『名探偵コナン』シリーズで重要なポジションにいる灰原哀。
原作での初登場は18巻「転校生は…」
テレビアニメシリーズでの初登場は「黒の組織から来た女 大学教授殺人事件」
劇場版での初登場は、第3作目『世紀末の魔術師』。
人気キャラクター投票で常に上位を獲得しており、女性キャラの中では高い人気を持つ人物です。
そんな灰原哀とはどんな人物なのか、その正体と黒の組織との関係がどのようなものなのかを紹介していきます。
灰原哀の基本情報
年齢 | 実年齢:18歳 |
本名
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宮野志保
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職業・所属 |
帝丹小学校1年B組所属 黒の組織元メンバー
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容姿
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ウェーブ状の赤みがかった茶髪 容姿端麗
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性格
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クールで冷静 頑固で負けず嫌い
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好きなもの
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ピーナッツバターとブルーベリージャムのサンドイッチ ケーキ 動物 比護隆佑選手 11代目市川海老蔵
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嫌いなもの
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爬虫類 地震 静電気
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家族構成
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声優
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林原めぐみ |
灰原哀の容姿と性格
容姿
ウェーブのかかった、赤みがかった茶髪が特徴で、母親が日本とイギリスのハーフであることから、日本人離れした外見を持っています。東洋系の顔立ちであるため、幼少時過ごしていたアメリカではそのことを理由にいやがらせを受けていたようです。
性格
理知的で冷静。初対面の人間にはあまり積極的に口を開かないことから無口な印象があります。
警戒心が強い部分があり、黒の組織が絡む場面ではそのことがわかる描写が多々あります。
初期は誰に対しても一定の距離を置いて接していましたが、少年探偵団のメンバーや周囲の人々との交流で、やわらかい雰囲気も見せるようになってきています。
クールなのが印象的ですが、頑固で融通の利かない部分部分もあり、何気に負けず嫌いでもあるようです。
猫を被ることはなく、大人に対しても態度を変えることなく接しますが、子供の演技をする際はなかなかの演技力を見せています。
根は優しく、自分が原因で他者が傷つくことを嫌っています。また、精神的に撃たれ弱い部分があり、思い詰め自己犠牲の観念に駆られる傾向もあるようです。
少年探偵団のメンバーを始め、年上の人物である阿笠博士や警察関係者に対しても、毒を吐いたり叱ったりと、怒らせると怖い部分も持っているようです。
灰原哀の好きなもの
ブランド物や女性雑誌を好み、有名ブランドの小物類を見返りとして要求したりと、実年齢相応な一面があります。
アメリカに住んでいたことがあるため、アメリカのランチの定番であるピーナッツバターとブルーベリージャムのサンドイッチが小さい頃は大好きで、今でも時々無性に食べたくなるようです。
犬や猫に対して語り掛けたり、機嫌のいい時はわかりやすいほど表情に出ることから、動物が好きでツボとなる物や相手には目を輝かせている場面が多々あります。
プロサッカーチーム、ビック大阪の比護隆佑選手のファンであり、劇場版『11人目のストライカー』では、彼と沖野ヨーコの熱愛疑惑がゴシップとして報道された際、小五郎と共に放心状態になり、2人の関係についての調査を依頼しています。また、比護を模したキャラクターのストラップを無くした際には、普段では見せない取り乱し方をし、コナン達がストラップを見つけるまで放心状態になるほど好きなようです。
