソーと少年探偵団
キュラソーが黒の組織の仲間だと確信する灰原哀と、彼女のことを調べるコナンをよそに、元太、光彦、歩美は、激しい頭痛を起こして警察病院に運ばれた彼女のお見舞いに向かいます。
一緒にダーツをして景品を取ってもらったこと、観覧車乗り場に向かうエスカレーターから落下した元太を助けてもらったことから、彼らはキュラソーのことを慕っていました。
特別に面会を許された少年探偵団は、キュラソーとオセロを楽しみながら、まだ着色がされていない白いイルカのキーホルダーを彼女に手渡し、これでみんなお揃いだと無邪気に喜びます。
その後、公安に引き渡されることになったキュラソーは、別れを惜しむ少年探偵団に、キーホルダーのお礼と、またいつか一緒に観覧車に乗ることを約束するのでした。
変わりゆく色
公安に引き渡されたキュラソーは、夜の観覧車で5色の光を目にしたことから失っていた記憶を取り戻しました。同乗していた公安の風見を昏倒させたあと、キュラソーはベルモットに連絡を取り、このまま観覧車に乗っていれば組織に戻れることを知ります。
しかしその後、持っていたイルカのキーホルダーから探偵団の子供達と過ごした優しい時間を思い起こしたのか、乗車していたゴンドラから逃げ出したのです。それは組織からの逃亡を意味しており、キュラソーの裏切りを察知したジンは彼女を抹殺をメンバーに指示します。
命を賭して守り抜いた大切な思い出
組織からの逃亡を決意したキュラソーは、途中階段から落ちそうになっていた灰原を救出し、彼女がシェリーであると気づきます。警戒心をあらわにする灰原でしたが、キュラソーの表情はとても穏やかで、冷酷無慈悲な黒の組織の一員としての姿はどこにもありませんでした。
共に逃げるよう促す彼女に、灰原は少年探偵団が観覧車に取り残されていることを伝えます。ジン達のオスプレイからの砲撃で思うように動けない中、キュラソーは灰原に子供達のことを頼み、囮となって飛び出しました。
コナン達によってジン達が退けられたあと、キュラソーは銃弾と腹部に刺さった鉄骨による重傷を負いながらも、脱輪して転がりだした観覧車に取り残されていた子供たちを救うべく、クレーン車で突撃します。
そのおかげで観覧車は止まりましたが、彼女自身は操縦席ごと潰された上に爆発に巻き込まれてしまい、亡くなってしまいました。しかし、その手には最期の瞬間まで、子供達からもらったキーホルダーが握られていたのでした。
キュラソーの声優
黒の組織の一員から、記憶喪失、子供達との触れ合いを経て変わっていくキュラソーの声を担当されたのは、元宝塚メンバーで、現在女優としても活躍されている天海祐希さんです。
キュラソーの内面の変化を声だけで演じるという難しい役を見事にこなしていらっしゃるので、是非聞き分けてみてください。
キュラソーの名言・名シーン
劇場版「純黒の悪夢」でのキュラソーの名シーンで、代表的なものをご紹介します。
「分からない。なぜ助けたなんて分からない。でも私は、どんな色にでもなれるキュラソー。前の自分より、今の自分の方が気分がいい。ただ、それだけよ」
何故、組織にとって裏切者である自分を助けるのかと灰原に問われたキュラソーの台詞です。キュラソーが、子供達とのふれあいを経て変わっていったことを象徴するシーンです。
「止まれぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」
重傷を負いながらも、観覧車に取り残された子供達を助けようと捨て身で特攻するキュラソー。彼女の魂からの叫びに思わず共感した視聴者も多かったのではないでしょうか。
キュラソーが染まった色
ラムに見いだされ、純黒の闇に染まっていたキュラソー。コナンはそんな彼女の色を変えたのは、探偵団の子供達だったのかもしれないと呟きます。
最後にキュラソーが何色に染まったのかは視聴者の皆さんの想像にお任せするしかありませんが、彼女が闇ではなく、光ある鮮やかな色に変わっていたことはきっと間違いないでしょう。