炭治郎が、成長するきっかけを与えてくれたひとりに錆兎がいます。最終選別の場で鬼によって殺されてしまったので、弱いのではないか?と思われますが、そうではありません。
錆兎は、炭治郎や富岡に大きな影響を残していますので、過去や強さ、性格など詳しく紹介していきます。
錆兎の基本情報
名前 | 錆兎(さびと) |
性別 | 男 |
肩書き | 無し |
呼吸法 | 水の呼吸 |
年齢/誕生日 | 13歳 |
身長/体重 | 不明 |
声優 | 梶裕貴 |
初登場 | 第4話「炭治朗日記・前編」 |
その他 | 師匠に鱗滝、同じ孤児で弟子に真菰 |
錆兎の特徴
お面を身につけた少年
錆兎は、宍色の髪を持ち狐の面をいつも付けています。そして、口元には大きな傷が残っているのです。表情が穏やかで、やさしい雰囲気を出しています。孤児ということで、鱗滝に引き取られ真菰と共に育てられました。刀の指導も鱗滝から受けていたので、水の呼吸の使い手になる可能背があったのです。
鱗滝の弟子のひとり
錆兎は、炭治郎と同じように鱗滝の弟子で、鱗滝が認めるほどの実力者であり、殺された弟子の中でも気がかりだった人物のひとりです。そして、霊となった後も弟弟子である炭治郎の心配をしていました。そのため、幽霊でありながら炭治郎に実戦の指導を半年もの間行っています。
富岡義勇とは幼い頃の友人
水柱である富岡義勇とは、友人関係にありました。しかし、最終選別で錆兎が死に、富岡は生き残ります。そのことが富岡にとって唯一の気がかりで、柱になっても自分は柱に相応しくないと思っていました。しかし、死んでも錆兎は富岡のことを友人だとずっと認めています。
錆兎の性格
やさしい性格の持ち主
錆兎は幽霊となり炭治郎の前に現れて、先輩として刀の使い方の指導をしました。そこには、錆兎のやさしさがあり、死んでほしくないという思いがあるからです。炭治郎は錆兎に何度もボロボロにされるものの、何かを掴みたいと必死で、ほとんど使いこなせなかった刀を使いこなせるようになりました。
やさしい性格は炭治郎にだけではなく、富岡にも影響を与えていました。富岡が挫けそうになった時も叱咤激励をして、奮い立たせたりしています。富岡のことを本当の友達と思うからこそ、本気でぶつかり合っているのです。
何が起きても後悔はしない潔さ
錆兎は最終選別で鬼に殺されることで、地縛霊としてその場に残ってしまいました。地縛霊だからといって、未練があるからそこに残っている訳ではありません。自分と同じような人を作りたくないから、そこに残って番人をしているのです。
錆兎は自分よりも他人を救うことが大事なので、死ぬことになってもそこに後悔はありませんでした。鬼と戦うことは、そういうことも覚悟しなくてはならない、と認識しています。
錆兎の過去
錆兎は、最終選別で命を落としてしまいました。しかし、だからといって弱い訳ではありません。最終選別には富岡もいましたが、錆兎の背中を追いかけるだけで精一杯の状況でした。森の中に潜んでいた鬼のほとんどを錆兎ひとりで倒してしまったので、錆兎の刀は強度を保つことができなくなります。
そして、森の中でも最強の鬼である手鬼と戦うことになった時、首を切り落とそうとした瞬間に刀が砕けてしまいました。錆兎には予想外の出来事で、そのまま頭を掴まれると潰されて死んでしまうことなります。
錆兎の強さ
錆兎は鱗滝の弟子なので、水の呼吸を使うことができます。そして最終選別に残れる実力で、森の鬼のほとんどをひとりで倒してしまうほどなので、選別者の中でも別格の強さを持っていました。
炭治郎と比べると、素質と強さでは最終戦別の時点では錆兎の方が上と言えるでしょう。富岡も認めているほどなので、そのまま最終選別をクリアできたとしたら水柱になっていたことも間違いありません。
錆兎と炭治郎の関係
錆兎は炭治郎の兄弟子として、最終選別の前に自分と同じ轍を踏まないように稽古をつけてくれました。そんな錆兎のことを炭治郎はずっと心の中に留めています。「あの時錆兎が助けてくれた」という気持ちがあり、富岡や鱗滝にも錆兎の話をしています。