サッカーの腕は磨いているようですが、サッカーの知識はハットトリックを知っている一方で、イエローカードの累積警告は知らないと曖昧なようです。
『コナンと海老蔵 歌舞伎十八番ミステリー』作中では、歌舞伎俳優である11代目市川海老蔵の隠れファンであることが判明しています。
灰原哀の苦手なもの
可愛い犬や猫と反対に、へびなどの爬虫類は嫌いなようです。
暗いところやオカルト系統には怖がることはありませんが、『白鳥警部、桜の思い出』作中で地震の際に悲鳴をあげ、揺れが収まるまでコナンにしがみついていたり、『憎しみの青い火花』作中で静電気の被害を恐れてコナンや光彦に車のドアを開けさせようとしている場面があることから、地震と静電気が苦手なことがわかります。
灰原哀の家族構成
宮野厚司 (みやの あつし)
宮野明美、志保(灰原哀)の父。
妻であるエレーナと宮野医院を経営しつつ、科学者として研究も行っていましたが、事故死したとされています。
マッドサイエンティストと叩かれていたもあったようですが、過去に発明品の発表会で彼に会ったことがある阿笠は「自分の発明品を褒めてくれた、気さくでいい感じの人」と言っています。
友人達に「自分の理論を認めてくれたスポンサーの大きな研究施設に行く」と言っており、黒の組織で薬の研究を行っていたようです。
宮野 エレーナ (みやの えれーな)
宮野明美、志保(灰原哀)の母。
イギリス人と日本人のハーフで、宮野医院で医師として働いていましたが、夫である厚司と共に事故死したとされています。
組織に入ってからは、「ヘル・エンジェル(地獄に落ちた天使)」と称されていましたが、実際は自身の死後を悟り、志保への誕生日を祝うカセットテープを用意するほど娘思いな人物です。
宮野 明美 (みやの あけみ)
厚司、エレーナの娘であり、志保(灰原哀)の姉。
両親や妹である志保(灰原哀)と同様、黒の組織の一員でしたが、行動を制限されていた志保とは違い、黒の組織の監視付きではありながらも、大学に通い友人と戯れるなど、比較的自由な生活を送っていたようです。
黒の組織に潜入していたFBI捜査官の赤井と交際していましたが、赤井がFBIの捜査官であることが発覚したことから、「FBIの組織への潜入組織の手引きをした危険人物」として、組織から明美と志保を抜けさせることを引き換えに10億円強盗を命令されます。
強盗には成功したものの、盗んだ10億円の在処を吐かなかったことから、ジンに射殺されています。
灰原哀と少年探偵団
幼児化し阿笠の家に居候することになったことから、灰原哀として帝丹小学校に編入し、1年B組に在籍することになりコナンや少年探偵団とクラスメイトになります。
少年探偵団には半ば強引に入団させられ、当初は少年探偵団のメンバーと距離を置く態度も見せていましたが、周囲の影響もあり徐々に感情表現が豊かになり、前向きになっているようです。
少年探偵団が阿笠の家を訪れることが多いことから、接する機会が多く、面倒見のいい母親的役割としての発言が多くみられます。
コナンや少年探偵団のメンバーに名前で呼ばれることを良くは思っていないようで、周囲からは「灰原」「灰原さん」と呼ばれることが多いようです。
歩美や蘭に限っては「哀ちゃん」と呼ぶことを許可しているようで、元太や光彦に対しては断っているそう。
灰原哀と黒の組織
黒の組織の元メンバーで、コードネーム「シェリー」として組織が独自に開発していた毒薬、APTX4869の開発に携わっていた科学者でした。
試作段階である薬を無断で人体に投与したことに嫌気が差していたことや、唯一の肉親である姉・明美の殺害の真相を組織が明かさないため、組織が明美殺害の真実を語るまでAPTX4869の研究を中断するという対抗手段をとったことから、組織のガス室に手錠を掛けられ監禁されてしまいます。
姉と同様に自分も抹殺されると思い、覚悟し自殺を図るために隠し持っていたAPTX4869を服用しますが、新一と同じく身体が幼児化し、ダスト・シュートから脱出します。
脱出した後、組織が行った調査から新一が幼児化していると推測し、工藤邸に向かい、門の前で倒れているところを阿笠に保護されます。
保護された後は、正体が露見することを防ぐために灰原哀と名乗り、阿笠の家に身を置き同居することになります。
組織から身を隠しながらコナン達と行動を共にしていますが、阿笠の家の地下でAPTX4869の解毒剤の研究を続けています。
組織に存在がバレることを恐れており、組織に関係している疑いのある人物を見ると、恐怖で強張った表情を見せる場面が度々あります。
