ドラム王国が黒ひげに襲われた際、国王ワポル達と共に民衆を捨て、真っ先に海へ逃げて海賊となった悪参謀チェス。
同じく、悪代官のクロマーリモとワポルへの忠誠心を見せますが、性格から考えると、それも表面上だけなのかもしれません。ここでは、そのチェスについて調べていきたいと思います。
チェスの基本情報
『ONE PIECE』(C)尾田 栄一郎/集英社
名前 | チェス |
性別 | 男性 |
所属 | ドラム王国→ブリキング海賊団 |
種族/出身地 | 人間/不明 |
懸賞金 | 不明 |
悪魔の実 | 無し |
使用する技・術 | 弓矢 |
年齢/誕生日 | 不明/7月20日 |
身長/体重 | 不明 |
声優 | 沼田祐介 |
初登場 | 131話『ブリキのワポル』 |
その他 | 元ドラム王国悪参謀 |
チェスという名前だけあって、漫画版では見た目が白黒対称のチェック柄です。しかし、アニメ版ではそれが緑と薄い水色になっています。アニメーションという特性上、白黒では表現が難しかったのでしょうか。漫画を最初に読んでいた方々にとっては、初登場時、多少の違和感を持ってしまった方も多いと思われます。
チェスの戦闘スタイル
主に弓矢での攻撃を得意としますが、ストーリー上では一人で戦うシーンは少なく、悪代官クロマーリモと連携して戦います。しかし、チェスの本来の戦闘スタイルはワポルのバクバクの実によりクロマーリモと合体したチェスマーリモでの戦い方です。
自称『ドラム王国最強の戦士』チェスマーリモ。サンジからは「肩車しただけだろ」と突っ込まれますが、たとえ自称といえど、その実力は確かなもので、チョッパーと戦い、敗れはしたものの善戦しました。
チェスマーリモの技としては『雪解けの矢マーリモ』という火のついた矢で攻撃する技があります。矢の先の火の着火は作中では一切触れられていませんが、ただ油等を塗って火をつけただけか、クロマーリモのアフロによる静電気で着火して矢を放ったか、など考えられますが、真相は解明されていません。
次に、木槌を振り回す『四本大槌(クワトロハンマー)』。四本の腕を活用し、大木槌を使いこなす技です。木槌はかなり大きなサイズですので、この重量を四本の腕で振り回すパワーは、さすが自称ドラム王国最強の戦士といったところでしょうか。
最後に『四本戦斧(クワトロアックス)』。言ってしまえば先ほどの木槌を斧に持ち替えただけですが、その殺傷能力は鈍器である木槌に比べ、スピードもアップし、攻撃力も格段に上がったところでしょう。ただ、残念ながら、際立った活躍もなく終わってしまいました。
チェスの名シーン・名セリフ
チョッパーと戦い、敗れたチェス。戦闘能力は正直微妙ではありましたが、その言葉遣いにキャラクター性を感じます。
チェスのワポルへの忠誠心
腹を空かせたワポルが、麦わらの一味の船、ゴーイングメリー号を食べているとき、怒ったルフィに吹っ飛ばされ、海に落ちたシーン。ここで「おいマズいぞ!!ワポル様がごぶっ飛びあそばされた!!!」「こうなってはワポル様がお沈みあそばれる前に、ご救出してさしあげなければ、お死にたてまつっちまうぜ!!!」
これ、正しい日本語ではありませんよね。敬語、尊敬語の使い方が明らかに可笑しいです。しかし、ここで考えられるのは、ワポルへの忠誠心です。敬語を使っているから、ではありません。
チェスは先代国王の亡きあと、新たに国王になり悪政を行っていたワポルにも参謀として忠実に仕えました。参謀、というだけあって頭のきれるチェス。ワポルには人望が無く、先代国王から国に忠誠を誓っていたドルトンまでもが愛想をつかしたほどの人物。であれば、ワポルが海に落ち、悪魔の実のせいで泳げないのですから、見捨てたらよかったのでは、と思います。そうしたら、チェスが次期国王候補になる可能性も出てきます。ですが、チェスはワポルを救出しました。
これはワポルへの忠誠心の現れではないでしょうか。確かにワポルのバクバクの実の力で強力な戦士チェスマーリモーになれるわけですが、それを差し引いてもワポルの我儘についていけるのは、やはりそれなりに忠誠心があったから、ではないでしょうか。それがワポルではなく『国』に対してのものなのかはわかりませんが。
チェスの国政への考え方
ドラム王国は、先代までは普通の国であり、普通の国王であったことは回想シーンからも読み取れます。しかし、国王がワポルになってからというもの、民衆には目もくれず、自分の欲求、欲望を満たすことだけを考えるような政治へと変わりました。そのため、上記のように先代国王時代から国に忠誠を誓っていたドルトンさえもワポルのもとを去ってしまいます。
しかし、チェスは参謀として、ワポルに従います。そこには、ワポルと共通する国政への考え方があったものと思われます。それが垣間見えたのがこのセリフ。
「国を想うことが政治か!?おいおい目ェ覚ませドルトン!!国政に心など要らん!!」
なんか、現代日本の政治家に刺さるような言葉ですが、これがチェスの真骨頂と言えましょう。国政に心はいらない、ということは、権力者が権力者であるための政治、もしくは国王だけが絶対の政治がチェスの信条となるのでしょう。たとえ民衆が苦しんでも、国王がいれば国として成立し、権力者が権力者のままであれば政治は成り立つのですから。
チェスはワポルと同じ考え方の悪参謀
ドラム王国の元悪参謀チェス。彼の国への考え方はワポルと同じでしょう。
だから、人望もないワポルに忠誠を誓い、ワポルの腰巾着として仕えていました。本編ではその後の彼らについて語られておりませんが、役柄的に、ワポルに今だ仕えているか、捨てられたか。どの道、現在の状態が良い方向へ向かっているとはあまり考えられませんね。