炭治郎に錆兎は、鬼との戦いの基本を授けてくれました。鬼と対峙した時、人は恐怖心によって普段の力を出せなくなります。それを上回る精神力と自信がなければ鬼は倒せない。それを教えてくれました。それがきっかけとなり炭治郎も手鬼に勝つことができたので、錆兎は良き師匠でもあります。
錆兎と富岡の関係
富岡は、ずっと錆兎のことが気がかりでなりませんでした。もし最終選別の時に錆兎がいなければ、自分は死んでいただろうし、水柱になることもできなかったからです。そのため、自らは柱に相応しくないと話しているのですが、炭治郎は錆兎の言葉を代弁していました。
錆兎は、富岡に自分の分も前を向いて生きて欲しいと願っています。そして、弟弟子である炭治郎のことを最後まで見守ってほしいとも思っていました。錆兎は、それだけ富岡のことも気にかけています。富岡も炭治郎から話を聞いて、どこか吹っ切れることになり、前を向いて進むことを決めていました。
錆兎の声優は梶裕貴さん
錆兎の声優を担当しているのは、梶裕貴さんです。数多くの人気キャラクターを演じ、歌手活動をしていることから人気声優のひとりでもあります。
他の体表作には、「進撃の巨人」のエレン、「七つの大罪」のメリオダス、「マギ」のアリババ、「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」の広瀬康一、「僕のヒーローアカデミア」の轟焦凍、「ハイスクールD×D」の兵藤一誠、「DIVE!!」の坂井知季、「アオハライド」の馬渕洸などがあります。
錆兎の名シーン・名セリフ
炭治郎と富岡の心の支えにもなっている錆兎の名台詞を紹介していきます。
「進め!男なら!男に生まれたなら、進む以外の道など無い」
炭治郎に掛けた言葉ですが、かなり力強いです。鬼との戦いとは、殺し合いなので覚悟を持って望まなくては雰囲気に飲まれてしまいます。そして、自らの使命を持って戦いの中に入るというのなら、前を向いて進むしかないのです。
そのための努力と、心構えを持つことを錆兎は炭治郎に教えたかったのでしょう。結果、炭治郎は錆兎の出した課題を乗り越えることができ、一回り大きくなることができました。
「努力はどれだけしても足りないんだよ」
死んでしまった錆兎ならではの言葉ですが、炭治郎にも努力ということの大切さを訴えかけました。努力無しで強い天才は存在しないということです。柱になる者たちは、天武の才能だけでその地位を獲得した訳ではありません。
誰もが何度も死にそうになるぐらいの努力をして、ようやくたどりついたのです。そして、炭治郎も努力の大切さを修行の場面で知ることになります。
「お前も繋ぐんだ 義勇」
錆兎は死んで炭治郎という逸材を育て、未来の希望としました。そして、同じようなことを富岡にも望んでいます。生きている人間だからこそ、より多くの人間に大切なことを伝えられると思ったのです。
富岡は、その言葉で生きる勇気と自分の存在する意味を知ることにもなりました。水の呼吸の使い手は、師匠と弟子との繋がりが深く、後世に伝えようとする意思が強いのが見ていて分かります。
「自分が死ねば良かったなんて二度と言うなよ もし言ったらお前とはそれまでだ 友達をやめる」
過去で富岡と錆兎とのやりとりでの言葉です。富岡は自分の弱さから、生き残るのは錆兎の方が良いと考えていました。しかし、そんなことを錆兎は許しません。死んで良いという人間などいないのです。
自分を否定している富岡を奮い立たせ、生きることを選択させたのです。ここから富岡は自らの弱さを認め、柱に上り詰めるまでの絶え間ぬ努力をしたのでしょう。
錆兎は富岡と炭治郎に大きな影響を与えた
錆兎は最終選別で手鬼によって命を落とすことになりますが、決して弱い存在ではありません。そして、自らと同じような道を辿らないように炭治郎を鍛えることをします。幽霊でありながら、炭治郎に対して特別な気持ちがあったのでしょう。
炭治郎は錆兎との出会いをきっかけに、どんどん強くなっていきました。そして、富岡も錆兎に助けられたことで、自分が生かされた意味を見出すかのように水柱にまで上り詰めています。錆兎はふたりにとって、成長のきっかけを作ってくれた水の呼吸の使い手だったのです。