灰原哀の対人関係
江戸川 コナン/工藤 新一
灰原哀と同じく、APTX4869によって幼児化しており、お互いの正体や事情を知っています。
当初、黒の組織の関係者だということから灰原哀のことを警戒していましたが、少年探偵団をや阿笠を含めて行動を共にしていく中で、憎まれ口を叩き合う仲になり、信頼し協力し合う関係になっています。
組織から抜け出し、工藤邸の門前で倒れていた行く当てのない灰原哀を保護してくれた命の恩人とも言える存在で、正体と事情を知っている欠かせない協力者であり、同居人。
灰原哀によって、食事管理で健康的な食生活を徹底させられており、不満はあるものの関係は良いようです。
沖矢 昴/赤井 秀一
昴の初登場回『赤白黄色と探偵団』で初めて接触した際、彼から黒の組織の気配を察知したことから、彼の姿を見るとコナンの後ろの隠れたり、彼のいない場所でコナンに対し、組織からの刺客である可能性を口にしたりと警戒する態度をとっていました。しかし、『漆黒の特急』の一件でコナンから味方であることを伝えられたことで、徐々に警戒心を解いています。
少年探偵団
幼児化し、通い始めた帝丹小学校のクラスメイトで、当初はそこまで深い関係はなかったものの、歩美を中心に交流や共に危険を乗り越えた経験から、守りたい存在となっているようです。光彦からは異性として行為を寄せられています。
黒の組織
APTX4869の開発に携わっていたことから、重要メンバーであった灰原哀ですが、コードネームを持つ幹部メンバーでも面識がなかったり、存在すら知らない者もいたようです。
灰原哀の唯一の肉親である明美を射殺した張本人であり、灰原哀が最も憎むべき相手ですが、姉を殺害した理由については灰原哀には話していません。
裏切り者かつ抹殺対象として、執拗に灰原哀を狙い続けおり、抹殺にこだわっています。
幼児化していることはジンに知られていませんが、灰原哀の幼少期の顔を知っています。また、髪の毛1本を見ただけでシェリーのものであると断定しています。
下校途中でジンに見つかって殺される夢を見るなど、灰原哀はジンのことを相当恐れています。
灰原哀が組織のメンバーの中で最も恐れている人物で、彼女も抹殺対象としてシェリーを狙っていましたが、コナンとの直接対決に敗れたことからシェリーから手を引き、表向きは抹殺対象から外していますが、シェリーの命は狙い続けているようです。
「彼女だけはこの世にいてはならない」と考えるほどの殺意を灰原哀に向けていますが、抹殺にこだわる理由は不明です。
ベルモットは、新一と蘭の身の安全を重視していることから、幼児化のことは組織に報告しておらず、灰原哀・コナンの正体については組織にバレていません。
灰原哀の正体を知る人物
阿笠博士
保護された際に、事情説明のため灰原哀自ら正体、コードネームと自身が開発した薬の正式名称がAPTX4869だということを明かしています。
本名に関しては、後に灰原哀とピスコの会話を犯人追跡眼鏡を通して聴き知ります。
江戸川 コナン/工藤 新一
灰原哀が帝丹小学校に編入してきた時点では、灰原哀が黒の組織に関係していることは知りませんでしたが、少年探偵団との事件解決後、灰原哀本人から薬のことコードネームが「シェリー」だということを明かされます。
阿笠の家にて、灰原哀が黒の組織から抜けた経緯を灰原哀本人と、阿笠の補助説明で知ります。
灰原哀の本名は阿笠と一緒に聞いたことで知ることになります。
赤井 秀一/沖矢 昴
灰原哀が宮野志保だと知った経緯は不明。灰原哀には正体を知っていることは明かしておらず、沖矢昴に変装している自身のことも灰原哀には伏せています。
ベルモット
自身で調査し判明していますが、ベルモット自身の思惑があるようで、組織には灰原哀の正体がシェリーであることは報告していません。
ピスコ
自身の調査によって正体を知りますが、その直後にジンによって殺害されています。
服部 平次
コナン、阿笠2人からの事情説明で知ることとなります。
平次と同じように、コナンと阿笠かあの事情説明によって知り、変装などにおいて協力しています。
平次、優作、有希子の3人においては、灰原哀が「黒の組織の科学者で、新一と同じように薬を飲んで幼児化し、組織から逃げてきた」という事情を把握していることは明確ですが、宮野志保であることやコードネームがシェリーであるという事実まで知っているかどうかは言及がないため不明です。
灰原哀の誕生秘話と名前の由来
『名探偵コナン』作中における「灰原哀」の名前は阿笠が命名者であり、「コーデリア・グレイ」と「V ・ I ・ウォーショースキー」から組み合したものと語っています。灰原哀自身、ピスコによる監禁状態から抜け出す際、「まるで井戸から這い上がったコーデリアね」と話していることから、命名を気に入っている様子が窺えます。
