もはや日本を代表する映画会社と呼ばれるまでに成長したスタジオジブリ、数々の名作たちが登場し、その中でも「もののけ姫」は世界的にも知名度の高い作品になっています。
当時からその人気は凄まじく、20世紀での興行収入は日本第1位で記録的な人気を誇りました。
この記事ではもののけ姫に登場する「ゴンザ」について名シーンや、名場面などを踏まえてご紹介していきたいと思います。
エボシ御前の側近にして元倭寇(海賊)、裏設定でエボシ御前が自身の夫(倭寇の頭目)を殺して故郷へ帰ってきたときに付いてきた唯一の配下という存在のキャラクターです、そんなゴンザについて振り返ってみたいと思います。
ゴンザの基本情報
ゴンザの基本情報についてご紹介していきます。
性別 | 男性 |
声優 | 上條恒彦 |
職業 | 牛飼いや藁徒の頭目、エボシの側近であり護衛。 |
好きな人 | エボシ御前 |
苦手 | カナヅチ |
ゴンザの性格
その大柄な体型からも優に想像できるほどに威張り屋で短気、アシタカがタタラ場へ赴いた際にも信用をしていなかった事からも疑り深い性格であるとも言えます。
しかし、裏設定においても夫である倭寇の頭目を殺し、故郷に帰ってきたエボシ御前を護衛しようと付いてきた経歴からもわかるようにエボシに惚れています、そしてタタラ場のトキに言い負かされてしまうシーンなどもあり、意外と押しに弱いのかもしれませんね。
本人はいたって真面目で、疑り深い部分も側近として当然と言える行動で、前線に立って戦おうとする勇気ある男ですが、呪いの力で強力になったアシタカに刀をグニャグニャにされたときにはさすがに腰が引けていました。
もののけ姫の裏設定
もののけ姫には映画の中で語られることのなかった、それぞれの登場人物の過去などが設定されています。このゴンザにもその設定があり、現在はエボシ御前の側近として役割を持っていますがその前にも様々な物語があります。
まずエボシ御前の設定としては辛苦の過去から抜け出した女とされていて、海外に売られ倭寇の頭目の妻となり頭角をあらわし、ついには頭目を殺してその金品をもって故郷に帰ってきました。
ゴンザはその時についてきた唯一の配下になります、侍の支配から強大な自分の理想の国を作ろうと考えるエボシ御前に対して体を張って尽力する存在になっていました。
このことは宮崎駿監督のメモの書かれていた内容で確かな裏設定となり、ゴンザは昔倭寇(海賊)であったという過去を持った男でした、そしてこれだけ屈強で威圧感のある大男すら従えることが出来るエボシ御前の凄さを印象付ける役割も果たしています。
そして、元海賊のクセに泳げないその代わりに水の中を歩くことが出来るというスゴ技をやってのけるゴンザの個性も観ていてとても面白いです。
水に沈むってことは相当な筋肉の持ち主なのか、そういった意味でもゴンザはかなりの手練れであることが伺えますが、エボシ御前をはじめとするサンやアシタカはそのゴンザをいとも簡単に制してしまいます、それだけサンやアシタカが強いという事がわかりますね。
ゴンザの名シーン・名セリフ
ゴンザの名シーン・名セリフをご紹介していきたいと思います。
「やはりもののけの類か?」
サンが率いる山犬が、エボシ御前の町に夜襲をかけに来ました。敵からエボシを御前を守ろうと先陣をきって戦いの最前線に赴くゴンザですが、サンの身軽さと天性の戦闘能力の前に敢え無く倒れてしまいます。
そしてゴンザが目を覚ますとアシタカがエボシ御前とサンの戦いを収めんと怒りに立ち上がったところでこの言葉を放ち静止させようとしますが怒りと呪いに侵されたアシタカはゴンザの言葉を聞き入れもしません。
そして、ゴンザの持つ刀を呪いによって強力になった力でいとも簡単に曲げてしまいます、屈強な戦士のゴンザであってもこの力を前に怯えおののいてしまいます。
アシタカの強さとサンの強さ、どちらも観ている人たちに印象付けるために大切なシーンであったと思いそのリアクションもコミカルで面白いです。
「ワシは泳げんのだ!」
シシ神討伐の為エボシ御前とジゴ坊率いる「唐傘連」、ついにはシシ神の首を捕り逃げようと奔走する中、モロに片腕を食いちぎられてひん死になっているエボシ御前を抱えながらアシタカへこの言葉を発します。
シシ神は首を求め、だいだらぼっちとなり触れるものの命を吸い取ろうとする緊急事態にあっても泳げずに湖を前にして動けずにいるゴンザ、本当にカナヅチで結局湖の中を歩くという方法をとり、アシタカと共にこの危機を脱します。
最後の盛り上がりにつながる大事なシーンの一つとなり、ゴンザという人間をしっかりと描写したワンシーンとなりました。
タタラ場やサン、アシタカの最高の引き立て役
エボシ御前をはじめとするタタラ場は女性を主とする町になります、そんなタタラ場の雰囲気を作り出す為や、サンやアシタカの強さを表現するためにこのゴンザという男は適役であったと思います。
この映画の細部にわたるまでのこだわりや設定、どのようなキャラクターにも過去がありドラマがあります。ゴンザのような脇役のキャラクターに注目し、映画を観ていくとまた違った面白さを感じることが出来るかもしれません。