阿笠は可愛いらしいということから「愛」にしたかったようですが、灰原哀本人の希望で「哀」になりました。
作者は、「哀」はアイリーン・アドラーから取ったということを俳優の佐藤健との対談で述べています。
「蘭とは真反対のツンデレキャラ」「黒の組織の関係者」として初期から灰原哀の登場は構想されていましたが、宮野明美に関する事件が黒の組織と関係のない事件に改変されたために登場が見送られます。
そのため、構想は平次や少年探偵団よりも先行していますが、メインキャラクターとしては登場時期が遅くなっています。
灰原哀の担当声優
灰原哀の声優を担当されているのは、林原 めぐみ(はやしばら めぐみ)さん。
声優、歌手、ナレーター、ラジオパーソナリティ、作詞家、エッセイイストとして多彩な分野で活躍されています。
デビュー以来長年にわたり、人気声優として様々な分野で活躍されており、第3次声優ブームの源流かつ最も代表的な人物です。
歌手活動においては、声優がレコード会社と専属契約をする先駆けとなり、初めて本格的かつ継続的な活動を行ったことで「声優アーティスト」の礎を築いています。
キャラクターを演じる「声優」の存在を初めて意識したのは、小学生の時に映画『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』を鑑賞してからであり、以降声優という職業に関心を持つようになります。
また、『銀河鉄道999』関連のイベントに参加し、会場に不在だった池田昌子に代わり、メーテル役を演じたこともあります。
高校卒業後の進路を決定するにあたって、過去に父親が病気で倒れたことや手に職をつけたいと考えていたことから、当初は現実的な道である国家資格を取得して看護師になることを目指します。
受験のために戒めていた漫画を本屋で立ち読みしていた際、アーツビジョンの声優無料養成オーディションの広告を発見し、願書提出先の看護学校の受付の憮然とした態度に怒っていたことに任せて応募。
成績もさることながら、強烈なインパクトも残したとして、アーツビジョン付属日本ナレーション演技研究所の第1期生い特待生の1人として合格します。
「声優を目指すのであれば、看護学校を卒業して正看護師免許を取得しろ」という両親の条件に従い、看護学校と声優養成所を3年かけて両立させ通い、正看護師免許を取得しています。
1986年に看護学校と声優養成所在籍中に『めぞん一刻』第1話の幼稚園児B・近所の女役でデビューしています。
1988年には『魔神英雄伝ワタル』忍部ヒミコ役で自身初のメインキャラクターを獲得。
1989年には『らんま1/2』の女らんまを担当。
1990年、東京都多摩市にサンリオピューロランドが開園し、以降同園その他ほとんどの作品で4代目声優としてハローキティの声を担当。
1995年、『新世紀エヴァンゲリオン』で綾波レイを担当し、1997年には、『ポケットモンスター』でロケット団のムサシ役のほか、同シリーズで数多くのポケモンの声を担当されています。
灰原哀の名シーン・名言
灰原哀の名シーン、名言にはどのようなものがあるのでしょうか?紹介していきます。
帝丹小学校1年B組の編入生
灰原哀が編入してきた際の一コマ。
不愛想で、元太の言葉を無視して、コナンの席の隣に座ったことから、元太には「ツンツン女」と言われています。
明かされるコードネーム「シェリー」
少年探偵団と共に解決した事件後、帰り道に灰原哀から黒の組織の関係者であることが明かされます。
黒の組織が関係している人物に関して見せる表情。
この表情から、灰原哀が黒の組織に見つかることを恐れていることがわかります。
姉、明美をなぜ助けられなかったのかとコナンに泣きついている場面です。
唯一の肉親である明美のことを思う灰原哀の気持ちがわかる場面ではないでしょうか?
ストラップが…
大好きなサッカー選手、比護選手のストラップが無くなった際に見せた表情。
初登場当時から、色々な表情が増えてきていることがわかります。
灰原哀のまとめ
不愛想に見えて面倒見が良く、優しい人物であることがわかりました。
黒の組織から抹殺対象とされているため、恐怖と隣合わせではありますが、コナンや阿笠、少年探偵団と接する中で、初登場の頃より明るくなっているのがわかるのではないでしょうか?
研究を続けているAPTX4869の解毒剤は完成形になるのか、黒の組織の行動が活発になっていく中で、灰原哀にどのような展開が待ち受けているのか、今後のストーリーにも注目です。